なあむ

やどかり和尚の考えたこと

サンサンラジオ257 潜水艦、蠅蚊、雪籠り

2020年04月05日 05時00分00秒 | サンサンラジオ
三ちゃんのサンデーサンサンラジオ、第257回。4月5日、日曜日。

まずは報道部から1週間の動きをまとめて。
1日映画『新聞記者』と『風の電話』を鑑賞
3日草むしり
そのような1週間でした。

おはようございます。
ついにコロナが新庄まで来てしまいました。さらに広がっています。
見えない潜水艦の敵がジワリジワリと迫って来るようです。
田舎ものんきにしてられません。
報道では、若者に「動くな」と感染を媒介する蠅や蚊のように呼び掛けています。
キャンセルや中止の波がすべてのイベント、集まりに及び、外出そのものが悪いことでもするかのような空気になってきました。
猛吹雪にじっと耐えてやり過ごす雪籠りをする以外にありません。
中島みゆきは『吹雪』で次のように歌っています。
 恐ろしいものの形を ノートに描いてみなさい
 そこに描けないものが 君たちを殺すだろう
これは放射能を題材にしたものだと言われる歌ですが、似ていて寒々とします。

教育の現場、子どもたち、その親の大変さが想像されます。
これが長引けば長引くほど経済の打撃は深刻になり、倒産の連鎖が広がるように思います。
家庭内暴力、離婚、自殺などの連鎖も心配されます。感染者への差別も起こるでしょう。
とんでもないことになってきた、というのが正直な感想ですが、誰かのせいにしても始まらないし、それぞれが自分の身を守り、じっと耐えていく以外にないでしょう。
医療現場や関係者が献身的な努力を続けてくださっていると思います。せめてそれ以外の人々は医療の崩壊に至らないように、気をつけて自分で我が身を守っていかなければなりません。
考えてみれば、人間などなんて弱いものだと思います。
たった1種類のウィルスによって個人も社会も世界も崩壊されかねない脆弱なものだったということです。
目にも見えない小さな微生物(?辞書にはそうありました)が、人間同士の争いなどを笑い飛ばすかのような破壊力を持っています。

弱さを知ることは悪いことではありません。自分が弱いことを知るからこそ、他に対して謙虚になり、自らを慎むことにつながります。自分を弱いと認めることが強さでもあります。
「獅子身中の虫」という言葉がありますが、怖いのは自分以外の敵ではなくむしろ自分の中から侵されることでしょう。
外にばかり目を向けず、自分を律し自分を強くしていく。便利さより不便さ。海外よりも国内、国よりも地方、他人よりも自分。誰かと比べるのはなく、自分自身の生きる力を信じ自覚していく。そのためには、情報を遮断して自分を見つめる時間を持つことが必要でしょう。その一つは坐禅。
そのことをコロナという目に見えない存在が教えているのかもしれません。

なにも用事がないので映画を2本観ました。『新聞記者』と『風の電話』です。
接触感染の心配は要りません。映画館はほぼ貸し切り状態です。
いずれも、ドキュメンタリー映画ではありませんが、ほぼ事実を元にした作品だと思われます。
『新聞記者』は、東京新聞の望月衣塑子(いそこ)記者の原案を元にした作品です。
政権に忖度するマスメディアの中で、東京新聞は信念を通していると外国人記者からの評価が高い新聞社です。
亡くなられた布教師仲間の方から「東京へ来たなら東京新聞を買って読みなさい」とアドバイスされたことがありました。
権力に抗い真実を伝え続けるというのは勇気と覚悟が要ることで、そこはジャーナリストに頑張ってもらいたいと思います。誰かのために捻じ曲げられ操作された情報ではなく、事実をありのままに淡々と流してほしいと思います。
判断はそれぞれがすればいいのであって、公表される前に色付けされた情報は危険です。
こういう映画がこの国でも作れて放映できるんだということに救いを感じました。

『風の電話』は、震災津波で両親と弟を失った少女が、身を寄せる広島の叔母が病気で倒れ、呆然と故郷の岩手県大槌町を目指すストーリーです。
感情を遮断してしまった高校3年の「ハル」は、ふらふらと北に向かいます。その途中、たまたま出会った人々の悲しみに触れていきます。
故郷にたどり着き、そこにあったはずの家の跡地で「ただいま」と呼びかける心が胸に刺さり涙を誘います。
近くには、亡くなった人と話ができる「風の電話」という電話ボックスがありました。そこでハルは何を語るのか。
脚本はあるのでしょうが、言葉がとても自然で、それが真実を物語っていると思わせてくれます。
あの震災から、ハルのような子どもがたくさんいるんだよな、どんな風に生きているのかなと思いながら観ていました。

春はもうしばらく先のようです。自分を信じじっと耐えていきましょう。

今週はここまで。また来週お立ち寄りください。

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