私の勤める法人のデイサービスに来ているご夫婦のお話。
同法人の施設に入居されていて、自費でデイサービスを利用されているご主人。
その奥様も週に一度、ご主人の通所日に合わせてデイサービスを利用されています。
週に一度だけ、デイサービスでの逢瀬を楽しまれるご夫婦がいるんです。
奥様は支援なのですが
ご主人の方が認知症でね
一日中「恵子ー!」「恵子ー!」って
声を荒げて奥様の名前を呼び、「ここに座れ!」って、自分の隣を指差すんです。
ご主人は奥様ことを認識出来ていないんやけど、それでもいつも奥様の名前を呼ぶの。
呼ばれた奥様はご主人の隣に座り
お食事のお世話をし、
「寒くない?」「お茶はどう?」「しんどくない」「歩きたい?」って気にかけて…
そしてご主人が落ちつくと、
奥様はご主人の手を摩りながら
二人の思い出話をされるんです。
その光景はいつも愛に満ち溢れていて
毎回、感動して胸が熱くなります。
ある時、私は奥様に
「旦那さんは、奥様のこと大好きだったんですね。いつも隣に座って欲しいなんて、寂しがり屋だったんですか?」ってお聞きすると
「そうよ。夫はとても寂しがりやでね。
家に居るときは、ずっと私を横に座らせていたし
外に居るときは、ずっと新地の女の子を横に座らせていたわよ」
って、サラリと笑う奥様。
そのお言葉に、ご夫婦の絆を感じました。
ご利用者のひとりひとりが
誰かの大切な人である。
毎日のドタバタで忘れがちになっている大切なことを、私はご夫婦のお陰でいつも胸に留めておく事が出来ています。
最後まで読んでくれてありがとう。
ノンベー