たいせつなひと。 | 飲兵衛シングルマザーの*酒とアテと弁当と*

飲兵衛シングルマザーの*酒とアテと弁当と*

実家なし養育費なし公的支援なし。2014年、子供2人を抱えたどん底離婚から完全自立を成し遂げたシングルマザー。自立し過ぎて、お付き合い6年目の彼とは結婚願望ゼロ。
趣味は飲み歩きと貯金と桑田佳祐。極限まで手を抜いたありのままのお弁当も綴っています。




私の勤める法人のデイサービスに来ているご夫婦のお話。





同法人の施設に入居されていて、自費でデイサービスを利用されているご主人。
その奥様も週に一度、ご主人の通所日に合わせてデイサービスを利用されています。




週に一度だけ、デイサービスでの逢瀬を楽しまれるご夫婦がいるんです。



奥様は支援なのですが
ご主人の方が認知症でね
一日中「恵子ー!」「恵子ー!」って
声を荒げて奥様の名前を呼び、「ここに座れ!」って、自分の隣を指差すんです。
ご主人は奥様ことを認識出来ていないんやけど、それでもいつも奥様の名前を呼ぶの。



呼ばれた奥様はご主人の隣に座り
お食事のお世話をし、
「寒くない?」「お茶はどう?」「しんどくない」「歩きたい?」って気にかけて…



そしてご主人が落ちつくと、
奥様はご主人の手を摩りながら
二人の思い出話をされるんです。




その光景はいつも愛に満ち溢れていて
毎回、感動して胸が熱くなります。




ある時、私は奥様に
「旦那さんは、奥様のこと大好きだったんですね。いつも隣に座って欲しいなんて、寂しがり屋だったんですか?」ってお聞きすると





「そうよ。夫はとても寂しがりやでね。
家に居るときは、ずっと私を横に座らせていたし
外に居るときは、ずっと新地の女の子を横に座らせていたわよ」
って、サラリと笑う奥様。
そのお言葉に、ご夫婦の絆を感じました。




ご利用者のひとりひとりが
誰かの大切な人である。





毎日のドタバタで忘れがちになっている大切なことを、私はご夫婦のお陰でいつも胸に留めておく事が出来ています。










最後まで読んでくれてありがとう。
ノンベーピンク薔薇