週刊少年サンデーで高橋留美子が連載してる「MAO」楽しんで読んでます。
今週号でやっと重要人物が出揃ったんでしょうかね?
御降家の五色堂に呼ばれた5人の陰陽師。
百火、華紋、不知火、白眉、そして夏野。
MAOは61話まで進んでみたら、ストーリーはシンプルなようで複雑、複雑なようでシンプルって感じです。
900年前に起きた事件の真相、それに伴い摩緒と菜花と猫鬼に起こった(起こってる)こと、少しずつ着実に明かされています。新たな謎も次々発生してますが。
人間関係や、各キャラが何を知ってて(隠してて)何を知らないかがかなり複雑でそこはややこしいです。
でもそこがなんか、結局のところ摩緒も5人の陰陽師もそして猫鬼すらも、誰かに踊らされてるっていう印象を湧かせてて、まだ他に黒幕というか全ての張本人のようなキャラが隠されてる雰囲気を出してます。
それらの真相が明かされるのが楽しみです。
(そういう因果を打開できるキーパーソンやっぱり菜花?)
読んでてついつい注目しちゃうのは5人の陰陽師です。
火の百火、木の華紋、水の不知火、金の白眉、土の夏野。
彼らは意図せず(事実上の)不老不死の体にされて900年間生き続けて、とりあえず「摩緒をぶっ殺す!」派と「摩緒の存在はもうどうでもいい」派に二分してるんでしょうかね。
不知火と白眉は殺す派で、百火と華紋はどうでもいい派。そして最新話で初登場した夏野はなんか後者っぽいけど、まだ分かりません。
そして彼らは基本的に悪人、というか罪の無い市井の人々の命をかなり軽く考えてるような印象です。百火はその印象は無いですが。
華紋なんて、どこぞの金持ちドラ息子の、身寄りのない若い娘を攫ってレイプして殺す道楽を手伝ってたし、夏野も最新話では、一見、瀕死の人を治療して人助けしてるようで、逆にそれが不幸をまき散らしてることには全く無頓着っぽい感じがしました。
人としてはなんか嫌な奴らです。
でも漫画のキャラとしてはみんな歪み方が面白いと思います。
彼らは900年も生き長らえたせいで価値観がおかしくなったのか、あるいはもともと頭のネジがどこか狂ってるから五色堂に選ばれたのか。その両方かな。
選んだ「お師匠様」(名前出てたっけ?)が黒幕なのかな。あの人も生きてていつか登場するのかな。
900年前の事件の関係者はいまだに生きてる者だらけです。
紗那も生きてるんでしょうか?あの「幽羅子」はなんか紗那本人ではなさそうですが。
いくつかの発言や、幽羅子は摩緒のことを思い焦がれてるけど、生前の紗那は他の男、摩緒の恩人の大五と恋仲だったことから別人っぽいです。
幽羅子の正体は900年前に摩緒を慕ってた下働きの冴えないモブ娘とかで、誰かにそそのかされて紗那の顔を奪った……とか???
なんにせよその幽羅子は白眉&不知火の側にいて、彼らの目的は、陰陽術や呪いで御降家を盛り立てて、そして「裏切り者」であり陰陽道の五行の外にいる存在、猫鬼(摩緒)を殺すなり手中にするなりすることのようです。
登場人物達の勢力図は割とシンプルに二分されてますね。
唯一の例外としてどちらにも属さないのが猫鬼?
彼は摩緒を殺して菜花を乗っ取りたいんでしたっけ。
でも彼も彼で、かつて御降家の飼い猫「灰丸」だったのが、いつどの瞬間に猫鬼になったのかとかまだまだ謎を隠してそう。
シンプルな雰囲気と、ややこしくてモヤモヤ~っとした雰囲気がいい感じに混ざってる状態だと思います。今のMAO。
それとなんか過去の高橋作品「炎トリッパー」「犬夜叉」「人魚」の世界観が現代のノリで再構成されてるような感もあります。この3作、特に炎と人魚は好きだったので個人的に好感触です。
若干気になるのは、この漫画は大正時代と令和の現代を行き来するわけですが、大正では陰陽道とか妖怪とかが盛んに普通に街中に存在する設定なのに、令和ではその風俗風習がぷっつり消えてるところです。今回の高橋作品ではそのへんの不可解はどうなるのか?どこかで断絶が起きるのか?
そしてこれから血で血を洗う戦いが本格化するのか?
もしそうだとしたら、5人の陰陽師でまず最初に死ぬのはきっと不知火だろうなあー。
あいつ雑魚臭ありますよね。
バトル展開に関しては、「劣勢になった側がすぐ逃げて決着は持ち越し」のパターンは極力やめてほしいです。
あと私が連載初期に気になってた魚住さんは、割とあっさり正体が明かされました。
摩緒の式神で、乙弥と同じような存在だったのね。
あのスムージーも菜花の力を封じるためのものだったと。
納得!
最後に、この漫画で一番かわいいのは貂子。
マジでかわいいです。好きです。