おばあちゃんと次男 | ☆★まゆの手帳★☆

おばあちゃんと次男

7月のはじめ、義祖母が入所施設のベッドから落ちてしまいケガをしたとの連絡があった。

施設周辺の病院では受け入れが出来ないとのことで、義祖母は私達が住む近くの病院へ入院することになった。

入院から数日後、痛みをなくすには手術が必要だと言われたが
超高齢(99歳)の義祖母が手術を受けるにはリスクが伴うとの説明だった。

しかし、痛みが無くならないことにはどうしようもないので
義父母は、ある程度の覚悟を決め手術に同意することにした。

義祖母の手術日、私は次男を学校へ送り届けた後に病院へ向かうはずだった。
だけど、前日に体調が悪くなりどうにもこうにも動く事ができず
義祖母の病院へは主人一人で行ってもらった。


主人が病院へ着くと、義祖母は麻酔薬で朦朧とはしていたものの
手術は無事に成功し、術後も良好な様子だったそうだ。

その報告を受け、私もほっとひと安心した。


それから数週間後
私の体調も回復し、次男の風邪も落ち着いた頃に義母から一本の連絡が入った。

「おばあちゃん、嘔吐して喉をつまらせ、一時呼吸が出来なくなってしまった」と。
つまり、誤嚥性肺炎や脳梗塞の心配ができてしまった…。


超高齢とはいえ、まだまだ元気な義祖母。

多少のボケはあるけれど、ひ孫の年齢はしっかりと覚えているくらいまだまだ元気なのだ。

そんな義祖母が…と一瞬だけマイナスなことを考えてしまい
それからの数日は不安な毎日だった。


その週末、ようやく子供達と一緒に義祖母のお見舞いに行くことができた。

義祖母の第一声は「ことは?」だった。

高校生になってから、バイトや付き合いなので家族と一緒に行動することが少なくなった長女。

顔を見れば安心するだろうが、中々会えない長女を気にしてくれているのだろう。

長女の話を少しした後も、義祖母はか細い声で主人と会話を続け
次男の小さな手を握りながら「あったかい」と何度も何度も言っていた。

時々、心拍数が上がってはモニターのアラームが鳴り
私はそれが気になって仕方なかった。


「長居は禁物」と主人が言い、病室を出ることにした。


病院を出ると
「おばあちゃんあえたね。
おばあちゃん、まえ おすしたべてた。また いっしょ たべたいよ」と次男が言った。

義祖母が入所して数年が経つのに、次男はそんなことまで憶えていて私は驚いた。


翌日、私は義母に電話をし義祖母の様子を聞いた。

前日のような心拍数の乱れはなく、食事も少量だけども食べれているとのことだった。
ほっとした。


それからしばらく経ち、義祖母の退院の話が出たのだが
点滴が外れないため施設への再入所は見送りになった。

しかし、病院の事情で転院しなければならないとのことで
義父母の自宅から近い病院を紹介してもらうことになった。


転院して1ヶ月ほどが経つ頃、次男を連れて義祖母の様子を見に行った。

すると、義祖母は前回会った時よりも顔色が良く
会話もしっかりとできていた。

年齢的なこともあり、耳はあまり聞こえていないので
こちらの言いたい事は筆談をして会話をしていた。

そして
次男が義祖母の手をギュッと握ると
「あったかい」と言いながら嬉しそうに笑っていた。

次男の名前も年齢もしっかりと言えることに、私達は安心して家に帰ることができた。


来月で100歳を迎える義祖母。

一時はどうなるかと心配したけれど
まだまだ元気でいてほしいと思う。

できることならば、次男の成人式まで見守ってほしいな。

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