前回の記事で中古マンションのリフォームについて書きました。独身の女性に中古マンション+リフォームの人気が高まっています。中古戸建住宅を購入してリフォームをすることを選ばれるのは若いファミリーが多いように思います。中古戸建住宅にだけあるチェックポイントもありますので、最後まで読んでいただければ幸いです。
今回は中古戸建住宅のリフォームについて書きたいと思います。
| 中古戸建住宅のメリット
中古戸建住宅のメリットは、新築戸建住宅に比べて物件本体価格が安くなることです。おおよそ1,000万円くらいの差があります。
国土交通省の住宅市場動向調査によりますと、建売一戸建住宅の価格はおおよそ3,800万円。対して、中古戸建住宅はおおよそ2,700万円です。その差は約1,100万円ですから、この分をリフォーム代に使えることになります。
また、中古戸建住宅は新築戸建住宅に比べて流通量が多いです。エリアの希望がある場合には新築戸建住宅が見つからなくても中古戸建住宅は見つかる可能性があります。
中古マンションと同じような感じですね。
| リフォームのメリット
新築戸建住宅よりも中古戸建住宅の方が手に入りやすいことはわかりました。では、リフォームをするメリットは何でしょうか。
もちろん、自分好みの間取りやデザインにできることもあります。実はそれだけではありません。現在の住居を解体して新たに注文住宅を建築する場合、土地代金は別途かからないものの注文住宅の建築費がかなりかかります。平均的には3,300万円ほどになります。中古建住宅の価格が約2,700万円ですから600万円ほどの差になります。600万円をリフォーム代に回せることになります。
解体や再建築費用は中古マンションには関係ありません。中古戸建住宅で気を付けるポイントです。
| 中古一戸建住宅の注意点
中古戸建住宅は価格が安いですが、その分だけリスクもあります。それは、構造などの状態を確認できないことと瑕疵担保期間が短いことです。
リフォームのために壁や屋根を壊してスケルトン状態にすると意外なところの補強工事が必要だったりします。このような構造上の隠れた瑕疵があったとしても瑕疵担保責任は3~6か月と短いことが多いですから、修理費用を売主に請求することもできません。購入前にホームインスペクターや建築士などに住宅診断をしてもらうことをおすすめします。費用はおおよそ5~10万円です。
中古マンションでも構造の確認は大切ですが、中古戸建住宅の場合はもう少し踏み込んで検討する必要があります。
| 中古一戸建住宅のチェックポイント
中古一戸建住宅を選ぶときのポイントは、耐震性、構造、築年数です。中古マンションと同様です。
1 耐震性
2000年5月以前に建てられた家は旧耐震基準で建てられていますから、耐震性の低い家が多くなります。耐震補強工事をする場合の費用は、築20年以下の物件は約95万円ですが、築20~29年なら約130万円、築30~39年なら約170万円、築40年以上では約190万円かかります。購入をするなら2000年6月以降に建てられた住宅をおすすめします。
2 構造
一戸建住宅の多くは木造軸組工法で建てられています。柱と梁で構造が組まれたものです。従来工法とも言われます。
木造軸組工法以外では、2×4工法、プレハブ工法、鉄筋コンクリート造、鉄骨造などがあります。プレハブ工法の木質系やコンクリート系は壁式構造ですので、鉄筋コンクリート造の壁式構造と同じく大きなリフォームはできない可能性があります。2×4工法も取り払えない壁が多く間取り変更は難しくなります。
3 築年数
中古戸建住宅で木造ならば築20~30年で建物の価値はゼロになります。広告では“古家付き土地”と書かれていて、解体を前提として売られています。このような物件は基本的に土地代だけで購入できます。古家付き土地であっても必ず解体しなければいけないわけではありませんので、リフォームをして住むこともできます。
4 その他
住宅ローンを組んで中古戸建住宅を購入する場合には、チェックポイントが増えます。住宅ローンの審査に通らない物件があるからです。主なものは、“再建築不可”、“要セットバック”、“建ぺい率・容積率オーバー”です。
再建築不可の物件では火事などで建物が全焼したとしてもその土地に新たに建物を建てることができませんので担保価値が極端に下がります。そうなると金融機関はお金を貸してくれません。また、要セットバックの物件は減築が必要で、玄関を壊したりベランダを取り払ったりしなければいけない可能性があります。建ぺい率・容積率オーバーも同様ですね。
書面の資料だけでなく実際に目で見て説明をつけることで納得できることも多いですから、現地に訪れて魅力ある物件を見つけてほしいと思います。
| まとめ
1 価格の安さや流通量の多さは中古戸建住宅のメリット!
2 解体・再建築よりもリフォームがお得!
3 耐震・構造・築年数をチェック!