三井住友トラスト・資産のミライ研究所では、“住まいと資産形成に関する意識と実態調査”を実施したようで、レポートがリリースされました。その中で、60歳代の世帯資産は20歳代の6.8倍もあるとの報告がなされています。
今回は、“住まいと資産形成に関する意識と実態調査”の一部を除いてみたいと思います。
| 世帯資産は60歳代で急上昇
2020年1月に全国の20~64歳の男女に対して行われた調査で、1万以上の回答からレポートが作成されました。回答方法はWEBアンケートだそうです。
昨今は、個人の価値観やライフスタイルが多様化してきています。様々な生活様式の中で世代別にどのような資産形成がされているのかが調査されました。
今回のアンケートでは、住居などの不動産を除いた金融資産の額を尋ねています。その結果、60歳代の世帯資産は20歳代の6.8倍にもなっています。世代別に見てみましょう。
20歳代:270万円
30歳代:585万円(20歳代の2.2倍)
40歳代:727万円(30歳代の1.2倍)
50歳代:1,100万円(40歳代の1.5倍)
60歳代:1,828万円(50歳代の1.7倍)
20歳代から30歳代になるとぐんと金融資産が増えていることが分かります。30歳代、40歳代ではあまり増えていません。この年代はおそらく子育て世代で子どもの教育にお金がかかるのではないでしょうか。50歳代、60歳代になるとまた金融資産が増えています。住宅ローンの返済完了、退職金の受け取りなどの要因がありそうです。
| 世帯間格差は年齢が上がると拡大!?
金融資産の保有額を3つの階層に分けた場合、20歳代では3/4の世帯が300万円未満であるのに対して、60歳代の世帯では300万円未満が1/3、1500万円以上が2/5と中間層が少なくなっていました。
この傾向は20歳代から30歳代になったとき、50歳代から60歳代になったときに顕著になっています。30歳代~50歳代の間はそれほど大きな変化がありません。年齢が上がるにつれて金融資産は増えていきますが、同世代内では年齢が上がるにつ入れて格差が拡大していく傾向にあるようです。
| 資産形成は持家と住宅ローンの差!?
レポートでは、資産形成の進み具合を持家の有無と住宅ローンの有無の4通りの組み合わせで分析しています。
普通に考えると持家で住宅ローンがない場合が一番資産が形成されそうですが、アンケートの結果もそのようになっていました。
30歳代を境に、40歳代以降になると、持家で住宅ローンがないか返済済みの場合には、大きく資産が増えていっています。40歳代~50歳代で2倍弱、60歳代になると2倍以上の開きになっています。
持家であっても住宅ローンがある場合や借家や実家での同居などで住宅ローンがない場合には、年齢が上がったとしても金融資産保有額の上昇は少なくなっています。原因としては、住宅ローンの返済によって金融資産が増えなかったり、住宅ローンを組めるほどの収入がなかったりするのではないでしょうか。
| まとめ
1 年齢が上がるほど金融資産の格差が拡大!
2 30歳代・40歳代は資産形成が進まない!?
3 住宅ローンが終われば金融資産の形成が進むかも!?