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こんにちわ。トラジロウです!

前回>>第28話からの続きです。

小橋邸200万円の契約が上田営業マンのオカゲで何とか今月解約にならなくてすみました。

しかし残り6日間で70万円の契約を獲得するのは至難の業です。。

なんせ今月中に超クレーム案件の中島邸を完了させて無事引き渡さないといけません。

さらにその中島邸直下で漏水被災した清水邸の現状復旧工事も至急やらなければなりません。

その他、忙しすぎて順調な案件もミスや遅れが連発しクレームが勃発していました。

疲弊した私は同社を退職し、遂に転職する覚悟を決めていました。


もうこれ以上この会社でやってけね~よ!




今月の解約を免れた小橋邸の契約の行方

前回からの復習ですが、、

私は今、新人猶予期間最終月という段階にいます。

今月の総契約金額300万円が達成出来ないと来月から基本給が8万円になってしまいます。


そうなったら辞めて転職するしかない訳です。


私は担当エリアをパワハラ所長のイヤガラセにより未だに持っていません。

なので外壁塗装や浴室キッチン改装などの優良な案件は獲得出来ません。。

蛇口交換や網戸貼り換えなどのゴミ案件がほとんどです。

一方で解約を免れた小橋邸200万円の契約は今月は生きていますが2か月後には解約しないといけません。

そうなったら私のノルマ達成は遡って判断されて未達成ということになるのでしょうか?

いずれにしても、、

今月残り70万円を契約してノルマ達成しても延命をしたことにしかなりません。。

私は上田営業マンにそれらについて相談しました。


すると、、


<上田営業マン>
「トラジロウさん、
こういった数字の操作で何とかヤリクリをしていくのも営業です。
2カ月後に小橋邸が解約になった場合、普通に考えれば今月のノルマは未達成だったことになります。
なのでその給料の差額を請求される可能性があります。
しかし明確な決まりが無いことも事実です。
トラさんが会社にとって必要な人材と思われていればウヤムヤになる場合もあると思います。
今月ノルマ達成して担当エリアさえ持てれば好案件がマワッテきます。
そこで本領発揮すれば200万の契約なんてどうってことありません。
だから今は前だけ見てまっすぐに突き進んで行きましょう!」


ということで、、

上田営業マンから激励の言葉をもらって少し奮起した私は再びやる気を取り戻しました。


まあ、、確かに文句言ってても始まんね~しなあ。。

残り5日!意味深な孫娘からの電話

そんなこんなで。。

忙しく動き回っていた私は携帯電話の不在着信に気付きました。

最近は電話がかかってくる度に胃がキューッと締め付けられるほど精神的に追い込まれていました。


何だよ、、中島さんか?水漏れの清水さんか?


おそるおそる見ると、、


【石井優香】18:25


と表示されていました。


ああッ!良かった!孫娘か。。


少し気を紛らわせたかった私は営業所から外に出て折り返し電話をかけました。


3コールほどで孫娘が出ました。


<私、>
「もしもし!
お電話を頂いておりまして。。
どうかしましたでしょうか?」


<孫娘>
「、、相変わらず営業マンって感じですね。。
もう少しフレンドリーな感じで話せませんか?
まあ、、いいですけど。。
今月は達成出来そうですか?」


<私、>
「いやッ、、
相変わらず苦戦してまして。。
あとノルマ達成まで70万円ほどです。。
しかし全く案件がありません。。
クレーム対応に追われていて契約どころではありません。。」


<孫娘>
「ふ~ん。。
やっぱりねえ、、
トラさんのところはそのパワハラ所長がネックよね?
今日の夜だけど、、
また『自由の女神』に来れないですか?」


<私、>
「いやッ、、すみません。。
さすがに今日は、、
夜、そのパワハラ所長に呼ばれてまして。。
女性と会うので今日は帰ります、、
とか絶対に言えない情況でありまして。。」


<孫娘>
「じゃあ「商談です!」って言えばいいでしょ!
お客さんとの商談なら問題無いでしょ?
ああ、、そうそう、、
今日トラさんにお客さん紹介するから!」


お客さん?!。。紹介?、どういうこと?


私は孫娘の言うことがよく理解出来ませんでしたが、、


またしてもその夜、美女に弱い私は




「自由の女神」で会う約束をしてしまいました。。




そしてその後、パワハラ長井所長に報告に行きました。


<私、>
「長井所長!
今日の夜ですが、、
ちょっとお客様の家に行かなくてはならなくなりまして。。
面談は明日以降にして頂けないでしょうか?」


すると長井所長は食い入るように私を凝視した後、


<長井所長>
「オマエ、、ホントに今月達成出来るんだろうなあ?
もしそのために今夜お客さんと会うのならいいだろう!」


<私、>
「大変申し訳ありません。。
何とか達成出来るように頑張ります。。」


やけにアッサリだったな。。


さすがにオレが辞めるとヤバイと思ったのかな?


いつもならグチグチ言われるところやけにアッサリとした対応にチョッと不安を感じました。。

そしてその夜『自由の女神』に向かって営業所を出ようとすると

後から長井所長に声をかけられました。


<長井所長>
「オイッ!トラッ!
とにかく今月絶対達成しろよ!
それと女にウツツを抜かすなよ!
今は余計な邪念を拭い去って契約だけに集中しろ!」


う~ん。。俺が孫娘と会うの分ってるんだろうか?


ということで、、

意外にもアッサリと営業所を抜け出せた私はまっすぐに孫娘のもとへ向かいました。

孫娘から紹介されたリフォーム工事をしたいお客様とは?

私は時間通りに『自由の女神』に到着しました。

するとスグに孫娘も到着し、2人で店の中に入りました。

店のスタッフに誘導され、いつもの奥の個室ブースに入りました。

まずはビールで乾杯をして3回目の飲み会が始まりました。

私はあえて紹介のことを聞くのは控えていました。

まあ、、あんまり営業の話しをするとムードを壊す?

、、というか、デリカシーが無いと思われてもイヤなので。。

しかし、、

孫娘はいろいろと自分の話したいことをシャベリまくってしばし時間は流れていきました。

一時間以上経過したところで孫娘はいつものイイ感じの酔い状態になってきました。


これ以上飲むと紹介の話しとか出来なくなるのでは。。


しかし孫娘って飲むとスゲー色っぽい感じになって困るんだけど。。


毎度のことでダイブ慣れてはきましたが、、

この平和な時代、美女は圧倒的アドバンテージがありますよね。。

オトコにとってこれはもう理屈じゃない高揚感がある訳です(^^;)。。

、とその魅惑のオーラに溶かされていると、、




「失礼します!」




突然個室ブースのノレンが開いてあの謎の店長が顔を出しました。


<謎の店長>
「申し訳ありません。
今大丈夫でしょうか?」


呆気に取られた私は孫娘の顔を見ました。

すると、、


<孫娘>
「ああッ!そうだッ!
シンちゃん、、忘れてたあ。。
ゴメンねえ、、
トラさん!紹介します!
私の幼馴染みで店長の石原進次郎君です!」


ええッ!幼馴染み?


あまりにも突然の出来事に呆気に取られていました。

しばらくして、少し気を取り直した私は、


<私、>
「トラジロウと申します。
よろしくお願い致します。
優香様とはオジイ様が以前リフォームの相談に来られまして、、
それをご縁に何度かお話しをさせて頂いております。」


<孫娘>
「、、何でそう堅苦しいかなあ、、
私たちもう4回も会ってるんだし、、
もう少しフランクに話したら?
シンちゃん表のシャッターとか調子悪いんだって。
あとテラスのところのウッドデッキも古いから変えたいんだって。
トラさんの会社って店舗でも出来るんでしょ?」


<私、>
「ああ、、そうなんですね。。
優香さんがご紹介してくださるお客様は店長さんのことだったんですね?
もちろん店舗のリフォームでも大丈夫です。」


<孫娘>
「ほらあ、、シンちゃん、言ったじゃん!
トラさんのとこ、店舗でも大丈夫だって!
じゃあ、早速見てもらったら?」


、、ということで、、

ナント、、孫娘からの紹介顧客はあの謎の店長、、

向こうもそうだろうけど、、

私も大変複雑な心境ではありますが。。

しかし店舗シャッターとウッドデッキの工事であれば100万円前後の契約が見込めます。


しかしちょっと予想外の展開に戸惑いを隠せない私。。


次回>>第30話に続きます!


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