さっちゃん 空を飛ぶ

認知症で要介護5の妻との楽しい日常を 日記に書き留めたいと思います

さっちゃんとの10回目の沢歩きは矢沢本流

2019-08-09 11:32:26 | 沢歩き
不老林道を歩いた翌週の水曜日、さっちゃんの腰の痛みも二日で引いたので、山へ行くことにしました。
今度は沢歩き。

さっちゃんと僕は二人でよく(もちろん他の仲間がいることも多かったですが)沢登りに行きました。
多かった年には年間30本ほどの沢登りをしたことがあります。
さっちゃんが右膝骨折の大怪我をして以降は、さっちゃんとは易しい沢にしか行けなくなりました。
(再び沢登りが出来るように回復したこと自体が驚きなんですが・・・・)
二人でよく奥多摩の情報もまったくない沢へ行ったものです。

でも、それも2014年まででした。
この年の沢登りではそれまでにない異変があったんです。
さっちゃんが確保や懸垂下降の仕方を忘れること度々だったんです。
(後になってから分かるんですが、これも認知症の症状だったんですね)
「こうやるんだよ」と言えば、すぐに思い出してやれてたんですが、
僕は2015年からはさっちゃんと沢登りに行かなくなりました。
危険を感じるようになったからです。
それで僕は沢登りの仲間を求めて今の山岳会に入会したのが2016年。

僕の山岳会への入会と同時にスタートしたのが、さっちゃんとの沢歩き。
さっちゃんがひとり留守番して、僕だけ山岳会の仲間と沢登りに行く、
その罪滅ぼしのような感覚だったのかもしれません。
沢歩きをしてみると、意外と僕自身も楽しめるんです。
今回で沢歩き始めてから4年目のちょうど10回目!

今回訪れた沢は矢沢。
多摩川の大きな支流・秋川が二つに分かれた南秋川の支流です。
東京都と神奈川県と山梨県、3つの県境付近が源流となっている沢です。

もちろん、さっちゃんとの沢歩きでは稜線までは行きません。
それどころか、並行して林道や登山道がある範囲でしか進みません。
休憩もたっぷりとって、超スローペースで歩きますから、せいぜい2~3km。

この矢沢には去年来ています。
出合付近から支流の熊倉沢の途中まで歩きました。
今回は熊倉沢出合から矢沢本流を歩く予定です。

矢沢林道を少し歩き、熊倉沢出合にかかる落合橋の手前で沢に降りました。


▲さっちゃんは“沢歩き”を忘れているようです。林道から沢へ降りることを嫌がります。林道へ戻ろうともします。遅い朝食を食べましたが、その間ずうっと不機嫌でした。


▲落合橋をくぐり、熊倉沢出合を過ぎると、さっちゃんと僕にとっての未体験ゾーン。美しい流れが続いています。


▲山歩きでもそうですが、沢歩きではなおさら、さっちゃんは僕の手を求めます。手をつないで安心したいのです。危険な箇所はもちろんないのですが、さっちゃんにとってちょっとでも怖い箇所の写真は撮れません。


タマアジサイの玉のほころびかけです。


▲時々、人工的に整備された流れも出現します。時がたっていますから、これはこれで美しくも感じますね。

この先で、もうひとつの人工的な段差が出て来ました。
段差自体は半メートルくらいなんですが、手前の水溜りが深そうで、さっちゃんの腰ほどはありそう。
一度、林道へ上がって先まで行って、再び沢へ降りました。
そして、3度目の休憩。


▲林道横の斜面が大伐採されている場所があったり、人工的な護岸や川底だったりもしましたが、再び自然の沢の流れになりました。やっぱり自然のままの方が美しいですね。


▲沢歩きでは、さっちゃんは僕の前を歩きたがりません。さっちゃんの後ろ姿も撮りたいので、安全な場所では時々さっちゃんを前に行かせます。さっちゃんは少し抵抗して行こうとしませんが、「すぐそこまで」ということで前を歩いてくれます。


▲この日はずうっと好天が続いています。沢に落ちて来る木漏れ日が心地よいほどに沢の中は涼しく感じられます。


イワタバコは沢の花の女王のような存在です。でも、偉ぶらず、清楚で可憐です。


▲沢屋の感覚で言えば、左から簡単に登れる小滝ですけれど、さっちゃんにとってはすごく緊張する滝でしょう。今年初めてでもありますし、今日のさっちゃんはあまり乗っていません。ということで、今回はここで打ち切ることにしました。バスを降りてから3時間半。この先はいつかまた歩いてみましょう。

林道への壁が高いので、この小滝からしばらく沢を下りました。


▲ほんの少し藪を漕いで、沢から林道へ戻って来ました。

林道をバス停へ向かう途中で、1回沢へ降りました。
渓流シューズを脱ぎ、沢水で少し洗い、Tシャツを着替えました。
そのすべてを僕一人でやらなければなりませんが、僕の気分は充実感で満たされています。
今年も昨年までと同様、さっちゃんと沢歩きを楽しめそうです。


▲今日、沢歩きをスタートさせた地点に近い、落合橋で写真を撮りました。この日初めての笑顔をさっちゃんが見せてくれました。「楽しかった?」と聞くと、「もちろん」ってな感じの返事。これで僕の疲れも吹っ飛ぶ感じですね。

この日の沢歩きにはもう一つの大切な目的がありました。
5日後の8月5日にYYDのT橋さんとその息子さんを沢歩きに連れて行く約束をしているんです。
その為のさっちゃんの足慣らしでもありました。
この日くらい歩ければ大丈夫との感触、安心感を得られたのはすごく良かったですね。
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