さっちゃん 空を飛ぶ

認知症で要介護5の妻との楽しい日常を 日記に書き留めたいと思います

さっちゃんはお酒をほとんど飲まなくなりました

2019-09-16 23:09:17 | 食事・食器
僕が初めて出会った頃のさっちゃんは酒が強くて底なしのようでした。
普段は無茶な飲み方はしないので、酒で乱れることは少ない良い呑兵衛でしたね。
自宅でも二人で毎晩、晩酌をしていました。
僕はビールがまったくの苦手で、さっちゃんもさほどビール党ではありませんでしたから、
焼酎が晩酌のメインで、料理に合わせて日本酒だったり、ワインだったりしたものです。

ふたりで屋久島を南北縦断し、下山してきた海辺の露天風呂で他の湯客に貰った焼酎、それが『三岳』でした。
その素朴で田舎っぽいサツマイモ感丸出しの芋焼酎の旨さに感動したものです。
(その後、だんだんとスマートな焼酎になっていってしまいましたけれど)
ちなみにまだ世界遺産に登録される前で、縄文杉にも直接触ることが出来ていました。

それ以来、我が家の焼酎は『三岳』。
最初のころは屋久島の酒屋さんから直接購入したり、博多のデパートから購入していました。
でも、時代が芋焼酎をもてはやすようになり、価格高騰するようになります。
一升瓶一本で1400~1500円だった『三岳』も数千円の値が付くようになると、手が届きません。
そのうち、近所のこだわりのある酒屋さんで『三岳』を販売していることを知りました。
なんと! なんと! そこでは2000円ちょっとで販売しています。
ブームになる前から酒蔵との取引があったので、同じ値段で仕入れが出来ているとのこと。
つい最近まで、我が家では『三岳』が晩酌用焼酎でした。

でも、さっちゃんが認知症になってからは、さっちゃんの酒量がガクンガクンと減って来ています。
焼酎のお湯割りなら、半分は残してしまいます。
日本酒ならせいぜいお猪口一杯、ワインなら小さなグラスに一杯。
さらにさらに減って来てしまいました。

晩酌も一緒に飲む相手がいるから、お酒が美味しいし、美味しいお酒を飲みたくなるんですね。
さっちゃんがほとんど飲まなくなり、アルコール自体に興味を持ってないように感じられるようになってからは
僕自身も飲むものにはさほど拘らなくなりました。
焼酎なら芋と黒糖、芋っぽさや黒糖っぽさが残っている素朴なものが好みでした。
日本酒はこくや旨みのあるもの、純米酒や原酒ならあまり外れがありませんね。
ワインはフルボディ、渋みのあるのが好きです。
どれもあまり高いのは買えませんから、ワインで言えば高くても1本千数百円程度。

今では我が家の晩酌は1.5リットルのペットボトルに入ったチリワイン、1000円もしません。
まあまあ普通に飲めるかな、といったレベルですね。

今晩も小さなグラスふたつにワインを注いで、ひとつをさっちゃんに渡します。
渡してもすぐに置いてしまったり、僕のグラスを掴もうとしたりします。
「乾杯!」と言っても、どうすればいいのか分かりませんから、
「グラスを持ち上げて」、はい、カチン、「お疲れさま」。
「あれあれ、置かずに、せめてひと口は飲んでね」
「置いちゃだめだよ、これを持ってご覧。はい、もう一回」、カチン、「乾杯ね、ひと口は飲むのがマナーだよ」

ひと口飲んでくれる時もあれば、何のことだか分からずに、置いてしまうこともあります。

今晩は上記のようなやり取りを繰り返したんですが、そのこと自体を嫌がってるようです。
もう、「かんぱ~い!」と言って始まる、二人で楽しむ夕食と会話とお酒の時間を共有することは出来ないんですね。

外食の際も、さっちゃんにはソフトドリンクを頼むようになっています。
自宅でも、何かしらアルコール以外の飲み物を出してみましょうか?
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