林太郎です。




『力禅(りきぜん)』をしていると、ごくたまに、全然関係ないことが頭に浮かんできて、それがヒントになって物事が前に進むようになることがあります。



瞑想やウォーキングに集中しているときも同じようなことが起こりますが、経験がある方ならこの感覚が分かっていただけるかと思います。



つい先日の力禅中のことですが、組手が上達するヒントが突如頭に浮かんできました。それは、組手では、"自分が持っている技"以上の技を出すことはできないという事でした。



それがヒント?そんなの当たり前と思うかも知れませんが、自分の技術や能力に対して奢りがどこかにあるからでしょうか?事実とはかけ離れた妄想が広がって、自分の実際の能力以上のことができるような錯覚に陥ってしまいます。




"自分が持っている技"というのは、普段の稽古でおこなっている基本技がベースになることはもちろんですが、試合の映像を繰り返し観ているうちに脳にインプットされた技や、稽古場でいつも目にする先輩方の技や、ゲームの中でキャラクターが繰り出す技なども含まれてくると思います。



稽古の中で自分自身が繰り返し身につけたものが実戦の中で使われる技になるのは当たり前ですが、たとえば試合の映像を何度もなんども繰り返し観て脳に完璧に記憶されたとしたら、その技も実戦の中で使われる可能性はあります。



そして実践組手の中では、意識的にも無意識的にも次のような行動がおこります。



・持っている技を決められる瞬間を待つ

・持っている技を決められる瞬間を探す

・持っている技が決められる状態になるように誘導する



他にもあるでしょうか?僕にはこれくらいしか思い浮かびませんが、こうして見てみると、組手というのは何だか単純だなと思えてきます。



というのも、ゴールは"自分が持っている技を決めること"になるからです。



そして、そのゴールに向かって相手との駆け引きをして、その駆け引きに勝った方が勝利を掴むということになるのではないでしょうか。




このことが正しいかどうかは分かりませんが、こんな風に考えてみると、いま自分が何をすれば良いかが見えてくるように思います。



・持っている技の数を増やす

・持っている技の精度を上げる

・持っている技のパワーを上げる

・試合運びを磨く



こんな所でしょうか?



『力禅』をしながら僕は、いま持っている技の数を増やせばいいのではないか、、、と思ったのですが、『力禅』を終えてあらためて考えてみると、それは全く見当違いだということに気づきました。



いまの自分に必要なのは、持っている技の精度を上げることでした。基本技もろくに身についていないのに技を増やしても何の意味もないからです。



達真空手の基本技は、拳の握り方に始まって手足の位置、関節の角度、軌道、タイミングなどが細かく決まっていて、その一つひとつに意味があり、最も早く最も強力で防御力もある技を繰り出すために無駄が一切ないシステマチックなものになっています。



そして同時に、一つの技を正確に繰り出せるようになるために必要な体幹作りと全身の一体感と脱力を可能にする『力禅』『動力禅』『歩法』がセットになっていて、これらのことを全てできるようになって初めて完璧な技が可能になります。



いまの僕は、基本中の基本となる「正拳突き」すらマトモにできていない有様ですから、技を増やすなどはとんでもないことでした。



宗家が先日、組手を上達させるのには「今まで教わった技の中に答えがある」とおっしゃった意味が、いまやっと分かったような気がしています。



実戦組手の中で使われる技は"自分が持っている技"であるというのが正しいとすれば、もしもその技が間違って覚えている技だったとしたら"自分が持っている正確に身についていない技"を使って組手をすることになりますが、これでは組手は上達しません。



ちょっとややこしい言い回しになりましたが、要するに、基本の技をしっかりと正確に身につけることが重要で、組手を上達させるヒントはそこに隠されていたというわけです。




僕自身の組手はどうかというと、正直なところ、もし組手を動画で撮ったとしても、僕はその映像を観たいとは思えません。僕の組手は格好良さや美しさからは程遠いからです。



それは詰まるところ、基本の技を正確にトレースできていないということを自分自身がよく知っているということを意味しています。



『力禅』を通して基本の重要さを改めて考えさせられました。



そして更にもう一つ、いまの僕が考えなければいけないことが「試合運びを磨くこと」です。



それについては先日公開した『三十七、兵法と観察』に書いた通りなのですが、兵法を研究することは武術に限らず色々なことに応用できるのでとても楽しいものです。



兵法についてもこれから少しづつ深めていきたいと思います。



参考記事:『三十七、兵法と観察』




以上。

河辺林太郎でした。







★こちらもご覧ください

【動画・達真空手演武〜日本刀VS空手〜】

 

 

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