自信満々に『カッコいい』と言われてしまうと、そうなのかもしれないなぁ~と

その気にさせられ、子供たちははやし立てるのをやめる。

けれども明らかに、もっと近くでよく見たい、と思うらしく、

グイグイ先生に近付いて行く。

「ほら!みんなも早く、持ってきたものを、入れに来なさい」

パンパンと手をたたいて岸本先生は子供たちをうながした。

 

 よく見ると…大きなお椀のようなものを、くっつけたようにも見える。

じぃっと見つめる裕太に気が付くと、

「久々に、工作したよ」と先生は楽しそうに言う。

継ぎ目継ぎ目が、完全にくっつくようにと、ハンダごてのようなもので、くっつけたようだ。

「一応ね、湿気が入らないように、この上を、またビニールで覆うんだ」

興味津々で、のぞき込む子供たちに向かって、先生はにこやかに言う。

みんなが興味をもってくれるのが、うれしいのだ。

「漬物用のカメとかも思ったけど、重たいだろ?

 それに、落っことしてもい けないからね」

若干言い訳のように言う。

「ポリバケツは、土の中で、朽ちてボロボロになったら、いけないしね!

 案外、素材選びに、苦労したかなぁ」

まるで他人事のように、楽しそうに言う。

こういうのを考えるのが、おそらく好きなんだろうな、と裕太はそう思った。

 

 1列に並んだ子供たちは、何だかとても楽しそうだ。

先生に言われた通り、ジップロックに入れたものを、密封してから、さらに

1人ずつ、カプセルの中に入れていく…

カプセルの中にも、ビニール袋がセットされていて、完全に水が入らないようにと、

配慮してあるようだ。

「見た目はアレだけど…

 これだったら、10年後でも、大丈夫なんじゃないかなぁ」

自信たっぷりの顔で、誇らしそうに先生は言った。

「とにかく…湿気とカビと、破損するのが 1番 怖いよ」

岸本先生は、子供たち相手に、何かうまい方法はないものだろうか…と、

キョロキョロしながら、話しかけてきた。

 

 

 

 

 

 

にほんブログ村 小説ブログ ノンジャンル小説へ