東芝の自社株買いについての雑感

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東芝が多額の自社株買いを決めた。昨年末に増資したばかりで忙しいことだ。以前から香港のファンドが自社株買いの実行を要求していたらしい。とはいえ、素直な経営だな、と僕は思った。

 自社株買いは新株発行の反対をイメージするといい。株式を渡す代わりに投資家から資金を集めるのが新株発行で、株式を回収する代わりに投資家に資金を払い戻すのが自社株買いだ。

 その企業に資金を預けることが有利だと信じるからこそ、投資家は新株発行に応じる。資金をうまく活用できないと思われれば、企業は投資家から払い戻しの要求を受けることになる。

 東芝の経営陣は、この7000億円を自分たちでは有効活用できないと認めたことになる。別の新聞記事では、東芝はモノ言う株主に屈した、長期的経営にとってマイナスになる、との評があった。

 僕はそうは思わない。東芝が再起を賭けるに値する有望なビジネスチャンスを見つけたなら、そのとき再び株式を発行し、もう一度投資家から資金を集めればよいのだから。だって東芝は上場を維持している。