山小舎の灯

花を中心としたブログ。
山小舎は想い出、そして今も憧れ。
信州の八ケ岳高原と、東京区部での撮影が殆どです。

月見草?こげな花ではなかと!

2018-08-01 06:58:06 | 山野草

写真はアカバナ科マツヨイグサ属の花、メマツヨイグサです。

この花をはじめ数種の黄色い花を月見草と思っていらっしゃる方が多いようですが、本物の月見草は同じアカバナ科マツヨイグサ属ではあっても、夕方の咲き始めには白く夜半にはピンクに変色する草丈50㎝程度の小さな植物です。しかも日本の風土に合わなかったためか、自生はせずに種子で花壇で育てるだけらしいのです。

「富士には月見草がよく似合う」、、、太宰治の間違いが誤解が広まった原因なのでしょうか。

また、竹久夢二は「待宵草」を「宵待ち草」と言い間違えています。夢二のか弱くやるせない画風には、宵待ち草の切ない響きの方がピッタリみたいですね。だから好としましょう。

ところで、マツヨイグサ、コマツヨイグサ、オオマツヨイグサ、そして写真のメマツヨイグサがありますが、オオマツヨイグサは花も草丈も大きくコマツヨイグサは茎が這って花も小さいことから見分けは容易ですが、マツヨイグサとメマツヨイグサはよく似ています。

マツヨイグサの方が葉が細く主脈が白くなっており、更に花が萎むと赤く変色するのです。メマツヨイグサは、花は枯れたように茶色っぽく萎むだけですから、見分けが付きます。

なお、ピンクの花をつけるアカバナユウゲショウやヒルザキツキミソウも、同じアカバナ科マツヨイグサ属の植物です。

いづれも幕末から明治後期にかけて、南北アメリカから観賞用に導入され、それが花壇から逸脱して帰化したものです。