僕の音大受験にまつわる強気の女性たち | ピアノ男のソナチネソナタ(第3楽章)~40半ば男がピアノ始めて2年で音大受けたけど落ちたので1年浪人することを決めた軌跡のプログ

ピアノ男のソナチネソナタ(第3楽章)~40半ば男がピアノ始めて2年で音大受けたけど落ちたので1年浪人することを決めた軌跡のプログ

このブログは自宅で法務事務所をやりながら要介護4一級障害者の義理の母マミーのリハビリと介護、そしてその娘で病弱な妻かっちんのお手伝いをしながら懸命に音大ピアノ科合格を目指している40半ば男のサクセスストーリーである。

先日、ついに音楽短大受験に成功した僕たーちゃん。しかし家族間

では未だ半信半疑な日々を送っている。

 

13日に送られて来た合格通知見た妻のかっちんは言った。

 

「不合格の不の字を忘れたんと違うか?」

 

翌日、音大入学に関する関係書類が沢山送られて来た。それを見て

またかっちんは言った。

 

「実技試験のとき、合格者の書類入れるカゴと不合格者の書類入れ

るカゴが逆になったんと違うか? 今頃、落ちたと思ってた人ら全員が

合格してビビってんと違うか?」

 

そんな事ばっかり言うかっちんだった。

 

しかしこんな風に半信半疑で未だ僕の快挙をにわかに信じられない

かっちんとは違って、僕の合格を何気に信じて疑わない人がいた。

 

それは僕の音大受験指導をしてくれてた吉田沙保里先生だ。

 

沙保里先生

 

1月31日木曜日、この日は音大受験前最後のレッスンだった。

 

この日のレッスンはホールでスタインウェイを借りてやった。

 

もうこれで先生とは最後のレッスンなので、直前まで体調不良で寝

込んでいたかっちんも先生に御礼を言う為に僕のレッスンについて

きた。

 

1時間のレッスンの途中からホールに入ってきたかっちんは、正直

その時の僕の演奏を聴いて

 

「こりゃ今年はあかんな。」

 

と思ったという。

 

その理由は、ミスが多すぎたからだった。

 

この日の数日前に我家のチワワのちーくんが天国に行った。このち

ーくんはかっちんが命を懸けて可愛がっていた子だったけど、突然

のちーくんの死は僕にも相当堪えたのか、その日以来集中力という

糸がスパッと切れてしまったかのように、曲を弾いていてもどこか上

の空になってしまっていた僕たーちゃん。

 

なので、それまではなるべくミスをしないようにと頑張っていたので

こんな音楽音痴のこの僕でも、ベートーベンのソナタ10回やったら

5回は失敗せずに弾けるくらいまでになっていた。

 

それなのに、あの日からは100回やっても200回やっても全て失敗

してしまうという最悪な状態になってしまっていたのだ。

 

僕の演奏を聴いたかっちんは沙保里先生に申し訳なさそうに言った。

 

「先生、すみません。ちーくんが死んでしまってからミスしないことには

ピアノ弾けなくなってしまったようなんです。」

 

すると先生はかっちんにこう言ったという。

 

「いえいえ。大丈夫ですよ。確かにミスはしてますが、これだけ弾けた

ら立派なもんです!」

 

「そうですか?」

 

「ええ、後は少し演技してくれたらもっと良いんでしょうけどね。だけど

貴也さんはああいう人だから演技なんて言っても出来ないでしょうし

あれだけ弾けたら、音大の審査員も「何か変なのが来た」とは思わ

ないですよ!」

 

「そうですか?」

 

「ええ、もう素人っていうレベルでは無いです。だから後は緊張せず

に、いつも通りやって下さったらそれで大丈夫! だから今日のレッス

ンはもう私も何も言うつもりはありません! 好きに練習させてますよ!」

 

僕みたいなすっとこどっこい相手にそんな温かい言葉を言ってくれて

と、涙したというかっちんだった。(※ちなみに僕は舞台の上でピアノ

弾いてたからこの話聞いてないよ。笑)

 

ほんでB音楽短大とA音楽短大、両方とも受験終了した時に沙保里

先生にメールで報告したかっちん。

 

B音楽短大の方は去年と同じく、スタインウェイに全く歯が立たずま

ともに演奏出来なかったことを伝え、A音楽短大の方はいつも通り

ミスを沢山してしまったと報告したそうだ。

 

すると先生からこんな返信が来た。

 

「B音楽短大はピアノが弾きにくくて駄目だったんですね。だけどA音

楽短大の方はいつも通り弾けたんだったら、まだ望みはあるんじゃ

ないですか? A音楽短大に期待しています!」

 

いやいや、そんなもんあるわけないと返事したかっちんだったのだが

その後、先生の予言通りA音楽短大の合格通知が届いたので、あわ

てて沙保里先生に連絡したかっちんに先生は言った。

 

「やっぱり受かりましたか! 私はBはピアノが駄目で弾けなかったと

言ってらしたから、だったら無理だろな~って思ってましたが、Aの方

は いつも通りミスはあっても弾けたって言ってたじゃないですか? 

だったら受かるんじゃないかなって思ってましたよ!」

 

なわけで、この快挙をさほど驚く様子もなく淡々と聞いていたという

沙保里先生だったのだが、最後の方は

 

「だけど、やっぱり嬉しいですね~~♪ 良かったですね~~~♪」

 

と喜んでくれていたそうな。笑

 

ちなみにその後先生からのお祝いメールが来たので、それをここに

貼っておきます。

 

「本当におめでとうございま〜す^_^^_^^_^ 貴也さんのチャレンジ精神

と頑張りに心からあっぱれを申し上げます!!やりましたねっ!!」

 

これに対して、かっちんは去年の9月に前の先生から破門されたのを

拾ってくれた沙保里先生への感謝のメールを送った。するとまた先生

からこのようなメールが届いた。

 

「そこまで言っていただいて恐縮です。ただ、やはり貴也さんが私を

信じて従順についてきてくださったからですよ。

 

私のやり方は一般的に、本当にあれで上手になるの?と言われて

しまうやり方に思えるかもしれません。
 

曲がどうのと言う前に、基本の基本に注目してそこを時間をかけて

やっていくので、生徒さんも嫌気がさしたり懐疑的になられる場合が

あります。
 

これまで、そう思われた生徒さんと、従順についてきていただいた

生徒さんとでは、後に全く差が出た経験もあります。

その点、貴也さんはいつも私の指摘を良く把握され努力してこられ

ました。ですから、去年再度お引き受けした時からはもちろん、今年

に入ってからは急激に上手くなってこられてました。
 

なので最後のレッスンの出来を受験でそのまま弾かれれば、全く

可能性がないとは言えないのではないか、と私は思っていました。

でも、受験では緊張のため多少乱れるため、そこが心配でした。でも、

数ヶ月弾き込んでこられ、当日間違いがあったとは言え、曲が板に

ついていた事を審査委員が感じてくださったのだと思います。

ですので、やはり貴也さんの勝利です!

奥様も良くご主人を愛情深く支えられて本当に頭が下がります。

お二人共、本当にお疲れ様でした。そして、心からおめでとうござい

ます㊗️ 」

 

 

弟子の僕の事が可愛くって可愛くって仕方ない沙保里先生だった。

 

 

沙保里先生と僕

 

 

さてさて、ミスばっかりだったくせに生意気にもレベルの高いA音楽

短大に受かってしまった僕たーちゃん。

 

そんな僕にかっちんは言った。

 

「あんた、B音楽短大の実技は2割程度の出来とか言うてたやろ?」

 

「うん。」

 

「ほんでA音楽短大は5割って言ってたよな?」

 

「うん。」

 

「あんたの5割であのA音楽短大合格するとはな。ほんだら、あんたの

満点って、ものすごいレベルなんかもしれへんな。もしかしたらあんた

満点の演奏が出来るようになったらさ、あの東京藝大でも入れるんと

違うか?」

 

 

相変わらず笑わしてくれる強気のかっちんだった。

 

 

僕の周りにいる強気の女性たち、この人たちの力なくしては、今の

僕のこの幸せはなかったことだろう。

 

 

ありがとう、沙保里先生!

 

ありがとう、かっちん!

 

そして・・・

 

ありがとう、ブログ見てくれてるハードSな女性たちよ~!笑

 

 

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