婦人科の3大漢方薬(当帰芍薬散・桂枝茯苓丸・加味逍遥散)の違い
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こんにちは!
三重県松阪市の医療と介護の専門家、
西井医院の院長( @nishii.hospital)です。
婦人科の3大漢方薬といえば、当帰芍薬散・桂枝茯苓丸・加味逍遥散が有名です。
名前を変えたOTC薬も出ているものもあります。
しかし、どれも更年期症状に用いる薬ですが、使う証(しょう)は全く違います。
そこで今回は各製剤の向いている証を解説です。
証(しょう)とは分かりやすくいうと、「その人の状態(体質・体力・抵抗力・症状の現れ方などの個人差)をあらわすもの」です。
本人が訴える症状や、体格などの要素から判別します。
3大漢方薬のイメージ
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
当帰芍薬散は筋肉が少なめの若い女性で、冷えて足がむくむタイプに向いています。
見た目は太っていなくても、足がむくんで体重が増えることもある方にお勧めです。
妊娠中のつわりやむくみにも非常に有効です。
当帰芍薬散は、全身に大切な栄養素を与え、血行を良くするのと同時に、水分代謝を整えることで余分な水分を体からとり除いて、足腰の冷え症や生理不順を改善します。
加味逍遥散
加味逍遥散は血液循環をよくして体をあたためる一方、のぼせなど上半身の熱をさまします。
また、ホルモンのバランスを整える効果も期待できます。
体が虚弱で疲れやすく、イライラや不安感をともなうときに向きます。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
桂枝茯苓丸は、下半身の冷えがとくにつらい方、シミができやすい方などにおすすめです。
桂枝茯苓丸は血行をよくして熱のバランスを整えることで、のぼせや冷えを改善し、子宮などの炎症をしずめます。
また、ホルモンのバランスを整える効果も期待できます。
体格がわりとしっかりした赤ら顔の女性に向きます。
自己判断で漢方薬を利用する時は
市販されているものは、医療機関で処方される一日量の2/3量となっているものが多いです。
このため、副作用も少ないですが、効果も不十分となることがあります。
また、自分の証に合わないのに飲み続けると体調不良をきたすことがあります。
2週間程度をめどに続けるかどうか判断するとよいでしょう。
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