全国山城サミット2020 | おおとり駆の城日記

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子供の頃からお城好き 今までに巡ったお城の感想 その他どうでもいい趣味のことなどあれこれ綴っていきます

全国山城サミットとは平成6年(1994年)に竹田城のある兵庫県の和田山町(現・朝来市)で初開催されてから、今年で27回目を迎えるお城関係のイベントとしては歴史のあるものです。

毎年全国の山城を有する自治体が持ち回りでこのイベントを企画しています。
今年は10月31日、11月1日の2日間の日程で「第27回全国山城サミット上田・坂城(さかき)大会」として長野県上田市で開かれました。



しかし、残念ながら新型コロナウイルス感染症の関係で、今回は大きく開催内容が変更されました。

対面式の講演会やシンポジウム、観光交流ブースなどの屋内イベントはすべて中止になり、10月31日は人数を制限しての山城ガイドツアー(飯綱山城、葛尾城跡、虚空蔵山城跡、砥石・米山城跡、和合城跡)、11月1日には講演会やトークセッションがオンラインで行われました。

とはいえ、私のように遠方の人間にとっては交通費もかからず豪華な先生方の講演が無料で視聴できるとあれば大変ありがたいことです。今回の実行委員会の取り組みはこれからのイベントの新しい楽しみ方と前向きに評価したいですね。


上田市長による開会宣言に引き続いて千田嘉博先生の基調講演からはじまりました。
正直、長野の山城についてはあまり今まで馴染みがなかったのですが、千田先生がその歴史から山城の構造までをいつものように分かりやすい語り口で解説していただけました。



特に馬出しについては、武田流築城術の代表的なものであり、これは真田丸はじめ近世の城郭やヨーロッパの城郭でも用いられたものであり、地域や時代によらず普遍的な城郭な防御施設であることを強調されました。
地域の山城を整備することは大変な活動ですが、どの町にもある歴史を誰もが再認識して体感できる場所にすることによって、その地域の活性化につながるものでありますと結ばれました。


続いて、地元の教育委員会の方や中学校の先生、資料館の学芸員の方から長野県内の山城の現状について詳細な報告がありました。
みなさん千田先生のようにテレビ慣れしているわけではないので、説明が棒読みになる方もいてパソコンの前で少しうつらうつらしてしまいました。ごめんなさい。


最後に特別企画として実際に講師の方が別日に実際に山城を歩いてのレポート動画が紹介されました。





これは落語家・春風亭昇太師匠と城郭ライター・萩原さちこさんがコメンテーターとして進行されたので、まるで私も会場にいるかの如く楽しく見ることができました。

山城に詳しい先生方とお城を巡ると本当に楽しいと思えます。

 

葛尾城をレポートする千田先生
葛尾城は北信濃最大の豪族、村上義清の居城として知られています。大規模な土塁と堀切が千田先生お勧め。
主郭から見える上田千曲川の眺望が素晴らしいです。


飯綱山城をレポートする歴史家・平山優先生
平山先生は確か私のブログで紹介したことはなかったと思いますが、NHK「歴史秘話ヒストリア」や「英雄たちの選択」ではおなじみ、大河ドラマ「真田丸」では時代考証も担当されています。
普段クールな方ですが、山城を前にしてこの方も少年のような素顔をのぞかせてくれました


和合城をレポートする昇太師匠と萩原さん
山城に興味がない人にとっては、なんでもない山肌や窪みであってもこの人たちにかかると堀切や土塁に対しても愛情の対象となるようです。師匠のはしゃぎっぷりがかわいい。


来年の開催地は福島県の桑折町(こおりまち)です。
桑折町には桑折西山城という山城があり、伊達氏発祥の地とされています。
上田市・坂城町のみなさんから桑折町の方へ向けてエールが送られました。
来年は大勢の人が集まって開催できるといいですね。



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