月のmailbox

詩或いは雑記等/小林貞秋発信。

再びの秋に転落を見る

2023-11-15 00:43:56 | 

            再びの秋に転落を見る

 

忘れたことは復活しない

遠くを見ていて

黒いキャンディに

盲目

その言葉を言いたいだけだと

嘘を膨らませて

束の間の

成功を得る楽しみで

今日は満足だと

言った

言わなくても良いのに

回転に途方もない意味があるからと

自己流の言葉遣いで

回し続ける日々

みたいに

みたいな何かみたいに

流れは理由があるのかないのか

やってきては君の

陳腐な夜々を

そそのかすのだ 陳腐すぎる

キャンディの夢

ガラゴロ崩れて港湾にとめどなく

うねり行く

言葉は選んでいない

忘れられてもう月ひとつ

最初にあったことも不明でひとつ

秋の頃があって

雲の群れに変化がきて

まだまだ先があると見込むのが

誰か正体追う

世界で一つのもの

とは全宇宙で一つのもの

そのゼロの中を

舞う

 

                                                                                                                October  2023

 

 

 

この子たちは我が家で一緒に生まれてもう3年9か月。

 


自身のむかしの詩集のこと

2023-08-15 00:18:29 | 

 

もう忘れていたようなものだけれども過去に詩集としてまとめたものが4冊。

 

小林貞明詩集 ながれ            古川書房 1973

詩集 褐色の首(著者名小林貞秋)       古川書房 1974

小林貞秋詩集                 私家版  1987

無言のひと                  私家版  1987


真ん中には何かある

2023-04-02 00:06:05 | 

 

        真ん中には何かある

 

真ん中には

何か

ある

白の螺子好きが

むらさきの冠にVの文字を入れ言うの?

浮かんだのでそれを言葉にした

真ん中には何がある?

苦難はそこに何もないから涙

真ん中が無

その歴史不明だから涙

縄文弥生の日々に栄光あれ

人々に栄光あれ

藍の空の下やってきた流れ

転がる細胞ひとつ

言わない

言わずに消える

tombまで沈黙する

赤蜻蛉

その形全てに理由ある

在った形に

意味が

ある

 

                        January 2023

 

 


年の初めに地球

2023-01-07 23:53:16 | 

 

          年の初めに地球

 

年の初めに地球が

ワタシはここを動かない

365日だと言った

その後はどうなのかと

懐疑する

E大陸の端では地球

動くものと古来から理解される

半島の黒い

ひつじに訊いても分かる

ブランブランした宇宙に確答は

ないとワタシもオモウ

カラフルに彩られた

惑星に

ピンクの針を立てる

命令されたのはワタシではない

夢想するのは宇宙塵で

そこにmoveする

どこにも中枢はないのだ

地球も動かない年に傾くのだ

突如風景開けて

湾内の橋上を流れる車

月面で逆立ちする身長不明の人間B

今日に縛られる

縛るのは無窮の空でもない

日の予定を行く動きの意味はあり

そして無い

意味は神に任せる

川端の藻の中に入る魚を手で探る

記憶の中の一場面

もう生き始めて数百年という

兆しの自身の今日

 

                                January 2023


運命もまた

2022-12-30 15:40:58 | 

           運命もまた

 

運命もまた

人が待つもののひとつと

飛行機雲

淡いみどりに変わる

運命なのか

待つなのか

みんな人に染み込んで

空気の鋳型に収まるみたいに

言葉に吞み込まれ

人の動きに

重なる

テーマは待つ

なのか運命が先を

行くのか混沌がテーマなのか

前を歩いていた

後方からピノキオ連隊の

行進見たある年

運命なのか

別の

変哲のないお芝居なのか

問わない

なにも問わない

やってくるものに

異をとなえても仕方ない

昂然と上げる頭

あなたのものとは限らない

あなたのいない世紀

運命も

待つもそこに

ある

 


ある時には

2022-12-15 00:36:31 | 

 

             ある時には

 

ある時には

いきおいつけて太陽を

ハサミで切る

帰り道に浮かんだその解法

端から

留めたいものは落下していく

その先底無し

たまたま見えた缶を蹴る

忘れた頃に音に

仕立てて

放つ

そんな記憶も日々の中で薄れ

紛れて辿れなくなる

やわらかな感情という

イメージ

気に入ってそれに

加えるもの

追う

 

                          26  June 2022

 


永劫

2022-12-12 23:06:22 | 

 

             永劫

 

果ての

ある眺めに

果てのない眺め被せて

右と左の足に別の

色塗る

左右勝手な向きに行かせる

二度と出会わない

二つの月の

金と銀の

魔法出さない

秘密もない

闇もない

果て無いものがたりもない

果て無いものがたりに

曲がる場所

選んだことない

与えられた不運を飲んで

言わない

窓のそば

見る

永劫

 


2022-11-13 00:00:19 | 

               夜  

 

知りたくなることの

重なりで夜を

言うと

昼が出る

どちらも知りたくない

宇宙には言う

恒星がある

だけれど

どこにも行かない

知りたくない

夜に

ポツンとはいない

億の数もいる

ポツンとしてもいい

トマトなど食べる

半分

あとは翌日の昼

生きていればそこに

いる権利が

ある

とかないとか

愚かに

 

 

 


小雨の午後

2022-11-04 23:13:05 | 

           小雨の午後

 

淵に小さなコイン落ちる

小雨の午後

もう真ん中の器官は

はたらかない

動かない

拒絶

振幅もない

動き出す口もない

これからどこまで駆けていくものか

そんな扉が開くこともある

抑え込みは許さない

途切れることも

許さない

何故なら

終焉嫌いだから

揃えるほうが良いから

先に延ばすことの良さを言う

いらないならば声

殺してなんだ

かんだと

漏らさない

昨日のような

滑り方には封印して

そこはどこなの右回り望まれる

畑地抜けた先の橋

見たことない

嘘の異郷

持ち出さない

どこにも出さない

最後の一歩も拒絶する

同じ言葉

重ねた


今日はここにありつづけた

2022-08-25 23:47:34 | 

 

           今日はここにありつづけた

 

最後にピリオド

好きなcolorでつけて

終わりとする膨張宇宙の日々

帽子は斜めには

なかった

曲がる地平線もない

一歩で過ぎる極地もない

場所に座る

直線上

そこから限りなく落下する

それを拒む

先のない空間を怖れる

ひとつの次はふたつ

とは言えない

最後にピリオド

訪れるひとは選ばない

ピリオドはない

忘れたままに永遠に過ぎる

たまたまの接合

見届ける眼はそこに

ない予感

まぼろしだらけ

とは言うな

まぼろしだらけ

だと言う

人の姿はそこに

ない予感

今日がここにあった

今日はここにありつづけた

 

 

      

 


2022年7月1日のwords

2022-08-16 07:00:16 | 

 

          2022年7月1日のwords

 

今朝も

現われ出ないね

ルーネリポア氏の次には

呼び止めないと

こちらのサインに気づかない

アタマを振り絞って

掲げた紺碧の地の意味ある文字

おいでおいで

とは何処で示すのが相応しい?

そもそもが何故

おいでおいでするのか

初めの初めに

向かう

その仕草する人の姿重ねて

そんな

立往生もある界隈に

落とすものが

ある

グルグル巻きの

確保物が薄紙のように揺れて

今にも消える

模様

眺めが変わらない

というのは不変の根

あるからか

雲浮く

 


ザルの中の無限拾得  

2022-07-26 23:59:42 | 

 

            ザルの中の無限拾得

 

半無限体

無限次元力学系

無限要素

無限長周期構造物

無限造増倍率

まなざしなき無限

実在的実無限

半無限弾性体

無限伸育型

無限遡及

宗教的無限論

無限円筒

接合半無限体界面

三次元無限領域問題

無限等比較級

無限板

超限と無限

無限者

無限情報処理

二層弾性無限厚板

無限遠

無限極と無限零点

無限判断

四半ないし半無限体

無限薄板

無限行列表現

半無限量子細線

無限和

 


詩-Space ねころんだ

2021-07-16 00:15:45 | 

 

               ねころんだ

 

ねころんだ

それはネコのことか

ろんだとは?

 

noteの文字を見て

見つからない探しものの

尻尾

掴みにでるようなうごき

生ずるのを

感じる

 

時間が

痕跡を消す

という通り道があって

ねころんだの

ネコの

正体を疑う

 

思わぬところに

手がかり

転がっているものですね

ロンダ

ロンダを

転がして響く音

見る

 

ねころんだ

ねころんだ?        

 

 

                                                                   

                                       

 

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西脇順三郎 / 詩集「宝石の眠り」から「まさかり」

2020-07-15 23:28:34 | 文学

 

          まさかり

 

夏の正午

キハダの大木の下を通って

左へ曲って

マツバボタンの咲く石垣について

寺の前を過ぎて

小さな坂を右へ下りて行った

苦しむ人々の村を通り

一軒の家から

ディラン・トマスに似ている

若い男が出てきた

私の前を歩いていった

ランニングを着て下駄をはいて

右へ横切った

近所の知り合いの家に

立ち寄った

「ここの衆

まさかりを貸してくんねえか」

永遠

 

 

詩というと西脇順三郎。バッグの中に入れておきたいものが、その詩を読める文庫本、他の本。「宝石の眠り」は未刊詩集だったもので1963年に西脇順三郎全詩集が刊行された時に入れられたもの。この「まさかり」もなんとも言えず彼のものらしさがあって印象に残る。ウェールズの詩人ディラン・トマス(1914~1953)のイメージが出てくるのもそうだし、新潟弁も味を与えてくれている。というよりそれがあるから同県人の私には印象深いのかもしれない。この「ここの衆」は、「ここのしゅう」ではなくて新潟弁では「ここんしょ」。順三郎さんも表記の仕方を考えた筈。新潟弁では、「ここんしょ、まさかり貸してくんねえか」。彼は小千谷(おじや)の出身で、私はすぐ隣の地域の出身。だから彼への親近感も強い。この詩集の中にもう一箇所、新潟弁の言い方として出てきているものと思えるところがある。そしてそれは知らない人にとって捉えがたかったりするのでは?  そんな部分。

「ローマの休日」という130行以上の長い作品の中にあるこんな部分

 

黄色いキウリの花が咲いて

いるだろう

女は

「いいてえ」といっているだろう

河原に流れてきたアカシヤが

とげを出して砂利取りのトラックが

休んでいるだろう

 

「いいてえ」と女が言っているという部分。「いい」ということでgoodという意味にそのままとれれば良いけれども、「いいてえ」と訛りの言葉に変じているところで分かりにくくなっているということと思う。いずれにしても何に対して言われているのかは不明、だが順三郎さんの生まれた地方に深く関わる訛りの言葉がある。それが何かそこの空間ならではの地方的イメージを何かわからないままに通りすがりのように喚起する。彼の作品の中ならではの言葉のタッチの中で。

 

最後の言葉、「永遠」はもう彼の世界では不可欠のしるしとして置かれるべきもの。時空を超え向けられ繋がる現在現実イメージ。現在の中の永遠。永遠の中の現在。ということは途方もなくかけ離れた意味を持つそれぞれの言葉もまた、その間に距離はなく同じ次元で繋がり合うものと捉えることができる。順三郎さんの詩を読んでいてのたのしみは途方もなく遠い言葉の隣り合わせに触れること。イメージを味わうこと。その数行を読むだけで満足して本を閉じることもある。

 

 

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詩-Space This ia your time

2020-06-11 19:29:27 | 文学

 

                                          This is your time 

 

This is your time

質問X

時間は味が良いもの?

時間は齧れるの?

ズボンを攀じ登ろうとするシャムの子猫ヌックの爪が痛い

それは時間のせい?

質問B

時間は裏の部屋の硝子戸の外にあるもの?

つまりは桜の樹が立つ裏庭

絡まるの?

点在すると言われたという

嘘の時間

待てば来るものなので

敢えておいでとは言わない

質問D

時間は絞れるもの?

するとキリキリなどと行く先に

捻りを入れる

ズボンを攀じ登るキジトラの子猫ヴィックの爪が痛い

それは時間の冷たさのせい?

会わせたくないので

切り離した時間仕立てを要望す

サンドウィッチの形

質問F

十二色のうちどの時間を選べば良いの?

走る色は夕暮れに馴染まない

決定は神任せ

不在時間の象徴は髭

生やして

消費の日々へのアドバイスなどする

でも簡単に言えば

時間は下から攀じ登ってくるものではない

爪があるから痛いものでもない

 

 

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