Absolute 4 – Groove Agent 5が搭載されたバンドルパッケージ

Absolute 4

Absolute 4の特徴

2019年01月にSteinberg(スタインバーグ)のソフトシンセのバンドルパッケージ『Absolute VST Instrument Collection』が『Absolute 4』へアップデートしました。

6,800以上のプリセット、容量 100 GB 以上ものサウンドをtousaisuru 搭載する『Absolute 4』はさまざまなジャンルの音楽制作に対応します。

新搭載は「Groove Agent 5」

Groove Agent 5今回の『Absolute 4』で新たに搭載というよりもアップデートされたのはバーチャルドラムスタジオ「Groove Agent 5」のみです。

アコースティックドラム音源「THE KIT」や30種類の新エレクトロミュージック用ドラム音源を新たに「Groove Agent 5」は付属しています。

『Absolute 4』の目玉は「Groove Agent 5」「HALion 6」「HALion Sonic 3」となりますが、他に収録される音源は『Absolute 3』のリリース時に「Absolute 3に収録するソフトシンセ」で記事を書いていますので、そちらを参照して下さい。

計3種類のライブラリを追加

「Granular Guitars」「Rock Essentials」「Prime Cuts」の計3種類のライブラリが『Absolute 4』には追加されています。

プロのサウンドデザイナー監修によるギター音源「Granular Guitars」は「Padshop Pro」用のライブラリーです。

ハードロックドラム「Rock Essentials」とヒップホップサウンド「Prime Cuts」は「Groove Agent 5」用のライブラリです。


Absolute 4の評価

ピアノ音源とストリングス音源

正直なところ「HALion 6」「HALion Sonic 3」と今回追加された「Groove Agent 5」以外のシンセは時代遅れと言われても仕方がないというのが本音です。

アコースティック・ライブラリーのバーチャルピアノ音源「The Grand 3」とストリングス音源「Symphonic Orchestra」に関しては悪くわないです。

ただし、現在、他メーカーからリリースされているピアノ音源とストリングス音源のクオリティーを考えると、この音源をあえて使う理由が見当たらないというのが本音です。

ギター音源&ベース音源

ギターに関しては「HALion 6」「HALion Sonic 3」に音色はありますが、現状のギター音源のクオリティーを考えると、到底太刀打ちできません。

まだリリース前ですが「Sample Tank 4 MAX」に搭載されるエレキギターはBlack LPが15GB、Red Stratが20GBとかなり力が入っています。

アコギに関しても10GBの音色が4つ搭載されていて、前バージョンの拡張ライブラリ「American Acoustic」がかなりクオリティーだったことを考えると「Sample Tank 4 MAX」のギターも期待しても間違いないはずです。

マルチ音源で使えるギター音源やベース音源が必要な人は『Absolute 4』は選択肢から絶対に除外したほうが良いです。

ダンス系とシンセ系

Triebwerk 画像2
前バージョンと同様にエレクトロニック・ライブラリー「Triebwerk」「Hypnotic Dance」「Dark Planet」と、シンセサイザー音源「Padshop Pro + Zero Gravity」「Retrologue 2」が『Absolute 4』には収録されています。

「Padshop Pro」用のライブラリ「Granular Guitars」が追加されていますが、それ以外は変更はありません。

エレクトロニック・ライブラリー「Triebwerk」「Hypnotic Dance」はダンス系の音楽では即戦力となります。

「Padshop Pro」に関してはプリセットが探すのが難しく、音的にも、わたしには好みではありませんでした。

他にもシンセ音源をたくさん所有していることもあり「Retrologue 2」は、まったく使っていません。

時代を考えるとAbsolute 4は高額

価格が安ければありかもしれませんが、販売価格が50,000円(税抜)と考えると、前バージョンまでならこの価格でもなんとか納得できたものも、ソフトシンセの世界も低価格化が進んでいます。

2018年09月にNative Instruments『KOMPLETE 12』が登場していることもあり、価格とクオリティーを考えたときに『Absolute 4』をオススメすることはできません。

販売ショップは当然商売ですので絶賛してますが、CUBASEユーザーは良いとしても、プリセット音も探しにくいですし、トータルで見ると、現在の仕事レベルで即戦力として使える音も偏っていて時代遅れです。

ライブラリの追加は事実上の値下げですので、お得感を出したかったのかもしれませんが、やはり税込みで32,000円くらいが『Absolute 4』の妥当な金額ではないかな?と感じます。

バージョン3からのアップデート価格も、基本的には「Groove Agent 5」だけですから、1万円以上というアップデート価格はユーザー離れを招くのではないかと思います。

ポイントは「HALion 6」が欲しいかどうか

HALion 6 インストゥルメント
バンドルパッケージ『Absolute 4』は「HALion 6/HALion Sonic 3」が欲しいかがポイントとなります。

前回のバージョンアップでピアノ、ブラス、ストリングスの音源が追加されて生楽器の音も強化されましたが、やはり他社製品と比較したときに出音はマルチタイプ音源の域を出ていません。

それでも素早く楽曲の形を作ることができるフレーズプレーヤーの「FlexPhraser」あたりは便利です。

「HALion 6/HALion Sonic 3」に注目していた人は、単品で購入するよりも『Absolute 4』で購入したほうがお得なので選択肢に入れても良いと思いますが、ジャンルを選ばないマルチタイプというよりソフトシンセの詰め合わせが欲しい人には他社製品をオススメします。

昨年リリースされた「CUBASE 10」は価格が落ちましたが、毎年バージョンアップのたびにアップデート料金を払うという時代は終わっています。

ヤマハが親会社なのでCakewalkみたいにはならないと思いますが、Steinbergは他メーカーから取り残されなければ良いかなと感じます。

WAVESのように闇雲に価格を落とすのは長い目で見たときにブランドの低下を意味しますが、
時代と進化に見合った販売価格を設定した上でお得感を出さないと『Absolute 4』だけでなく「CUBASE」も今後は厳しいかな?

> 『Absolute 4 VST Instrument Collection』の詳細情報と最安値情報

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