過活動膀胱治療薬ベオーバ錠50mgが発売されました。

この分野も、超高齢化社会のせいか、開発が盛んですね。

概要はこちら。用法は「1日1回食後、1回1錠」です。

https://www.e-mediceo.com/diweb/new_release/detail/1542764855

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/series/drug/update/201810/558138.html

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ベオーバは、OABに用いるβ3アドレナリン受容体作動薬。既存のベタニスと同じ作用機序です。

特色は…

・心血管系に関連する有害事象の発現が大きな問題となる可能性が低い

・薬物代謝酵素の阻害や誘導作用を示すことが低い

・ベタニスと比較して、「生殖可能な年齢の患者には投与をできる限り避ける」という注意喚起(警告)がない( 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には有益性投与) 。

 

確かに、ベタニスは 「QT延長を生じるおそれのあることから、心血管系障害を有する患者に対しては、本剤の投与を開始する前に心電図検査を実施するなどし、心血管系の状態に注意をはらうこと」となっています。私も、投薬時には、不整脈などがないか確認するようにしています。

また、 「生殖可能な年齢の患者への本剤の投与はできる限り避けること」(動物実験[ラット]で、精嚢、前立腺及び子宮の重量低値あるいは萎縮等の生殖器系への影響が認められ、高用量では発情休止期の延長、黄体数の減少に伴う着床数及び生存胎児数の減少が認められている)  と警告されています。

実は、あまり意識したことがありませんでしたが(苦笑)、確かに、生殖可能な患者さんに投薬したことはありませんね。

 

そして「服薬指導のエッセンス」的に注目する点は、服用法に「食後」の縛りがあること。

薬物動態を参照すると「空腹時に投与したときのCmax及びAUCinfは、食後投与したときに比べ、それぞれ1.73及び1.40倍であったが、tmax及びt1/2に影響は認められなかった。」となっています。

数字を見ると、食事の影響はそれほどないような気がします。ただ、ベオーバも、「重篤な心疾患のある患者には慎重投与」(心拍数増加等により、症状が悪化するおそれがある)なので、食後に服用したほうが安全ですね。

 

それでは、「食後投与」の表に追加をお願いします。また、ベタニスが 「妊婦及び妊娠している可能性のある婦人」には禁忌になっていることもわかりましたので、「催奇形性の高い薬剤」表に追加したいと思います(催奇形性というわけではないので注釈を付けました)。

 

 

※5月1日に「服薬指導のエッセンス改訂第2版」が発売されました。

自費出版のため、宣伝媒体がありません(切実)。

興味ある方は出版社のHPで立ち読みしてみて下さい。

もしすでに購入された方で「いいな」と思った方は、周りに拡散してください(苦笑)。お願いします!

https://www.tokyotosho.co.jp/info/syu/y09.html

 

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