カミーユ・コローには
いくつかの有名作品があるけれど
本日はこれを・・・
「モルトフォンテーヌの思い出」1864年
(所蔵:ルーヴル美術館)
銀色の霧に 霞む森の風景。
モルトフォンテーヌとは、
この地の名称です。
水のほとり、木の周りで
3人の乙女が遊んでいます。
もうひと世代前の画家の
作品であったなら・・・
彼女たちは生身の女性でなく、
実は、女神だったかもしれません。
けれども、
コローの絵に登場しているのは
人間の少女たちです。
美しくて叙情的な、
ロマンチックな雰囲気のある風景画として
とても人気のある作品ですが、
たとえば、
のちの印象派の画家が描くような
現実の場面を描写したものでは
ありません。
コローが、自身の画業の中で
スケッチしてきた風景を
合成して仕上げた架空の景色です。
そのことが一層、この絵に
まるで明け方夢で見るような
幻想的な雰囲気を
与えているのだと思います。
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執筆:内田ユミ
(西洋美術史講師/ルーヴルの魔女)
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