家庭用磁気商品の「オーナー(販売預託)商法」を用いて、顧客から多額の資金を騙し取った容疑で「ジャパンライフ」の元会長山口隆祥容疑者が警視庁に逮捕されたようだ。

同社は1975年に山口元会長によって設立され、マルチ商法で1980年代に急成長した。

豊田商事事件の煽りを受けて、一時期大幅に売り上げを落としたものの、その後は業績を取り戻し、警察OBを後任社長に迎えるなどして、巧みに疑惑をかわしつつ2017年まで事業を存続させていたようだ。

ジャパンライフによる販売預託商法とは、どのような手法だったのか。

まず、顧客は100万~600万円もする磁気ネックレスなどの高額な健康器具を購入する。
顧客が商品を第三者に貸すオーナーになれば、ジャパンライフを通じて年6%程度の配当が得られるというものだ。

顧客はオーナーなるために購入した健康器具をジャパンライフに預け、ジャパンライフはその健康器具を別の客にレンタルし、レンタル料を徴収する。

ジャパンライフはレンタル料の中から配当をオーナーにバックするという仕組みだったようだ。

100万~600万円もする磁気ネックレスというのは明らかにキナ臭い感じもするが、高齢者をターゲットにしてネズミ講のように連鎖的な形で被害が急拡大し、被害総額は2,100億円に上るとも言われている。

逮捕された山口元会長は群馬県伊勢崎市の出身。
安倍総理主催の「桜を見る会」で総理推薦枠で招待された事が話題になった。

安倍総理以前では、群馬県出身の歴代首相(福田赳夫、中曽根康弘、小渕恵三)の時代にも桜を見る会に招待されていたようだ。

「山口会長に『桜を見る会』のご招待状が届きました」と銘打ち、招待状のコピーを宣伝チラシに貼り付けて、自社の信用性を喧伝したという言うのだから悪質である。

それにしても、安倍総理が総理を退任した直後に山口元会長が逮捕されるというのは、単なる偶然なのだろうか?

年金生活を送る多くの高齢者から多くの金品を巻き上げて巨額詐欺事件至った経緯が一日も早く明らかにされるとともに、被害者に購入費用相当額と損害賠償金が支払われる事を願ってやまない。