母の過去 616 | 不思議なトントン日記

不思議なトントン日記

感動あり泣き笑いのブログにし皆さんが楽しみにしてもらえる事を目指します。
1話完結ではありません。根気よく読んでいただければ嬉しく思います。
時間のある方は初めから読んでいただければ、笑っていただけると思います。

616
 
お客様と一緒に練習に行く事になった母は
運転中にどうして止まっているボールを打つのが
そんなに難しいのか聞くのですが、
お客様は ただ笑われて行けば解ると言われるだけです。
母は初めてでも上手く打ちお客様を
ビックリさせてやろうと密かに思っているのです。
打ちっぱなしに到着すると
トランクを開けて靴を履き替えようとして
お客様に靴は中で履き替えれば良いと
言われ そんな事も知らないで
1人でよく行く気になったなと 又 笑われるのです。
練習場で靴を履き替え手袋をはめて
素振りをしている母を見て
お客様はクラブをどんなふうに
握っているのか聞かれたのです。
母の握り方はバットの握り方で
ゴルフクラブの握り方とはまったく違うのです。
そして丁寧に教えてもらい
素振りを2,3回してから
ボールを置き初めてのスイングをしたのですが、
胃潰瘍で入院されていた社長が言われていた通り
ボールにかすりもしないのです。
一緒に練習に来ていただいたお客様は
後ろを向いておられますが、
肩が上下に震えています。
そう!お笑いになられているのです。
負けず嫌いな母は今度こそと力を入れて
頑張るのですが、
又 空振りです。
お客様に教えて下さいと言うと
ボールの置く位置からスイングまで
親切 丁寧に教えて下さるのですが、
この日は100球打ち 少し飛んだボールは2,3球で
後はコロコロと転がったのがほとんどです。
それでも帰りに初めての女の人では
上手い方だと言われ
母はこれで上手いと言われるのは信じられない気持ちで
完全に自信をなくして帰って来たのです。
家に帰り小さな庭で素振りをするのですが
1回スイングするたびに首をひねり
今度こそと言うと又スイングをして
首をひねるのです。
僕は2階の窓からチラリと母を見て
新しい作戦は辞めたんだと思い お腹が空いているから
早くご飯にしてくれと窓から叫んだのです。

 

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