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第142夜
過程
私の2か月ー!!
食生活に気を遣って大好きな食べ物や飲み物も控えたし、夜更かしして漫画を読むのも我慢して規則正しい生活を心がけて。
シリンジ法による妊活とはいえ、私にも色々とあったんです。
シリンジの扱いにも慣れてきたので、
おまたから精子を注入するときには
もっとシュートエリアを広くしてみようとか
打点を高くしてみようとか
ボールはゴールリングに置いてくる感じで、とか
左手は添えるだけ…とかね
トライ&エラーを繰り返してきたんです。
それでも妊活は「結果が全て」みたいなところがありまして。
しかも、しかもですよ、
いくら徳を積もうが山で修行しようが
千本ノックしようがシュート2万本合宿しようが
全集中の呼吸を会得しようが、
努力が報われ成果が現れるとは限らないんです。
少年漫画に脳を侵食されている私にとって、努力が報われないのは辛すぎる事実なんです。
「努力・友情・勝利」の原則はどこへ!?
あの作者、少年漫画誌じゃなくて青年漫画誌で描かせたらどうですか!?
って読者アンケートに書いてやろうかと思いました。
ああ、もっとエグい青年漫画をたくさん読めばいいんですかね。
絶望的な世界で苦しみながら生きていく救いようがない作品の脇役キャラに感情移入する練習とかすれば自然と心持ちも変わってきますかね。
そう、それでね、私、
妊活を始める前までは
「子どもは授かりもの」
という言葉があまり好きではなかったんですよ。
それとなく他人任せだし、神様から選ばれた人しか授かれない気がして、やな感じだなーって密かに思ってたんですよ。
じゃあ逆に、処女でも神様に気に入られさえすれば性交渉しなくても授かれますか?
私もマリア様になれますか?
神様、何か好きな食べ物ありますか?
住所教えていただければ好物の特産品を献上しますんで。
って、どこにいるか分からない神様へ問いかけたりなんかして。
でも妊活し始めて、「授かりもの」、なるほどな、と思えるようになりました。
私がいくら地道な努力をしようとも、授かれるか授かれないかは、現場の事情とかもあるんで…ちょっとそこはよく分からないんですよねーってことですよね?
大手取引先と商談のため
毎晩遅くまで残業して
先方の好きそうなコンセプトで資料作って
休日返上でプレゼン練習もして…
いざ商談当日、
完璧なプレゼンをし
ときおりジョークも交えつつ
交渉も終始なごやかな雰囲気のもと行われ、
なんだか好感触かも!?
先方の社内会議で決裁するから、結果は2週間待つように言われたけど…
イケる!今回はイケる気がする~!
って状態だったんですけど、
残念ながら契約成立に至りませんでした。
…こういうことですよね?
いくら私がPowerPointを駆使して自分の目から見ても素晴らしいと思えるようなベストオブ資料を作ったとしても、最終判断を下すのは先方のお偉い人たちですからね…
くっそ…お偉い人とのコネ、何も持ってない!
でも、
「今回は残念な結果だったけど、俺、見てたよ!毎晩遅くまでよく準備したよ。次また頑張ろう!」
って優しく肩を叩いてくれる上司がいればこの先も頑張れる気がするよね。
などと、青年漫画誌を意識して働く大人っぽくまとめたかったんですけど。
え?言ってる意味が分からない?
うん、私も書きながら、ピンとこないな~と思ってました。
とにかく…
頑張ってもどうにもならないことがこの世にはあるから「授かりもの」って言うんですね。
だからね、
「良い子にしてたらサンタさん来てくれるよ」
って言葉、めっちゃ羨ましい言葉だな!いいなソレ!!と興奮しているところです。今。
お母さんの言うこと聞いてニコニコおとなしくしてるだけでサンタさんから欲しいもの貰えるんですよ。
まあちょっとイタズラ程度の悪さしても、アマゾンにいるサンタさんを手配してくれるお母さんは結局優しいんで、プレゼントを枕元に置いてくれると思うんです。
わー。超いいな。
パソコンのPowerPoint画面とにらめっこしなくても、休日返上しなくても、プレゼント貰えちゃう。
現在入手困難な任天堂Switchとか貰えちゃう。
もしお母さんに、
「クリスマスプレゼントは授かりものだからね〜」
って言われてたとしたら、一気にやる気失くすと思います。
で、そんな自分の力でどうにもならないようなことに思いを馳せたくないので、私は公園の砂場で泥だんご作って遊ぶと思うんです。
でも夕暮れ前、お母さんが慌ててこちらに向かって走って来て、
「サンタさんに『あつまれどうぶつの森』お願いしておいた方がいいよー!」
って叫んでくるんですよ。
いや、今はどちらかというとピカピカの泥だんご作る方が楽しいんだけど‥って話したら、
「中学入学した途端、政府が“うちで遊ぼう”って盛んに言ってくるっぽい!
砂場閉鎖されるっぽい!
今のうちに『どうぶつの森』をサンタさんに頼んでおきなさい!」
って指示されて。
あれ?
この前私が、
「隣の席の美穂ちゃんは、サンタさんにリングフィットアドベンチャー貰ったらしいよ!特に欲しくなかったみたいだけど。」
って報告した時には、
「よそはよそ!ウチはウチ!」
「欲しい欲しくないは関係ないの!」
「授かりものなんだから!」
って言ってたのに。
1番驚いたのは、神出鬼没のサンタさんから奇跡的に授かれる贈り物の数を、総務省統計局が毎年数えてるらしいって話なんですけど。
というのは全部妄想なんで、
とにかく本当に良かったです。
一般的にサンタさんは子どもみんなにプレゼントを配ってくれるので。
デンマークにサンタクロース協会もあるらしいし、身元が明らかな「公認サンタクロース」もいるみたいですし。
そんな安心なクリスマスが今年もやってくる♪と思うと嬉しいですよね。
今日のランチ、ケンタッキーにしない?
って自然と口にしちゃいますよね。
まあ、私が子どもの頃、家にサンタさんが来たことも、クリスマスにケンタッキーフライドチキンを食べたことも1度もないし、母はすでに他界してるんで、『どうぶつの森』をすすめられたこともないんですけどね。
あ、この可哀想な過去はここでは掘り下げませんので安心してください。
えっと、何故か季節外れのクリスマスムード全開になってしまったので話をもとに戻します。
そう、ようやく「授かりもの」と言われている所以を実感することとなったのです。
でも私、しばらくの間は自分が「努力・友情・勝利」の漫画の主人公だと思い込んでいたみたいです。
自分はシュート2万本合宿を乗り越えた選手なんだから栄光を手にできるはずだ!って。
でも実は、私は選手ではなく、チームを支える監督だったみたいです。
選手のために最高の環境を整え
最高に活躍できる舞台を用意して
選手たちをコートへ送り出してあげるのが私。
生活習慣を見直して
妊娠しやすい身体をつくるのが私なんです。
で、「君たちは強い…!」と言って選手たちを送り出した後は、ベンチで待つことしかできないのです。
ひたすら信じて待つのみです。
私は自分が監督の立場にあるという自覚がなかったせいで
試合後ボロボロになった選手に向かって
ベンチの前で、
というか便座の前で、
「やっぱり駄目だった」
「ほらね駄目だった」
とか言ってたのです。
なんということでしょう。
そんなこと言う監督がいたら、今の時代ならスマホで音声録音されてTwitterで全世界に公開されちゃってますよ。
で、鬼リツイートされて、Twitterのトレンド1位になっちゃって、監督辞任へ追いやられてますよ。
はい。気をつけます。
これからは、生理が来たとしても
「よくやった!」
と自分を抱きしめて、いたわってあげようと思います。
…なんてね、そう思えるようになったのはここ最近の話なので、まだまだ4コマの方では鬼畜監督ごっこは続きます。
うなぎ@unagi093雲行きが怪しいピョン
2020年05月24日 18:56