かあさんの世話をする健気な息子。

2019.06.13

かあさんが入所している特養の、次のお出かけの催しのお知らせが来た。

今度は特養の近くの、あじさいがきれいに咲く公園。
雨が降ったらお買い物に変更になるようだ。

また雨が降るんじゃないの？
梅雨だもの。

前回のお出かけ、公園のお散歩の日も雨で、ショッピングモールに変更になった。

かあさんにあじさいを見せてあげたい気はするけど、雨降ったらすごくがっかり。

今回はやめておこうかな。
忙しいし。
と、夫は言ってる。

何日もたたないうち、また特養からの郵便が。

今度は家族会。

また看取りのお話かな？
定期的に看取りについてのお話があるみたい。

その日も仕事やら自治会の用事やらあって忙しい。
行けないかも。

たまには、夫の妹夫婦が行けばいいのでは？

かあさんは息子より娘が好きだったんだから。

でも最近は、滅多に顔を見せない娘より、息子の顔を見た方が安心するのでは？
とちょっぴり思う。

あんなに仲が悪かった母と息子だけど、嫌な思いをした記憶も感覚も、かあさんの頭の中で薄れて行ってるように思う。

最近はかあさんに会いに行くと、名残りを惜しんでるみたい。

もう帰るのか。
また来てや。
きっとやで。
…と。

お出かけの日、かあさんの乗ったクルマ椅子を押したり、かあさんの足元にしゃがんで靴を新しい靴に履き替えさせたりしてる夫を見たら、ほんの少し、感動しちゃうと言うか…

けなげだな〜
って思う。

母親にちゃんと愛されたことのない息子なのに。

かあさんは、表情も変えず、あたりまえのような顔してたけどね。