夫は王様

2020.05.27

(2)

寝る前にビールを飲んで、さらにアイスクリームを食べようとする夫。

そんなポンポコリンなお腹しといて何てことするの？！
寿命を縮めたいの？！
と、かなりきつめに言うと、
なんでそんないじめるんや〜
と夫は言う。

だけど私は、夫に何でもすきなこと言ってる訳じゃないのだ。

普段、どんなに夫に遠慮して暮らしてるか、夫にはわからない。
私が好きなドラマを見てる時、そばで夫が大きな音を立てながらドライヤーを使っていても、何も言えずに我慢してしまう私。

まぁ言ったところで答えはわかってる。
ようそんなしょうもないドラマ見てるな。
アホちゃうか。
と、余計に近くでドライヤーの音を聞かされるのがオチ。

なんでかよくわからない。
なんでこんなに夫に遠慮しなくちゃいけないのか。

だけど、きのうもそう。
1階でテレビを見てたけど、面白い番組もなくて、2階でパソコンを使いたくなった。

2階に上がったら、夫はパソコンで株関連のサイトを見ていて、テレビの画面はニュース番組だった。
どっちか片方にしてほしい。
テレビ見るかパソコン見るか。

そうしたら私は、パソコン見るか、溜まったビデオの録画見るかできるから。

だけど、夫がニュース見ながらパソコンで株のこと調べてるのかもと思ったら、何も言えなかった。

しばらく私はそこで待ってた。
気付いて、パソコン見るか？とか聞いてくれるかと。
株取り引きの時間はもう終わってたから。
でも、そんなことに気が回る人じゃなかった。

わかってる。
夫はやさしくないわけじゃない。
ただ、気が回らないだけ。

でも、そんな夫になんでこんなに遠慮しちゃうのか、自分でもわからない。

夫は王様なんだ。
うちでは。

王様だから、気が回らないんだよね。