絶やしてはいけないもの
TY君(男性)の基本情報
■兵庫県の私立高校出身、現役、東大文Ⅰ合格
■開示得点
■東大教室
「東大教室」に通っていた当時(2017年度)は現役生。
受講した「東大教室」の講座は東大合格ガイダンス・夏期講座・冬期講座・直前講座(いずれも大阪会場)
1 スピードよりも良質な理解を重視して進めた受験勉強。
模試にふりまわされて後悔したことも。
■自分の勉強スタイル
まわりの受験生より勉強が遅れていることも多かったのですが、できるだけ理解しながら勉強することを心がけていました。
そのため、わからない点や、つじつまが合わないと自分が感じる部分があれば、学校の先生に質問するようにしていました。
■順調にいったこと
理解にこだわって勉強できたこと
僕は地歴の勉強に手をつけるのが遅く、2学期に入っても世界史・日本史ともに近現代史にふれていない状態でしたが、少しずつでもよいので理解しながら進めることにしました。
模試の成績こそ悪いものでしたが、暗記はセンター試験前にまとめてやろうとわりきっていたので、焦ることもありませんでした。
相談に乗ってくれる先輩がいたこと
小さなことですが、とても大切なことだと思います。
僕が入試本番で獲得したかった理想の点数は実際の実力よりも高いもので、1日目の数学がうまくいかなかったあとは、2日目を戦う気力を失うほど落ち込んでしまいました。
そのときに先輩に電話し、不安を吐き出したり励ましの言葉をいただいたりして、2日目に向けて気持ちをリセットすることができました。
■順調にいかなかったこと
模試にふりまわされてしまったこと
僕の場合は、あまり勉強していないときに受験した模試で案外感触がよかったり、あるいはちょっとしたゴールとしてとらえていた模試を終えたあとにどうしても勉強に集中できなかったりといったことがありました。
先輩方の数々の失敗談を聞いて「そうはなるまい」と思っていたにもかかわらず、同じ轍をふんでしまい、冬休みやセンター試験後に何度その勉強できなかった時期を後悔したかしれません。
学校の先生や予備校の先生に勉強の進捗状況を個別にみてもらうようにするとよいかもしれません。
2 大きな時代背景を「東大教室」で理解して、
教科書を読むことが格段に楽になった!
6月の東大合格ガイダンスから2月の直前講座まで、野島博之先生の授業を受講していました。
まず衝撃的だったのは、最初のガイダンスでお聞きした「山川出版社の教科書『詳説日本史』は260回読みなさい」という言葉でした。
当時まったく日本史の勉強が進んでおらず、もともと活字が苦手だった僕には到底不可能なことのように思えました。
しかし2学期以降、わからないところは学校の先生に聞き、『詳説日本史ガイドブック』(山川出版社)を参照しながらねばり強く何周も教科書を読んだ結果、教科書を中心に日本史の理解を深めることができましたし、また表現をそのまま論述にいかすこともできました。
授業も刺激的でした。
野島先生はいつも、大きな時代背景を理解することを大事にされ、各時代について最適な具体例を挙げながら、また受験生のおちいりがちな考え違いを修正しながら、時代背景をじっくりと説明してくださいました。
時代背景を理解できたことで、教科書を読むのがかなり楽になったと思います。
野島先生とは授業後にも個別にお話をさせてもらうことがたびたびありました。
初対面の僕に対しても、まるで僕のことを知っていたかのように的確なアドバイスをしてくださり、そのなかには勉強の方向性を決定づけたものもありました。
あのような貴重なお時間をいただけたことを本当に感謝しています。
3 苦手科目をつくらないことが最大の武器に!
最後に信じられるのは絶対に合格したいという気持ち。
東大を受験するうえで最も大切だといえるのは、苦手科目をつくらないことです。
僕自身、これといって得意な科目はなかったものの、とくに苦手な科目もなく、実はこれが一番の武器だったのかもしれません。
また、このことは点数を取るためだけでなく、入試本番での精神状態を安定させるためにも大事なことです。
何かひとつの科目で失敗してしまっても、「他の科目で取り返せる!」と思えることで、気持ちを早く切りかえることができます。
そしてもうひとつ、同じくらい大切なことは、「絶対に東大に合格したい」という気持ちをもつことです。
5教科も勉強していれば先がみえなくなることもあるでしょうし、あるいは気持ちがプツンと途切れることもあると思います。
それでも、「東大に合格したい」という気持ちだけは絶やさないでください。
僕も入試本番の試験中、少しあきらめそうになったときに実感したことですが、最後に本当に信じられるのはこの気持ちなのだと思います。
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2018合格体験記
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(一般書)
三行で完全にわかる日本史
http://gakugei.shueisha.co.jp/kikan/978-4-08-781650-1.html
日本への注目度はとても高いのに、
そこに住む人々は、
みずからの来歴を
しばしば見事なほど知らない。
それは、
鏡で容姿を眺める間もなく
人前に立たされた女優に似ていて、
「ブレスレットが綺麗ですね」
と話しかけられても、
哀しげなアルカイックスマイルで
いつものように沈黙する……。
名づけて、無知の恥(むちのち)。
(本書“message”より)
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