投稿:2019-05-29
| 更新:2020-05-23
✎
2019年春のカボチャの栽培記録です。
定植から収穫までを記録します。
家庭菜園やプランター菜園でのカボチャ栽培の参考になれば幸いです。
カボチャ栽培 基本情報
《発芽適温》 25~30℃ 発芽日数3~5日(保温が必要)
《生育適温》 20℃ 前後
《育苗期間》 種まきから30日前後、本葉4~5枚ごろまで
《収穫時期》 西洋種は開花後40~45日、日本種は開花後25~30日頃を目安とする
《整枝方法》 西洋種は親づる1本、子づる1本。日本種は親づる(本葉5~10枚で摘心)と子づる2~4本
子づる10~13節の所でで着果。着果前の雌花は摘み取る。
やせた土地でも育つ。チッソ分が多いとツルボケしやすい。
《タネの寿命》 タネには寿命があります。こちらで確認できます。
種まきは4つの条件を揃えれば芽が出る!🔗発芽を成功させる方法とコツ
2019年5月11日 栽培日数0日 定植
・緑肥と米ぬかもみ殻堆肥を投入し1カ月ほど経過した畑を深くまでしっかり耕し、土に空気を含ませます。10㎝高の畝を作ります。
・バケツに水を入れポットごとしばらく浸します。根に十分水を吸わせる目的と、ポットからきれいに抜けるようにする目的です。
・植穴を掘り、水たまりになるほど潅水します。
・深植えにならないように、高さを調整しながら植え付けます。
・植え付け後、もみ殻をまいて乾燥を防ぎます。もみ殻は、ゆっくりと分解されて腐植になっていきます。微生物の住みかにもなりますからおすすめの資材です。
・さいごにメネデールを水で希釈して潅水します。メネデールで根が活性化して根付きが早くなります。
🔗種まきや植え付けにメネデール 家庭菜園で効果のある使い方
2019年5月30日 栽培日数19日 親づる摘芯
・定植後19日が過ぎ、親づるが伸びてきたので摘芯します。
・雌花が咲いていますが、その手前の本葉6枚目の所で摘心します。
・子づる2本で栽培していく予定ですが、ウリハムシの食害が少し気になります。
・今後子づる10~13節の所でで着果させます。着果前の雌花は摘み取ります。
2019年6月15日 栽培日数35日
・子づるが一本長く成長しました。ネットを畝に敷きツルを這わせます。
・10~13節あたりで着果させるのでビニールひもで目印を作っておきました。
・もう一本の子づるを残して、他の子づるや孫づるは密集しないように摘み取って風通しを良くしておきます。
2019年6月21日 栽培日数42日 人工授粉
・ツル用のネットをしていましたが、地を這うカボチャ栽培では、雨の泥はねが顕著なので、遮光用のネットを敷いてみました。これで蔓を巻いてくれれば良いんですけど…
・着果した実のところまでの脇芽はすべて摘んでしまいます。それ以降は樹勢にまかせて、込み合うところがあれば摘み取って風通しを良くしておきます。
・ネットの端まで伸びたのでUターンさせます。癖がつくまで洗濯ばさみの締め付けを緩くしたもので固定しておきます。
・一個目の実が大きくなってきました。イナワラを敷きたいところですが、無いので、代用のものを敷いて実を保護します。
・着果した実の節から5節目に雌花が咲きました。タイミングを合わせたかのように雄花も開花しましたので受粉させます。
・自然の生命力の強い朝早くやる方が受粉確率が高いようです。
・雄花の花びらを全てもぎ取り、受粉しやすくします。雌しべ全体に花粉をつけるのがコツのようです。
・それにしても鮮やかな黄色です。感動的ですね。
2019年6月26日 栽培日数46日
・6月17日に開花・受粉したカボチャの実が大きくなってきました。握りこぶしほどあります。
・開花後25~30日で収穫になります。
2019年7月6日 栽培日数56日
・1本の子づるから3つの実ができました。ところが、2本目の子づるは2回受粉に失敗したようです。このまま3つだけにするか、もう1つ受粉させるか思案中。
・梅雨真っ最中なので病気にならないように、乳酸菌培養液をこまめに葉面散布しておきます。乳酸菌は酸性で、葉に付いた病原菌を殺菌してくれます。うどん粉病を予防できれば良いのですが・・・
・乳酸菌培養液の作り方が載っています。ご覧ください。
🔗乳酸菌で土づくり
・栽培当初からいたカメムシがいなくなりません。大繁殖しても困るので一度殺虫剤をまくことにしました。
住友化学園芸 ベニカ水溶剤 0.5g×10
posted with カエレバ
2019年7月19日 栽培日数69日 初収穫
・最初の実が開花後30日を迎えたので収穫しました。ヘタの部分もコルクのような形になり、縦に切れ目がはいり、収穫のシグナルが出ていましたので収穫としました。
・これから2~3週間、風通しの良い日陰に保管して追熟させます(キュアリング)
・新たに2個結実しているものがありました。都合5個になりますが、どうなるか試しに育ててみます。
・今シーズンの梅雨は日照不足が続き、カビの生えやすい陽気が続いています。さすがに弱った葉にはうどん粉病らしきカビがついてはいますが、乳酸菌培養液を頻繁に散布しているおかげか大きな被害にはなっていません。
🔗乳酸菌で土づくり
2019年8月14日 栽培日数95日
・収穫後26日になりました。十分に追熟されたと思いますので、調理してみました。
・切り口は実が詰まっていて良い感じ。煮物にしましたが、キュアリングによってデンプンが糖分にかわりしっかり甘くなっていました。
・残りのカボチャも追熟をしっかりして甘くておいしいカボチャになってくれるといいなあ。
2019年8月22日 栽培日数103日 撤収
・根元から伸びたツルは全て枯れてしまいました。6個目の実を収穫して撤収とします。
まとめ
カボチャは病気に強く、接ぎ木に使われるほどです。今年は梅雨が長く、うどん粉病が発生しましたが、致命的になるほどでもなく、6個の実を収穫することができました。乳酸菌培養液の葉面散布が一役かっていたのかもしれません。
🔗乳酸菌で土づくり
ツルがドンドン伸びるので栽培面積が必要なのがネックですが、立体栽培などを利用する手もありますので、工夫次第で小さな菜園でも栽培が可能です。
収穫後、追熟作業もあり、なかなか手間のかかるカボチャ栽培ですが、甘くておいしいカボチャを食した時の喜びは格別ですよ。
おすすめのアイテムを紹介します。
私は天気の良い早朝に葉面散布して光合成を促進させています。
実も葉もひと回り大きくなるような気がしています。是非お試しください。
🔗玄米アミノ酸酵素液について
温暖化と家庭菜園
野菜は、日光が大好きです。特に夏野菜は日光と温度を要求しますが、昨今の猛暑、酷暑の中では気温の上がり過ぎにより、元気がなくなり成長が弱まったり、病害虫が多発したりします。日光は好きでも異常な暑さは好きではないようです。
地球温暖化が原因とされるこの暑さですが、下記写真資料にある通り1960年代から暑さが顕著になりはじめています。植物の進化はもっともっと長いスパンですから、温暖化のスピードに植物の進化が追い付いていないというのが現状のようです。
将来、人間にとっても植物にとっても過ごしやすい夏に戻ってくれるのが一番良いのですけど、どうなることやら。現状ではこの暑さにも負けない品種の改良を待つしかないのでしょう。
日本の夏は徐々に暑く、長くなっている (東洋経済ONLINEより)
人気記事
これであなたも菜園家‼
是非読んでいただきたい人気の記事です。
🔗日陰だって大丈夫‼︎家庭菜園やベランダ菜園の日陰でも育てられる野菜
🔗種まきや植え付けにメネデール 家庭菜園で効果のある使い方
🔗翌シーズンも芽が出る出る!残ったタネの劣化を防ぐ保存方法
🔗種まきは4つの条件を揃えれば芽が出る!発芽を成功させる方法とコツ
🔗家の庭を野菜畑に!まる1日で野菜の作れる家庭菜園にする
🔗酸性土壌が危険な本当の理由と仕組みについてはこちらから
🔗オーガニックは地球を救う‼有機栽培・オーガニックの本当の意味についてはこちらから
🔗有機質肥料が根に吸収されるまでの微生物の働きについてはこちらから
🔗プランター栽培 おすすめ培養土5選についてはこちらから
🔗乳酸菌で土づくりについてはこちらから
🔗良い堆肥 悪い堆肥についてはこちらから
参考文献
いつも参考にしている家庭菜園の教科書です。
よかったら読んでみてください。
▷▷やさい畑を見てみる
posted with カエレバ
▷▷野菜だよりを見てみる
posted with カエレバ
▷▷現代農業を見てみる
posted with カエレバ
最後まで読んでいただきありがとうございます。ポチッとおしてもらえると嬉しいです
↓↓↓
コラム 有機質肥料・完熟堆肥・ボカシ肥料のこと
野菜作りが一作終わると、土壌中の養分は消費されてしまっています。次期作のために失われた栄養分を補給しなければなりません。
足りなくなった分、または次期作の野菜に必要な栄養分を補うために有機物を投入します。
注意しなければならないことは、生育途中に足らなくなった場合は追肥すればよいですが、過剰な場合は残った肥料成分が腐り、病害虫などの害がでてきますから、多過ぎないように気を付けなければなりません。
有機物が投入されると活発になる微生物
微生物にとって有機物(油かす・骨粉・魚かす・牛ふん・豚ふん・鶏ふん・生ごみ・緑肥など)はエサです。エサのない状態ではひっそりとしている微生物ですが、有機物が土に投入されると一気に活発にエサを食べ、増殖と死滅を繰り返します。
このエサを分解してできた物質を、根は栄養分として吸収することになります。
死滅した微生物もまた他の微生物に分解され栄養分になります。
化学肥料は、微生物のエサにはなりません。したがって、化学肥料だけの施肥は、エサがないのでやがて微生物ゼロの土を作ります。
分解しやすい物質と分解しにくい物質
有機物には様々な物質が含まれています。
微生物は食べ易い物質(糖、デンプン、たんぱく質など)から先に分解していきます。
食べ易いので一気に分解し増殖するので熱が出ます。
有機物の投入を種まき・定植の数カ月前に行う理由の一つは、この熱で根が傷つくのを避けるためです。
さて、残った食べにくい物質はどうなるかというと、ゆっくりと時間をかけて微生物によって分解されていきます。堆肥となりやがて腐植となります。この時熱は出ません。
分解し易い物質を分解し、且つ発酵熱によって雑草のタネや病害虫の元を減らす工程を、堆肥作成においては一次発酵といい、一次発酵が終えた有機物は完熟堆肥とうたっても良いことになります。
この後、分解しにくい物質をゆっくり分解していきますが、時間が経てばたつほど腐植と微生物が増え、良質な完熟堆肥となっていきます。
どの微生物が動くかはわからない(水たまりでは腐る)
有機物が投入されると、エサを食べ微生物が活発になるといいましたが、有用菌である『乳酸菌』や『酵母菌』などが多く活発に動いてくれれば理想的な発酵になるのですが、そうでない場合があります。
水はけが悪かったり、大雨で水たまりになってしまうような畑で、土に酸素が含まれていない土壌では、同じ分解でも発酵ではなく腐敗となる微生物が動きます。
腐敗の場合は、植物の生育を悪くする物質が出来たり、有毒なガスが発生したりします。何より腐敗臭に誘われてハエやセンチュウなど害虫が寄ってきて悪の温床となります。
有機物さえ投入しておけば大丈夫、美味しい野菜ができる!と安心するのは間違いです。
腐敗の条件は、水、酸欠、温度です。せっかくの有機質肥料ですから腐らせないようにしたいものです。
ボカシのすすめ
発酵か腐敗か…土の中でどっちに転ぶか分からないようなことを避けるため、あらかじめ有用菌で有機物を上手に発酵させたものがボカシ肥料です。
これなら一次発酵済みなので温度が上がることもないですし、有用菌によって分解され、根が吸収できる栄養分になっていますから安心して施肥することができます。
ベテラン菜園家ともなれば、自分の手に入れやすい有機物などを利用してオリジナルの『ボカシ』を作り菜園に投入しています。
🔗7日で完成 米ぬか・もみ殻 ボカシ・堆肥づくり/好気性発酵 はこちらから
数種類の有機質肥料を発酵させた即効性の肥料をボカシ肥料といい、落ち葉やバークなどを入れ、分解がゆっくりで土壌を改良するような働きを持つもので一次発酵が済んでいるものを完熟堆肥といいます。
ここをしっかり押さえ、理解しておくことが大切です。
スポンサーサイト
スポンサーリンク
Last Modified : 2020-05-23