いろいろ作ってみよう・水仙花

ミニチュアやCGやキモノなどいろいろ作ってます

一発色塗りマシンを作った【Blender】

色塗りやデッサンがよく分からないけどイラストを描きたい。なのでBlenderで2Dイラストを描いています。

 

Blenderなら理論とか知らなくてもよきにはからってくれて便利。

しかし人間は欲深いので、さらに便利にしたい。具体的には、色塗りしていて「厚塗りしてたけどやっぱ水彩画風にしたいな」だとか「昼間の絵だけど夜にしたい」だとかの無茶ぶりにワンクリックで対応したい。

 

というわけで、一発色塗りマシン完成!


白黒から厚塗りまで、パラメータを変えるだけで対応できます。




やりかた

まず、色塗りの要素を分解してみます。

 

固有色

リンゴなら赤のような基本の色。普通に色を設定するかテクスチャで解決。

また、色ムラをつけるためノイズテクスチャを重ねられるようにした。べんり!

 

明暗の色

ライトの色と影の色。

カラーランプをいじるだけで、色やブレンドモードを変えれるようにした。



ノードはこんな。

明暗の色と透明度を変えることができます。

いったん明色と暗色を分けてミックスすることで、固有色とノードを繋げるだけで色をミックスできるようになった。



 

 

 

筆ムラ

画風によっていろいろ流派がある。blenderではノーマルマップを設定することで表現できます。

テクスチャをミックスすることで、アニメ調にしたいときにはベタ塗り、油絵や水彩画風ならノイズテクスチャでランダムに、リアルよりなら素材に応じた凸凹、というように色ムラを変えれるようにした。べんり!

 

影と陰、環境光

絵画では影と陰が一致しないほうが綺麗に見えることがままある。これはライトの分離で解決。

 

 

 

環境光

同じ要領で環境光もつけれますので必要に応じてつけます。

 

 

いったんここまでのノード

 



固有色、明暗の色、筆ムラ、影と陰、環境光、を個別に設定できるようになった。これで昼のシーンを夜のシーンにするとか逆光にするとかできる。

こういうのはクリスタやフォトショでやると色調補正したり手塗りで影をつけなおしたりしないといけないけど、ノードの数字を変えるだけでできる。そう、blenderならね!

 

 

 

ここまででも十分すごいし色彩センスのある人ならこれだけで十分かもしれないがここで一つ問題が。

 

色がとっちらかる

何も考えずに固有色を設定すると、ごちゃごちゃでまとまりのない絵になる。なぜだ。

これはこれでかわいいけども。

色相環と能率化

わっかの配置が近い色でまとめるとよいそうです。

シンプルな絵ならカラフルなのもかわいいけど、要素の多い絵の背景なんかは地味になじませたい。

また、本など数の多いものはひとつひとつマテリアルを設定するのは大変なので自動化したい。

ということで、ランダムカラー

オブジェクトを複製するだけで勝手にほどよい色をつけてくれます。

 

 

 

明度と彩度

どうも、明度と彩度をある程度揃えないといけないっぽい。

 

と、いうことで、明度と彩度を一括で設定できるようにした。

各マテリアルにはまず原色を設定して、白と黒を混ぜられるようにしました。これで色塗りした後に重厚油絵風を透明感のある水彩画風とかにできる。陰影だけのラフ画風とか線画とかもできる。

 

lineartで輪郭線を足して、影の色も変えました。

同じマテリアルの設定を変えるだけでこれだけ画風が変わる。

最後に、変えたい部分をグループ化しておきます。これで後から一括で変えることができます。


かんせい!!

これで色塗りがこわくない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

blenderでどこまで2Dイラストに近づけるのかチャレンジ

目指すはこちらのイラストです

このタルをblenderで再現できたらすごいような気がする。

 

世界観の作り方という本の色塗りtipsのページです。見ているだけで素敵な本です。

www.shoeisha.co.jp

 

今回は制作過程もなるべく2Dに近づけてみることを目標にしたいと思います。

 

ラフモデル

しょっぱなからいかにもな3Dですがここから!ここから2Dになるから(たぶん)

色塗り

とりあえずテンションをあげるため、壺の方を2Dっぽくしてみます。

もう!だいたいイラスト!!すごい

こんなにイラストっぽいのにぐるぐる動くのなんだか不思議

 

ノードはこんな。基本のイラストシェーダーです。

ライトの分離をしてハイライトは後付けしています。


テンションがあがってきたのでこの勢いでタルのほうもやっていく。

とりあえずできた。

  • 曲線を多めに分割してカクカクしないようにする
  • 色をよーく考える。明度と彩度を考える。

この二つをがんばることでわりと近い感じになることが分かった。色味についてはいろいろな解説本のチュートリアルにさらっと載っているのをちゃんとがんばる。なんでこんな大事なことがさらっとしか載ってないんだ…

 

色についてざっくりと

黒を混ぜると薄暗くてメリハリの無い絵になる。

Q:でも影のところ黒いじゃん!黒使わずにどうやって黒くするの??

A:色を濃くする。

絵の具を厚塗りするイメージ。つまり彩度を上げる。

極端に描くとこんな。



まず基本の色を決めて、それより斜め下を影色にして、斜め上を明色にする。どれくらい斜めにするかで画風が変わる。



だいたい4色に分けるとイラスト風になりやすい(おばちゃん調べ)

 

Blender特有のtipsとしては、明るすぎるときはライトを下げてもいいけどそうすると絵全体に影響してしまうからシェーダーをグレーにすると捗る。

 

反射光

ライトを分離して反射光用のライトを作って任意のところを任意の色で光らせる。

樽の金属部分も環境光を入れてベベルも入れて金属っぽくした。



 

 

かなりイラスト調にはなった。

あと一息がんばってみる。

 

 

固有色と環境光の書き込み

なのでさらにここに固有色と環境光と加えたい。

これがblenderだと案外難しくて、cyclesだと環境光なども再現度できるのですが処理が重くなるのとフォトリアルに寄りすぎていてイラストには使いにくい。

ライトは3つまでしか分離できないし、あまりライトを増やすと重くなるし…

 

ということで、ここは手描きで書き込むことにしました。

UV展開するのが大変そうだったので、頂点ペイントでいろをつけてみる。手軽でよいです。

 

固有色

複雑な色をつけてみた。

一気にクオリティが上がったきがする。

頂点カラーの出し方

add>colorattribute


環境光

同じく頂点カラーで描きこんでミックスしてみた。

 

カラーランプでマスクを作ることで、2Dソフトのような透過レイヤーを作りました。



できた!





 

かなりうまいことできたと思う。



 

 

 

 

blenderで2Dイラスト調に近づける道のり

これくらいまでできるようになったので忘備録です

かなりよい気がする。

 

普通にeeveeです。world設定も普通。worldの影と背景を分離するやりかたはこちらに書きました。

シェーダーもわりと普通。

 

イラスト調でおなじみ、shadertoRGB→colorRampにAOで陰影を強調しました。

 

これだけだとまだいかにもCGなので、エッジ部分にダメージ加工をいれていきます。

ワンクリックでここまでできるのすごい。

One Click Damageというアドオンを使いました。18ドルでしたが1.5ドルでお試ししてから買うことができるので安心です。

アドオンを使わないならハイポリ化して手作業でちまちまとスカルプトすればたぶんできると思う。

 

blenderのeeveeでイラスト調のガラス表現

イラスト調のガラスを描きたい。eeveeで軽く手軽に描きたい。

というのがやっとできるようになったのでやりかたメモ。

 

 

 


やりたいことはシンプルで、2Dイラストと同じように3Dでも色を重ねたい。

 

これをblenderでやるのが案外いろいろ複雑だったけどやってしまえば簡単だった。

 

まず、ガラス用のマテリアルをアルファブレンドにします。

中身が透けました。

次に、Transepalent BSDF にします。

完全に見えなくなって、中身のスザンヌだけが見えています。

 

この二つのモードをうまいこと混ぜたいということで、MIx Shader で混ぜます。

全体的に二つのBSDFが混ぜ合わさって微妙に透けています。

 

次にマスクを作成します。

おなじみ、ShadertoRGBからのカラーランプでハイライトを当てたいところを白黒で作成

 

ColorRampをFacにつなぎ、白黒を調整するとこのようにハイライトになります。

 

お好みでノーマルマップを繋げると筆ムラ感やガラスのデコボコ感が出てきます。

また、角をベベルするとちょうどよくハイライトになったりもします。

LIneArtで輪郭線も加えてみました。

 

できた。

フォトリアルでなくイラスト調のガラス表現はなかなか見つからなかったのですが、やはりイラストは光モノがあってなんぼなところがあるので今後使っていきたいです。

初心者が魅力的な絵をまず完成させるためのマトリクス

初心者です。立派な画集も有名な作品もなんもない、ただ普通に描きたいものを描きたいだけのおばちゃんが最短で描きたいものに近づく方策を考えた。楽するための努力なら惜しまないぜ!

 

魅力を分解する

まず、魅力的な絵を分解して5つのパラメータに分けました。

とにかく増やす。それだけでちょっと楽しい。

ランダムさ

形や大きさや配列を乱す。もうだいぶ楽しい。

複雑さ

形にこだわる。かっこよくなった!

色数

カラフルは正義

線画

力強い境界線。痺れる。

 

この5つのうち2つくらいを頑張れば良き絵になります(※おばちゃん調べ)

全部がんばる必要はありません。むしろ全部がんばるとごちゃごちゃしすぎて逆にぼんやりする。

 

方向性を決める

5つのパラメータのうちどれをがんばるのかは描きたい絵の方向性によって違います。しかしこれらのパラメータには難易度があるので初心者は難易度低めなところをがんばると楽しい。

つまり、「色数」「線画」をがんばる。

 

よっておばちゃんは最近もっぱらヴィネットばかり描いています。そしたら気づいたらいつのまにか「数」「ランダムさ」などもだんだんできるようになってきてうれしい。

 

 

具体的にやってみます。

 

スタート

だいたいの方向性を決めます。pinterestなどみつつぼんやり考えます。一番楽しい時間です。pinterestを見る時は描きたいもの好きなものだけでなく、これなら描けそうと思えるものも探すと目標になってよき。

今回は魔女の机を描きたくなりました。

ここはできるだけがんばらず最低限にするのが初心者のコツ。

魔女の机にあるもので、私にも描けそうなものということで「キノコの標本」と「レトロな本」の2つだけに絞りました。これだけだと不安しか感じませんがここから何とかしていきます。

ランダムさ

どこに何を配置するか、構図を考えます。

ここもなるべく最小限に。

かつ、意図を持ってランダムにさせる。絵のうまい人がいう「適当に」は技術に裏打ちされた理論があります。やつらはそれを本能でこなしますが我々初心者はちゃんと考えると良くなります。

 

複雑さ

キノコをがんばった!

本とガラスも多少がんばった。

アイテムを足したり増やしたりしたくなるけど収集がつかなくなるのでここまでにしておく。

色数

一番のがんばり所。

塗りは難しそうですが1度自分ルールを決めてしまえばあとはひたすら手順通りにするだけ。blenderだったら塗る必要すらなく1つのマテリアルを適応するだけ。

まず、明暗(白黒)を整えます。この時点で絵の意図が伝わるように考えます。

 


次に明暗を塗ります。

Blenderだったらここで茟ムラや凸凹をノーマルマップで乗せます。

クリスタならカスタムブラシで筆ムラを作ります。

 

そしたら固有色をオーバレイします。

ここでも意図を考えつつ色を決めます。



最後に光の色を変えます。

屋外なら黄青、室内なら黄茶など、画風によってお好みで。

また、反射光や透過光やsssなどを設定することもあります。

でも今回はミニチュア風ヴィネットなので何も加工せずに普通に白黒の影です。

 

 

線画

色でだいぶ頑張ったので線画はシンプルにしました。

色塗りでは手を入れなかった開いた本のページは線画でややがんばりました。

 

 



だいぶかわいい絵になった!

こんな感じでいろいろ描いて行きたいです。

 

 

 

使用ツールについて・blenderでのやり方について

最後に補足です。

こちらの絵はblender3で作っています。なぜかというとおばちゃんの画力はこんなだからです。パースとかさっぱり分からない



blenderでイラスト調のマテリアルを作る方法もいろいろまとめています。

イラストを描くことを考慮して、リアルタイムで、クリスタ感覚で使えるように工夫しています。

suisenkakimono.hatenadiary.com

 

 

suisenkakimono.hatenadiary.com

 

suisenkakimono.hatenadiary.com

 

 

 

 

背景の色と環境色を分離する方法blender

blenderでHDRI画像を使って背景を設定するのですが、イラストなどだと、空はもう少し明るい方がいいけど影はもっと濃くしたいということがあるのでやりかたメモ

 

たとえば空を普通にHDRLなどで設定すると、全体的に明るすぎて白飛びします。

 

次に、普通にHDRI画像の明るさを下げてみます。

影はこれくらいがいいけど空が暗い。ままならねぇ…

背景とオブジェクトを別にしてコンポジットまたはクリスタなどで後から編集してもいいけどできればeeveeでリアルタイムに編集したい。

影の色設定用のshaderと、空の色設定用のshaderを用意。

lightPathでmix

 

 

 

これでお好みの背景とお好みの影を合成できるようになった!

 

印象的な絵を描くぞい【初心者の道のりを記す】

最近はデッサンや遠近法や陰影やなんか諸々を、かがくのちからで解決している。

 






 

 

3Dならどんな複雑なイラストでも難しい構図でも自由自在。そう、blenderならね!(`・ω・´)キリッ

つまり自分の構図力やデッサン力や遠近法力に縛られず誰でも頭の中のイメージを形にでき

でき…

で……き…

 

できなかったorz



 

理論的に正しい形や正しい色は作れるけど「イラスト」にならない。センスが壊滅的に足りない。能力はツールで補えるけどセンスは補えないという絶望的な事実が分かってしまった

 

ので、エモい絵を理論的に分析して描けるようになりたい。

 

人間がエモさを感じる要因

  • 構図 
  • 明暗

 

な気がする。とりあえずこの3つを考える。

構図は先人が作ってくれた鉄板構図を流用することにすればとりあえずは解決。

色は、基本白黒にして目立たせたいところ1点だけ差し色を入れればとりあえずはよいと思う。

となると問題は明暗をどう作るか、なのでは。たぶんおばちゃんはここでつまづいている。

 

さっきのblenderで作ってみたやつをグレースケールにしてみる



全体にぼんやりグレーで輪郭が分かりにくい。やっぱり明暗でつまづいているっぽい。

 

 

よしやってみよう

 

いったんシンプルに郵便ポストだけの構図にした。

まず背景用にでかい球で全体を覆いました。この球のマテリアルをいじれば紙の材質を作れます。

 

 

光源を設定

すでにここでだいぶ悩む。

太陽だったり電灯だったり、光源の位置や色によって時間や季節や場所が決まる。ポストだけしか描かないのに季節や周りのものも決めないといけない。

 

いったん、秋の夕焼けという設定でライトを考えてみた。

 

秋の夕焼けなので影が長い



ライトの色は赤や黄色系の夕焼け色

eeveeでレンダリングしているので、ライトの色を変えても影の色が変わりませんがここは後で加工するので保留。

 

 

 

なんかいける気がする!

 

固有色を設定してみた。

ポストは赤、地面はアスファルトのグレー

なるべく透明水彩絵の具セットにありそうな色を塗ってみた。赤はカドミウムレッドで、アスファルトはあとでやるのでとりあえずグレー。



 

次は質感と筆跡を考えた。

透明水彩風にしてみようということで、リアルな質感というよりは筆のタッチを優先してみる。

 

ポストは筆跡の表現のためにnormalにnoisetextureを設定しただけ。





アスファルトは少し複雑です。

白い紙に透明水彩で影だけ塗る、という設定なので、color rampでマスク用の白黒画像を作成

 

こんなふうに繋げれば、影の部分だけに好きな色を設定できます。

分かりやすいように影の色を緑にしましたが、実際にはオレンジの反対色である青にします。

 

とりあえずできた。


ためしにグレースケールにしてみる

 

だいぶ整理されて、絵の魅力が多少出てきた気がする。

 

 

やはり絵は誰かが意図を持って描くわけなので、作者の伝えたいことを伝えるための色であり構図であり無駄な要素があってはいけないのだな。

今回の絵は「ポストの形」「ポストの赤が鮮やか」「秋の影が長い」「秋の夕焼けのオレンジ」を伝えたいのだと思う。なのでこの4つを引き立てるように加筆していく。漫然と手を入れるのではなく、こういう『意図』や『目的』があるのが大事なのでは。だいはっけん!!

 

 

 

「秋のオレンジの夕焼け」を表現

すでにライトの色と形で表現していますが、影でもこれを表現していきたい。

ポストの影の色をオレンジの反対色である青系に。

eeveeでレンダリングしているので、影の色を変えるときにはshader to rbg を使います。

さらに、夕日の当たっているところはオレンジに

colorRampの左端だけに色が集中してしまいました。重なってて若干操作がしにくい。この辺を操作しやすくするならハーフランバートとかすればよいのだと思うけど今回はこのままいきます。

ポストの輪郭線はお手軽にlineArtで出しました。

 

地面の影は、normalmapにテクスチャを設定してアスファルトの質感を出した。

影を青と黄色のマダラにしました。微妙に見えるかみえないかくらいのマダラです。

 

ノードはこんな。

普通にprinciple shaderに色を設定しただけ。

 

 

 

 

 

 

 

「ポストの形」

レトロなポストは基本は円柱だけど案外凸凹してる。ハイライトを入れることで形を強調。

まず、ハイライト用のライトの設定はspeculaだけ1で他は0に設定

先ほどのハイライト用のライトを反映させるため、specula shaderを作ります。

黄色くしたところがハイライトです。

 

あとはこれをミックスカラーで合成

 

 

できた!!



ポストしか描いてないのに空気感が出てる!すごい!!!

 

一番最初の、いかにも3Dですよというのと比べると成長度合いが分かる