信州生坂村「山紫水明 食と文化癒しの郷!」

山清路、大城・京ヶ倉等の自然。赤地蔵、百体観音等の伝統。おやき、おにかけ等の食文化を持つ生坂村!

小舟柿組合の視察研修&生坂ダム湖の風景

2020年11月21日 | 生坂村の報告
 21日(土)は雲一つない快晴で、空気もカラッとして秋らしい体感の一日でした。
 午前8時頃生坂村を出発して我が小舟柿組合の視察研修が始まりました。今回は山村活性化対策事業の一環として、我々組合員12名と松本農業農村支援センターの中村さんと事務局の松本君に同行していただき行いました。
 最初に、一般社団法人月誉平栗の里に行き、代表理事会長の城田多加雄さんと総務部長の下島芳幸さんに月誉平生産組合の取り組みなどについて説明していただきました。


 月誉平地区では、戦前に開墾した畑地を中心に荒廃化が顕著になり、地域の課題となっていたところ、地区の農家が町営農センターや地元営農組合・生産法人等と検討を重ね、耕作放棄地を栗畑へ再生する方針が決定され、地区の地権者全員参加による組織を設立し、効率的な農地利用と農業経営を行うこにしました。


 組織は平成23年5月に法人化されましたが、法人化にあたっては、出資率を地元35%、(株)信州里の菓工房65%とし、企業から出資を受けても、出資農家が1人1票の議決権を持つよう配慮し、農家主導のもと町及び企業と上手く連携してきました。
 経営内容は、栗 7.4ha(月誉平4.7ha・近隣農地2.7ha)(作業受託含む)、水稲 2.2ha、そば 0.6ha、大豆 0.6ha、桜葉 5a、水田草刈り作業受託(水田面積で約4ha)でした。


 月誉平地区の農地を将来まで守るために、設立時に農地を法人が全て集積することを目標として、全員が参加できるように個人希望は認めながら取り組み、当初は栗を植えたくなかった人も活動や管理状況を見て栗を植えることを承諾されたとのことでした。


 栗は定植後4年目から収穫を開始し、収量増加により収支均衡まで8年かかると経営計画を立て、契約栽培により単価が安定し、価格は市場単価の倍に近い設定となっていて、さらに(株)信州里の菓工房の買い入れ価格は、毎年1kg10円アップしているとのことでした。


 現在10a当たり収量200kgを超えてきましたが、将来は300kg、全体で20トンを目標に取り組んでいますが、10年が経過し高齢化が心配で、関係人数を増やす「仲間づくりが大切」と言われていました。
 その他、栗の種類や栽培管理、出荷及び貯蔵方法なども教えていただき、選果場も組合員の皆さんの手作りで工夫されていました。


 説明後、栗圃場まで徒歩で移動し、距離は500m程度でしたが、勾配がある上り坂を15分ほどかかりました。4haの栗圃場はとても広大で、整然と定植し管理されている栗が見事に並んでいました。




 圃場では、栗の枝を示しながら剪定方法や施肥管理、消毒及び防除などについて、色々と詳しく教えていただきとても勉強になりました。






 お昼は、ふたつのアルプスに囲まれた「道の駅 田切の里」の「そば処たぎり」で新そばをいただきました。田切地区の農家の皆さんでつくる生産者組合がコメや朝採れ新鮮野菜などを出荷し、農産物・特産品販売所や鮮魚も2日に1度仕入れ、肉、酒、日用品も用意してありました。




 ここは、住民の生活の拠点となり、訪れていただいた方々との交流コミュニケーションの場となり、地域活性の場になればとのことでした。




 昼食後は、株式会社田切農産 代表取締役 柴芝勉さんから、株式会社田切農産の農産物栽培及び販売、農作業の受託、農産物出荷などについて説明していただきました。


 田切農産は、午前中視察した月誉平栗の里と田切の里営農組合など飯島町4地区の担い手法人が作業連携し、作業の受託・委託、畦畔の管理、人材の交流などを行って、田切地区の農地集積を進め、作業受託、野菜など導入による多角経営、直売所運営、6次産業化と段階的に活動を推進していました。


 「環境にやさしい農業」を目指し、ミヤマシジミの生息環境の保護ためにコマツナギの植栽を行い、ビオトープも作って環境を守り育てる活動をし、みやましじみ米として販売されていました。


 食用サクラ、白小豆、トウガラシ、トウモロコシ、アスパラ、イタリア野菜、ハロウィンカボチャなど野菜類も多く栽培され、特に白小豆はコンバインなどを使い農作業の省力化を進め、栽培面積を増やして収入増につなげているとのことでした。


 6次産業化の取り組みとして、野菜セット、オリジナル日本酒、唐辛子ビネガーなどを販売され、今年はそばが豊作で、そば焼酎にしようか思案中であり、楽天で販売している石臼挽き田舎蕎麦粉がよく売れているとのことでした。


 農業塾、企業CSRの協力、収穫体験などのイベントを開催し農業を知ってもらうことや、長野県里親制度に登録し研修生を受入し、研修、就農希望者のためのプログラムを用意して、今年は2名の新規就農者を応援しているとのことでした。

 田切農産物直売所は、開設以来10年が経ち過渡期になり、道の駅田切の里もあることから、ワーケーションとしてテレワーク企業の方々が農業塾で学んで30~40aの農業をしっかり取り組んでいただき、移住につながっていくような取り組みを検討しているとのことでした。

 次は、月誉平栗の里が栗を収めている「信州里の菓工房」に寄りました。ここは、町が誘致した県外の栗菓子企業との連携により、平成20年に建設され、そのコンセプトは、「地域の素材を地域の人が地域で加工し、地域のお客様に喜んでいただく」という発想が原点とのことでした。






 地域素材を使った「安心・安全な商品」を提供し、地域のお客様に満足していただくことで、その喜びが人から人に伝わり、生産者から消費者まですべての方が喜べる仕組みづくりを理想としていると言われるように、多くのお客様で賑わっていました。






 最後は、平成6年にスタートした民間経営の農産物直売所グリーンファームに寄り、前にも視察したことがありましたが、昨年1月にリニューアルオープンして、とても綺麗になっていました。




 地域の農家の「規格外の農産物を現金化できないか」という思いから始まった小規模な店舗でしたが、“生産者の会”会員は現在2,000人を越え、従業員は65名、年間来店者数70万人の直売所に成長したとのことでした。


 本日は何かとお忙しい中、一般社団法人月誉平栗の里と株式会社田切農産の皆さんには、我々の視察研修にご対応いただき感謝申し上げます。また、松本農業農村支援センターの中村さんと事務局の松本君には、今回の視察研修を企画していただき、天候にも恵まれ有意義な視察研修になりましたことに御礼を申し上げます。



▽ 毎朝恒例の写真は、視察前に急いで撮影しました生坂ダム湖の風景です。

生坂ダム湖の風景





 その他生坂村では、中学生が新人体育大会(中南信・バトミントン)、道の駅いくさかの郷特産市、絵手紙教室、地域未来塾、少年少女サッカー教室、少年少女バドミントン教室、少年少女バレーボール教室、体育協会バドミントン部練習などが行われました。

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