ペットOKのお墓を増やすより、お墓に執着しない人を増やそう

時事ネタ
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最近急増中の、ペットと一緒に入れるお墓。

寺院や宗派によっては断固NGだったこのテーマ、ついに浄土宗さんが公式にOKをアナウンスしました。これは「宗派として全面的に認めるよ!」というお触れです。

2019/7/8 NHKニュースおはよう日本 仏の教えは? 浄土宗で始まった議論(リンク切れ 2020/2/15)

 

よくよく教義を見直してみたら、やっぱりOKだったそうです。

 

 

・・って、いまさらですか。とんだ茶番です。

いや、今までのほうが茶番だったのかな?

 

葬式やお墓の欺瞞がバレてきたから、新しいお墓ビジネスをやりたい!

と正直に言えば、まだ清々しかったのに。

今になって立場を変えた背景

単にお金でしょうね。

衆生(一般ピーポーや全ての生物たち)を救うためではなく。

 

冒頭の参考URLより引用

先月(6月)、研究発表を行う学会が開かれ、全国の浄土宗の僧侶が集まりました。
~中略~ 動物も極楽浄土へ行けるため、人間と同じ墓に入っても問題はないという結果を伝えました。浄土宗では今後、ペットを同じ墓に入れたいという問い合わせがあった場合、「仏の教えに反することはない」と答える方針です。

 

だいたい、動物がヒトと同じ墓に入ったからといって、何の問題があるというのでしょうか?

縄文人だって犬と一緒にお墓に入っていたというのに。彼らは成仏しないとでも?

 

一般人が「え?動物と一緒のお墓なの?」抵抗感を持つのはともかく、プロの宗教家がなぜそんな話にこだわってるの?そういう誤解を解くのが役目じゃないの?

 

ヒトとペットの違いなんて、魂(あるとすれば)はともかく、肉体の材料はヒトも動物も全く同じです。遺骨、お墓の石材だって移りゆく物質に過ぎません。

なぜそれを特別視する、いやさせてきたのでしょうか?高額で葬儀や墓を売りつけようと洗脳するのでしょうか?そういう誤解を解くのが役目じゃないの?

 

ペットがお墓同伴OKなら、ペットと家畜の違いも説明して

その次は家畜と野生動物、動物と植物、生物と非生物、生命と非生命、、。

そこまで丁寧にアナウンスしてほしいです。生命とは何か?について智慧がある(と見なされている)からこそ、宗教家は葬儀を任されているのですから。ペットもいいよー、だけでは適当すぎです。

例えそれが証明できない事柄であっても、万人が納得できない内容でも、宗教家はそれを表現しなくては。

 

そもそも仏教の基礎では、

仏の教えとは、あらゆるものは空(実体がなく流転し続けるもの)だよ!

ではなかったのでしょうか?

葬儀やお墓ではなくて、そのつながりの中に生きていることを(縁起)を意識してごらん?

それが仏教の本質であり、弔いにも応用できる英知ではなかったのでしょうか?

 

 

他にも宗教家として応えるべき、難しいテーマはたくさんあります。

脳死は人の死か?とか、中絶に関する意見とか、出生前診断の活用法とか。

諸外国がそうであるように、宗教戦争になってしまうのは考えものですが、健全な議論さえしないまま放置なのはもっとヤバイです。宗教家として何かしてほしいです。

 

なのに「ペットOKのお墓を認めるよ!」って?・・・なんでそこだけなんだよ。

ペットブームに便乗した金儲けが目的と、隠す気もないのでしょうか?

 

母なる海による弔いを見習おう

近年は散骨を選ぶ方も増え、母なる海は無料の共同墓地として大人気です。

海はどんな生物の死であっても、別け隔てなく受け入れてくれるから。ヒトだろうが、ペットの猫だろうが、野生動物だろうが、海は一切差別をしません。

漏れ出した重油だろうが、溺れた人間だろうが、汚染水だろうが、一切をただ呑み込んで、何も要求せず、静かに存在し続けてくれます。

 

そんな海に遺骨を委ねるのが散骨です。こういう自然界の偉大さと比べ、葬式仏教はなんだかなぁ、、。

今の時代にもなって、お墓がペットOKかどうかで議論しているなんて。

 

ちなみに仏教でいう六道輪廻(魂が生まれ変わる仕組みの話)はある種の対機説法(TPOに沿ってわかりやすく言い換えること)であって、字面をガチガチに解釈することではない、という立場だって古くからあります。

宗教家がなんと言おうが、自分で考えて選択する方が増えているのは良いことだと思います。

 

 

遺伝子の研究の進展と比べ、なんとお粗末な生命観か

ゲノム編集やら万能細胞の研究がすすみ、ヒトとその他の生物の違いが(大して無いと)どんどん明らかになっているのに、遺伝子単位で操作できる範囲が増えているのに、、、

葬儀文化はなにをやっているのやら。100年は遅れている印象です。

2019/10/5 山中伸弥が「人類は滅ぶ可能性がある」とつぶやいた「本当のワケ」 生命科学の危険性とは何か?

 

 

ヒトはそんなに特別な存在ではありません。自惚れてるだけです。

動物たちはお墓などなくても平気なのに、人間サマは高額な葬儀をしないとダメなのでしょうか?ヒトにしても動物にしても、お墓の有無で死後の状態が左右されるほど、ヤワな存在ではありません。本質は別にあります。

 

それにヒトだっていつかは滅びる運命だ、と考えたほうが自然ではないでしょうか?かつて無敵だった恐竜が滅びたように。

山中伸弥:僕たち人類は、1000年後、1万年後も、この地球に存在する生物の王として君臨していると思いがちですが、自明ではありません。1万年後、私たちとは全然違う生物が、地球を支配していても不思議ではありません。しかも、自然にそうなるのではなく、人間が自らそういう生物を生み出すかもしれません。

記事より引用

 

なんとスケールの大きな話でしょうか。

「ペットと一緒に入れるお墓OK!」と比べると、つい笑ってしまいます。

 

どうして諸行無常がベースにある仏教が、現代ではこの有様なのでしょうか。

人類が滅びるのは、まだまだ先だと願います。しかし、葬式仏教が滅びるのは時間の問題である上、それが望ましいのかもしれません。

 

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Foto-RabeによるPixabayからの画像

Simon MatzingerによるPixabayからの画像

 

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