コロナで分かる日本の現状と対策(2)情報の伝え方

コロナ禍について
色々考えたことを書いている。
今回は情報の伝え方について。

1.情報を伝える際の最低限の基準
ファクトベースが基本ではないか、と思う。
具体的な数値、日時、これをまず明らかにすべき。
はっきり言って、
”現場を理解している”専門家以外の意見はいらない。

2.感染者数の情報伝達
PCR検査キャパシティが小さく、
なかなか改善されないという批判
がメディアにあふれている。
ここで正確に伝えるべきは、
・PCR検査のプロセス
・PCR検査の工数/人
・PCR検査に必要な技能等
・現在のPCR検査実施可能者数
・PCR検査のコスト
などであろうか・・・
これらが具体的に示されていなければ
検査キャパの改善ができない理由が
明確に伝わらず、感情的な意見ばかりになる。
メディア、特にテレビは毎日膨大な時間を
つかって情報伝達しているが、
こうした情報を正確に発信しているとは思えない。
そして、PCR検査にしても抗体検査にしても
少なくともモデルとする一つの地域全体に
実施しなければ(全国は物理的に無理なのは理解できる)
いくら感染者数を発表しても全体像が把握できない。

3.恣意的なことの排除
ファクトを正確に伝えることを
恣意的なことでぼやかしていることは明白。
その証拠が政府にしても専門家会議にしても
具体的な数値、根拠、確証を示さずに
ぼやけた情報発信ばかりしていることだ。

4.確固たる信念や方針の必要性
こうしたものがベースに無いと
情報発信の仕方や目的がぶれる。

先日、山梨の女性の事例をメディアが
一斉に報じた。それは当然と思う。
何故なら、自分が感染している確信が
ある程度ありながら、人に感染させる行為、
公共機関に嘘をついたからだ。
但し、確固たる信念や方針があれば
こうした情報に基づいて発信すべき情報は
間違いなくあってしかるべきだが、
行政にしても、政府にしても、メディアにしても
全くなっていないと思う。
更に、
こうした自分勝手な人を擁護するメディアまで。
これには本当にがっかりした。
こうした社会の矛盾に対する怒りが
ネットで爆発したのだと思う。

ではどうすべきだったのか。
これはとても簡単なことだ。
感染を抑えようと国民と政府、行政、
そして医療従事者達が必死になっている。
自分の感染が疑われるときは、
・人に会わないようにしてください
・公共交通機関を使わないでください
・他人がいるところに行かないでください
・自分以外の人に感染させないでください
これをメディア、政府、行政などが
一斉に何度も繰り返して言うべきではないのか。
ファクトを伝えることは重要だが、
こうしたケースこそ、確固たる信念や方針に
基づく意見やメッセージを出すべきだろう。
「感染したことに罪はありません」といった
山梨のメッセージには心底がっかりした。
誰もそんなことは言ってないし、思っていない。

自分勝手なことをした人を責めるのは、
国民に対して分かり易い
「自分以外の人を感染させないようにしましょう」
「そのための最低限のルールはこうです」
といったメッセージを明確に繰り返し発信
しなかったことも要因だったのではと思う。

ただ、この問題が大きく取り上げられたおかげで
おそらく、自分勝手な人達は、「気を付けよう」
と思ったに違いない。それを切に願う。

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