百田尚樹の囲碁歴史小説「幻庵」の感想と、これでもかと楽しみ尽くす方法

こんにちはー。くまぽろです。

囲碁を題材にした小説は数少ないですが、
百田尚樹さんの「幻庵
ここ最近では一番有名なのではないでしょうか。

今回は、本の簡単な紹介とあらすじ、
そしてさらに囲碁が打てるからこそできる
楽しみ尽くす方法をご紹介します♪
 
 

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「幻庵」百田尚樹

幻庵 上
著:百田尚樹(ひゃくた なおき)

「古今無双の最強の名人になる」――江戸時代後期、そんな破天荒な夢を持ち、ひたすら努力を続ける少年がいた。
その少年こそ、文化文政から幕末にかけて当時の碁打ちたちを恐れさせた一代の風雲児「幻庵因碩」である。
少年に天賦の才を見出し、夢の実現を託す義父の服部因淑。少年とともに闘いながら成長していく、本因坊丈和。
そして、綺羅星の如くあらわれた俊秀たち。
彼らは、碁界最高権威「名人碁所」の座をめぐって、盤上で、時には盤外で権謀術数を駆使しながら、命懸けの激しい勝負を繰り広げた。
ーAmazonより引用

ちなみに、読み方は「げんなん」です。

読み始めるまではずっと
「げんあん」だと思ってました…
 
 
この物語の主人公は、井上家の幻庵因碩(げんなんいんせき)。

江戸時代には幕府から認められた囲碁の家元は、
本因坊家、安井家、井上家、林家の4つありました。

この家元同士で、囲碁界の頂点に君臨する
名人碁所(めいじんごどころ)という地位をかけて
死にもの狂いで争っていたわけです。

名人は
「他の打ち手すべてを隔絶する圧倒的な力を持った者」

とされていたため、
名人不在の期間もたびたびありました。

260年の間になんと名人は8人だけ。

現在、囲碁のプロの世界では
タイトルホルダーが不在になるということはありえないので、
江戸時代の名人はそれ以上に厳しい条件です。
 
 
「幻庵」では、
この名人位に就くために
碁打ちたちが命や名誉をかけて戦うさまが描かれます。

この戦いはどうなるんだ!とハラハラしたり、
命を懸けても打つという気合いに思わず涙してしまったり。

その一局に、その一手にこめられた思いが激しく、
否応無く心が動かされます。
 
 
ちなみに、囲碁を知らない人でも読めるように
用語などの説明は話中でちょこちょこ出てきます。

ただ、わたし自身はすでに囲碁が打てる身なので、
囲碁を打てない人でも読んでおもしろいのかは
正直判断できませんでしたが、

Amazonのレビューを見ていると
「囲碁が打てなくても、ドキドキして読んでしまう」
などの感想がありました〜(・ω・)b
 
 

あらすじ

時は文化元年(1804年)。

服部因淑(はっとり いんしゅく)は
吉之助(きちのすけ)という幼い子を弟子にとった。

因淑は、4つの家元の碁打ちではないものの、
壮年期は家元の高弟相手に互角以上の戦いを演じ、
鬼因徹(おにいんてつ)」という名で恐れられた打ち手である。
(因徹は因淑の若いときの名前)

因淑は吉之助に、
碁で頂点を極めるために
必要な天分である「ヨミ」の力を見出した。

吉之助がこの物語の主人公、
のちの井上幻庵因碩である。

成長とともに
恐ろしいまでの「ヨミ」の力をつけた吉之助は、
「史上最強の名人になる」という
強い思いを秘めていた。

彼の前に立ちはだかる数多くの天才たち、
その中でも生涯のライバルとなる
本因坊丈和(ほんいんぼう じょうわ)。

名人位を懸けた壮絶な戦いが、いまはじまる…!
 
 

本因坊秀策も出てくる!「耳赤」の対局

「ヒカルの碁」で囲碁をはじめた人にとっては、
江戸時代の天才棋士と言えば
本因坊秀策(ほんいんぼう しゅうさく)。

彼も後半に少しだけですが、登場します。

囲碁好きの方なら
耳赤の一手」というのを
一度は聞いたことがあるかもしれません。

本因坊秀策の打った手が予想外の妙手だったために、
それを見た対局相手が耳まで真っ赤になった、
と言われている一手です。

実はその相手というのが幻庵なんです。

わたしはほんとに「耳赤の一手」という
名前しか知らなかったので、
読んで初めて知りました。笑

数えで秀策が18歳、
幻庵因碩が50歳のときの対局です。

秀策のほうが一世代後の人なんですね〜。
 
 

囲碁ファンならではの楽しみ方

さてさて、最後に
「幻庵」を普通に読むだけじゃなく
さらに楽しみ尽くしちゃう方法をご紹介していきます。

棋譜を探して気になる対局を並べよう

碁打ちならではの楽しみ方と言えば、
そう、話の中で出てくる対局、
並べたくないですか?

幻庵の中では数多くの対局が出てきます。

中には実際の局面図が載っていたりもしつつ、
その局の戦いの流れが語られるのですが、
どうせなら実際に棋譜を見てみたいですよね?
 
 
友達でそれをやっている人がいて
教えてもらったのですが、

SmartGo Kifuという有料のiOSアプリ
江戸時代の古碁の棋譜がたくさん入っていて、
実際に幻庵に出てくる対局を
並べることができちゃう
んです!

対局者の名前で検索をかけて、
あとは対局相手、年代などでしぼっていけば
けっこう見つかります。


↑幻庵に出てくる局面図


↑同じ対局。対局者名と年代からだいたい見つかる

※Hattori Rittetsu=服部立徹。井上幻庵因碩の若いころの名前
※Kadono Jowa=葛野丈和。本因坊丈和の若いころの名前

 
 
主人公の幻庵因碩は、特に若いころ、
中終盤に気が抜けて
ポカをしてしまうという傾向があったんですが、

棋譜を見ていると
実際にすさまじい打ちまわしで
相手の勢力の中を荒らしまくったのに、

その後で、わたしでも気づけるような
しょーもないミスで負けたりしていたりして、
すごく親近感が湧きました。笑
 
 
SmartGo KifuはiOSしかアプリがないのが
悲しいところですが、
興味のある方はぜひ検討してみてください〜。

ちなみに、お値段は2400円(2019年5月現在)。
アプリにしては高めですが、

・ふだんの棋譜もとれる
・いろんな棋譜が見れる

と、長く使い続けられるので
じゅうぶん元はとれると思います〜。
 
 

まとめ

  • 幻庵」は百田尚樹さんの囲碁歴史小説
  • 主人公は井上幻庵因碩
  • 名人位を懸けた熾烈な争いがとてもよく描かれている
  • あの本因坊秀策の耳赤の一局も
  • SmartGo KifuというiOSアプリで、話中の対局の棋譜が見れる

今までは古碁のことまったく知りませんでしたが、
「幻庵」を読んで
名前しか知らなかった歴史上の棋士について

「あぁ、そういう思いを持った人だったんだ」
「こういう棋風だったのかぁ」

とイメージすることができて
ぐっと興味が湧きました。

今後、古碁もいろいろ並べてみたいなぁ。

ではでは、今日はこのへんで。