うっかり忘れていた、というよりは無意識に避けていたのかもしれない。
歯磨き粉みたいな味を食品、飲料として好まれる方はそう多くないだろう。
(いちご味やメロン味なら子供の頃に食べた人もいるか?)
しかしながら味覚の経験値取得による許容範囲の広がりは恐ろしく、そうした味わいすらも「味」として楽しめるのだからお酒ってすごいと思うわけ。
初めて飲んだウイスキーってまったくおいしく感じられなかったものである。
『パスティス ダンタン』 45度 3000円程度 フランス産
パスティス~ニガヨモギを使用して製造されるリキュール、アブサンの代替品。
1915年にフランスでアブサンの製造・流通・販売が禁止され、1932年にポール・リカールによって「リカール」(パスティス)が生み出された。
パスティスは、似せる、まがい物という意味があるらしいが、その名称が一つのカテゴリーとして定着しているというのは、このパスティスやアブサンというお酒が、いかに現地で求められていたのであろうか。
今回紹介するこのパスティス『ダンタン』はフランスのロワール地方産。
カンゾウ クローヴ ナツメグ ヤグルマ草 ペッパーを原料として砂糖は一切使用していないとのこと。
分類はリキュールでエキス分は0.04%。
さっそく開栓~からのコルク折れ、はいいとして。
思ったより香りが強くない。
ショットグラスに注いで嗅ぐと少しツンとしたハーブの香り。
精油でいうとフェンネルのような渋みのある甘い香り。
味は悪く言ってしまえば歯磨き粉風なのだが、ハーブの香りをそのまま味にしたらこうなるんだという感想を受けると同時に、味がそこまで強くなく意外と飲みやすい。
砂糖を使ってないためかダレない甘さが薄い苦味とともにじわっと舌に残って心地よい。
アルコール感や飲みにくさの要素があまりない。(味自体は好みが分かれると思う)
パスティス経験値が低すぎる私が言うのも何だが、これらの香草系リキュールの入りとしては良い物じゃなかろうか。
メジャーなやつに『シャルトリューズ』があるが、甘さ欲しているならそっちでそうじゃないならこっちみたいな。
ま~た楽しみが増えたなあ、と苦笑いする。