身近で遠いお酒、焼酎。
超個人的意見だが、焼酎ほど良く分からない要素を多く持つお酒は他にないだろうとさえ思う。(日本人にとって)
ざっと日頃の焼酎ライフを振り返って考えてみる。
一つ、価格帯が安価なのに若者向けっぽくない味とラベル。
一つ、焼酎の生産量や蔵元が多い地域でさえ、地元民が地元銘柄をほとんどしらない。
(霧島などの全国区レベルのものは除く)
一つ、日本を代表する蒸留酒だが大体が25度であり、他国の有名酒類(蒸留酒)より度数がかなり低い。
同じく国産酒である日本酒を考えた場合、ほぼ門外漢である私ですらも、日本酒は近年におけるブランド戦略やプレミア化が進んでいると感じられる。
まあ、醸造酒と蒸留酒の違いというか、度数がかなり違うので単純に飲みやすさそのものや甘みが違うわけなので同じ売り方はできないのは分かるけども。
焼酎に関してはごく一部の銘柄にプレ値がついているものの、よくも悪くもそう有難がってのむお酒じゃない立ち位置に落ち着いていると思う。
と、かなりまだるっこしい書き方をしてきたが、実は私も焼酎が苦手だった。
居酒屋にふらっと一人で行くことを覚えてから焼酎を飲み始めたが、焼酎の後味がそこまで好きになれなかった。
そのうちに洋酒と出会い、洋酒の旨さの方向性のほうに惹かれ、焼酎とは一時期距離をとっていたのである。
ただそんななかでも度数が高い焼酎原酒などを飲むうちに、焼酎も面白いなと感じるようになってきており、25度の焼酎においても日頃40度オーバーのお酒を飲む私からしては、度数の話だけでいえばカワイイ存在になっていた。
度数になれているので、余裕をもって焼酎を飲むことができるようになった、そんな感じだろうか。
『青鹿毛』 25度 1300円程度/720ml 宮崎県都城市 柳田酒造合名会社
初めて飲んだのは二年前だが、今なお美味しいと思う麦焼酎、『青鹿毛』。
味わいとアフターフレーバーがむぎむぎしい(そんな言葉あるのか?)、焼酎だからこそ味わえる味。
焼酎が持つ後味の苦味はもちろんあるのだが、最初にやってくる優しい甘さをめくって個性のある味わいがぐんぐんでてくる。
多分、焼酎の中でも強い味わいの方だと思うのだが、洋酒の度数や味に慣れているせいか落ち着いて味わうことができるのである。
わたしのイチオシ焼酎というよりも、わたしのイチオシお酒である。