書道について考えていると時々何かを思いつくので、すぐにぱっとメモする癖をつけています。

 

 

 

それをまとめるにはブログが一番便利ですね。

 

 

 

さて、今回思いついたのは、売れたり人気があったりするものって五感に訴えかけるものが多いような気がします。いかに人の感覚を揺さぶることができたかが勝負の鍵になるわけです。

 

 

 

例えばラーメン屋を例に取ってみると

1.視覚・・・彩りや盛り付けなど美味しそうか

2.触覚・・・歯ごたえが良いかのど越しがよいかなど食べた感じ

3.嗅覚・・・美味しそうな匂い

4.味覚・・・言うまでもなく美味いか不味いか

5.聴覚・・・麺をすする音が好きな人、なんてのはいないでしょうからこれはナシ

6.第六感・・・これは店の雰囲気とか、店員の対応とか、要するに自分の感性に合うか合わないか。好きか嫌いかとしておきます。

 

 

 

こう考えるとラーメン屋は5.の聴覚を除くすべての感覚に訴える事ができるため、経営課題として具体的に対策を考えるのは容易とも言えます。(まぁ経営って容易ではないとだけは言っときますが)

 

 

 

次に書道についてですが、大半の人が当てはまると考えるのは

 

 

1.視覚・・・美しいか美しくないか、あとは表装とか墨とかその他の部分がキレイか

2.触覚・・・書いた感覚や墨を磨る行為か?

3.第六感・・・なんとなく好き、なんとなく嫌い、私は良いと思う、私は悪いと思う

 

 

 

 

この三種類しか当てはまるものが無いと思うのです。

 

 

 

この部分について先ほどすごい考えていました。そして私なりの考えを述べてみます。

まず、主に三種しか当てはまるものが無いと思われますが、僕は二つ増やせると思ってます。

 

 

 

・嗅覚 ・聴覚

 

 

 

です。

嗅覚は当然良い匂いのするものが必要ですが、あるじゃないですか!良い匂いの物。

 

 

 

 

です。

 

 

 

まず、ご存知ない方対象に説明しますと、磨る墨には香料が混ぜられています。高級品になればなるほど良い香料が使われており、その香りは無我の境地へ誘うと言われています。禅の精神に似てますね。

 

ところが、磨る墨を使う方でも「墨は臭い」と思われている方がいます。もちろん「臭いものは臭い」です。固める成分である膠は元々臭いものですし、あとは最近よくありがちな人工香料を使用しているためだと考えられます。

 

現在生産されているもので良い香りのする墨には、龍脳(クスノキから精製される成分)、梅花香、じゃこう(シベリヤ地方、その他に住む鹿の生殖器に当たる部分。超高級品)が主に使われています。

 

 

今よりもっと昔に作られた墨はさらに数種類の香料が使われており、日本人の「香り」に対しての研究は相当なものだったのでしょう。今は経費の削減もあると思いますが、本当に良い香りの墨を使う機会に恵まれないのは非常に残念です。

 

 

 

 

・・・・実はわたくし、近々この「香り」についての勉強をするためにある場所にお出かけしてまいります。

 

 

 

 

次に聴覚ですが、嗅覚同様良い音がするものが必要ですが、思いつくものは二つあります。

 

 

①墨を磨る時の硯の音

②墨をとぐとき、筆の軸と硯がぶつかる時の音

 

 

 

①はそもそも墨を磨った時に良い音が出るものが限られてしまいますが、墨を磨ると包丁を砥いだ時の様に高い音が聞こえてくるものがあります。一定のリズムを奏でるとなかなか心地よいものがあります。和硯ではまだ発見できていませんが、もうちょい調べてみます。

 

 

②これはイメージが湧かないかもしれませんが、余分な墨を落とす作業をする時、筆を硯の側面に当てて落とすわけですが(これができていない人が非常に多い!!)以前記事にしていましたね。

 

 

ただ、筆の軸に当たるようなことはまず起こりえないと思いますが、僕のおじいちゃんは墨を落とす時、根本に付いた余分な墨を落とすため、筆の軸の部分に当たるようにして引いていたんです。大きい物を手本で書く時、墨液を陶器の容器に入れていたんですが、その時の「カン、カン、カン」という一定したリズムが心地よく耳に残っています。

 

 

 

①にしても②にしても一定のリズムを奏でるというのがどうやら心地よいようです。これは硯を使わなければ両方は奏でられません。良い香りのする墨も硯が無ければ味わうことができません。ここでも僕が大事にしてきた道具を尊重するということの大切さが出ているように思えます。道具を揃えて大切にすることで、初めて五感に訴えかける書道をすることができるということです。

 

 

 

 

さて、②についてもう一つ述べて次の項に移ります。

以前記事にした硯の使い方で、表面の部分で墨をペタペタやって落とすことは間違ったやり方。と申し上げましたが、今回この記事を考えるにあたってもう一つ良くないことがあるのに気づきました。

 

 

 

 

 

それは「所作の美しさ」

 

 

 

 

 

です。

 

表面で墨を落とすためには必然的に小刻みに筆を揺らして、ちょんちょんちょんちょんやるわけですが、僕的にこの所作がどうにも我慢ならない。

 

 

 

 

美しくないんです。

 

 

 

 

現代語で言うと「ダサい」と言ってもいいかもしれません。

 

 

 

 

次はこの所作の美しさも絡んでくる1.視覚について考えていこうと思います。恐らくこの項目が一番考えるべきことが多いはずです。

 

 

 

 

・・・・が、随分長くなったので、2回に分けようと思います!