混声合唱曲「島よ」練習中!

来年の第53回定期演奏会は、令和2年5月24日(日)に開催されますが、先日、選曲委員会があり、4ステージの各ステージの曲は下記に決定しました。

★ 大中恩 混声合唱曲「島よ」
★ ジプシーの歌(ブラームス))<全11曲中8曲>
★ Missa Brevis(Giovanni Pierluigi da PALESTRINA)
★ 混声合唱とピアノのための「中島みゆき」<この中から数曲>
(ステージ順は未定)

演奏曲が決定し目標が定まったことで、これから順次、来年の定期演奏会に向けて練習を重ねていきます。

現在練習しているのは、合唱曲の中でスタンダードと言われている、大中恩の「島よ」で、6曲中残り2曲の譜読みを残すところですが、今回の記事は、この「島よ」を取り上げてみました。

「島よ」の作詩は伊藤海彦氏で、昭和45年(1970年)度文化庁芸術祭参加作品として、ニッポン放送の委嘱により混声合唱版として大中恩氏氏が作曲して、同年度の芸術祭優秀賞を獲得しました。放送初演は、東京混声合唱団、ピアノは三浦洋一氏で、大中恩氏自ら指揮をしたそうです。

「島よ」を発表した当時のヒット曲(ベスト10)を調べてみると、
皆川おさむ『黒ネコのタンゴ』、ザ・ドリフターズ『ドリフのズンドコ節』、藤圭子『圭子の夢は夜ひらく』『女のブルース』、内山田洋とクール・ファイブ『逢わずに愛して』、由紀さおり『手紙』、ヒデとロザンナ『愛は傷つきやすく』、菅原洋一『今日でお別れ』、ショッキング・ブルー『ヴィーナス』、渚ゆう子『京都の恋』。

他にも、ベッツィ&クリス『白い色は恋人の色』、岸洋子『希望』、辺見マリ『経験』、
森山加代子『白い蝶のサンバ』などなど…私にとっては懐かしい曲ばかりです(笑)

また、この曲を発表した昭和45年は、戦後の高度経済成長期の真っ只中で、大阪万博も開催され華やかな反面、日本航空機よど号ハイジャック事件が発生した波乱な年でもありました。

さて、この「島よ」は単一楽章の曲ですが、全体は終止線により大きく6節に分けられています。そして各節をattacca(アタッカ/間に休みを置くことなく連続して演奏される)もしくは音楽的な”間”によって約20分間、緊張の切れ目がないドラマが展開される楽曲となっています。

混声版出版楽譜の前書きで大中氏は、『人間の、特に私達「男」の宿命を全て担っているかのように見える”島”をうたいあげることは難しいことではありましたが、大変書き甲斐もありました。男声合唱にみられるようなたくましさとねばっこさを、混声合唱の持つ巾広さで一層厚いものにし、更にピアノの表現力を以って深く力強いものに仕立てました』と述べています。

実際に、「島よ」の演奏を聴いてみると、骨太で情熱的な曲ですが、高度経済成長時代の勢いを感じる曲だと思います。

そして、「島よ」の詩に注目して、じっくり読んでみると、この詩を書いた伊藤海彦氏が意図するところは、最終曲(節)にある最後の数行に凝縮されているように思います。

『島よ
おまえは わたしではないのか
散り散りの、人という名の
儚い島――
私ではないのか
――島よ』

青い海の中にポツンと“島”があり、それも陸地からも離れていて、他の島々からも隔離されています。そして、ただひとり雨風に耐え、どこへ行くこともできない宿命に絶望しながら、さらに鳥や魚のように自由に飛び回ったり動き回ったりすることも出来ず、海の彼方からやってくる何かを待ちながら1日1日を重ねて行く“島”に、作詞の伊藤海彦氏は自分の姿を投影していたのかも知れません。

ところで最近、有難いことに見学者も増え、新たな入団者(アルト、テナー)もお迎えしました。現在、特にソプラノ、ベースを募集中です。もちろん、アルト、テナーも募集しています。つまり全パート募集中です(笑)

このブログにご縁があって偶然にも読んで頂いた貴方さま、如何でしょうか?

「島よ」を含め来年の定期演奏会で一緒に歌いませんか?
これから入団してもまだまだ間に合います。

随時見学を受け付けています。
先ずは、思い切って見学に来て下さい。

詳しくはこちらをクリックして、お気軽にお問い合わせください。

宜しくお願いいたします。

では、また!

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コメント

  1. 幽民 より:

    「島よ」の紹介、有難うございました。
    そのまんまプログラムの曲目解説に使えますね!
    世の中という大海の荒波に揉まれ、希望と試練を繰り返しながら、ひたすら仕事や物事に頑張る個々の姿を「島」に投影している様が、この曲からは滲み出て来ます。
    歌い込むほどに、どんどん「島よ」の世界にハマりますね。

  2. おいちゃん より:

    幽民さん
    コメントを頂き有難うございます。
    まだ、練習回数が少ないですが、歌えば歌うほど、“味”が出てくるように思えます。
    これから練習を重ねて、本番で“良い味”が出せるように頑張って練習をしていきたいと思います。