お市の方はご近所生まれ⁈ | おおとり駆の城日記

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子供の頃からお城好き 今までに巡ったお城の感想 その他どうでもいい趣味のことなどあれこれ綴っていきます

何度かこのブログでもご紹介させていただきましたが、我が家から徒歩10分のご近所には城山八幡宮(名古屋市千種区)という神社があり、ここにはかつて織田信長の父信秀、弟信勝(信行)の居城であった末森城がありました。

例年のように、このお正月も八幡宮に初詣に行ったところ、驚くことに末森城のご城印と「お市の方」の御朱印が社務所に並んでいるではないですか。




ご城印は最近ではマイナーなお城でも作られているので珍しいことではありませんが、お市の方といえば、織田信長の妹、浅井長政の妻、そして二度目の夫柴田勝家と悲劇的な最期を遂げたことで戦国一の美女としてその名を知られています。

説明書きには「お市の方はこの末森城で生誕された」とはっきり書かれていますが、この神社商魂逞しいのは結構だけど、こんなこと書いて大丈夫かなあという気になりました。


というのは、当時の女性に関しては史料への記述が少なく、お市の方のように有名な女性であっても、その生い立ちなどははっきりわかっていないはずなのです。

天文16年(1547年)頃に織田信秀の五女として誕生したとされていますが、実娘ではなく、養女であったという説もあります。  


お市の方は永禄11年(1568年)頃に近江の浅井長政に嫁ぎます。政略結婚であったものの2人の仲はとても良く、3人の娘が生まれています。それがのちに浅井三姉妹とよばれる「茶々(淀殿・豊臣秀吉側室)」「初(京極高次正室)」「江(徳川秀忠継室)」の3人で美男美女である父と母の容姿を受け継いだ美しい姉妹だったといわれています。
 
元亀元年(1570年)長政は同盟関係であった信長と対立し、姉川の戦いが起こります。そして3年後の天正元年(1573年)には居城の小谷城が落城し、長政は自害。夫を亡くしたお市の方は、3人の娘とともに織田家によって保護されることとなります。
天正10年(1582年)信長が本能寺の変で自害すると、お市の方は三姉妹を連れ、信長の家臣、柴田勝家と再婚することとなりました。 婚儀は、本能寺の変からわずか4ヶ月後に岐阜城で行われたといわれています。

しかし、この新婚生活も長くは続かず翌天正11年(1583年)賤ヶ岳の戦いで羽柴秀吉に勝家が敗れると、お市の方は娘たちを逃がし、越前北ノ庄城で夫とともに自害する道を選びました。


以上が戦国一の美女お市の方の悲劇の生涯といわれているもので、兄・織田信長からは「市が男であればいい武将であっただろう」と言われるほどの賢さも備えていたといわれます。
後世の創作とはされていますが、最初の夫浅井長政が織田信長を裏切った際、お市の方は兄・信長に手紙は怪しまれるので、両端を縛った小豆袋を 陣中見舞いとして送り、兄に挟み撃ちの危機を伝えたという逸話もあります。

また、三女の江(ごう)の娘完子は九条幸家に嫁いで九条道房を生み、その子孫が大正天皇皇后・節子で昭和天皇の母であるため、お市の方は今上天皇の祖先にもなります。 


過去に大河ドラマや映画などでは美しい女優さんが演じてこられました。

1992年 「信長 KING OF ZIPANGU」 鷲尾いさ子さん 
2002年 「利家とまつ~加賀百万石物語~」田中美里さん
2006年 「功名が辻」 大地真央さん
2011年 「江~姫たちの戦国~」 鈴木保奈美さん
2014年 「軍師官兵衛」 内田恭子さん 


2011年の「江~姫たちの戦国」ではお市の方の三女の江(ごう)が主人公であり、上野樹里さんが演じられました。この作品ではお市の方の鈴木保奈美さんの出演シーンも多かったと記憶していますが、個人的には1992年「信長 KING OF ZIPANGU」の鷲尾いさ子さん(仲村トオルさんの奥さんですね)がお市の方のイメージに近かったと思っています。実際お市の方は当時の女性としては背が高かったといわれています


今年の大河ドラマ「麒麟がくる」でも出演シーンはあると思われますが、公式ホームページでは今のところキャストが明らかになっていません。
お市の方のイメージにぴったりな背が高くて、知的な美人というとみなさん誰を思い浮かべますか?



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