FP・簿記・宅建)資格試験の本試験中に「退室」または「一時退室」するとどうなる?

FP2級・FP3級、CFP資格審査試験(不動産)、日商簿記2級、宅建試験など、これまでにいくつかの資格試験を受験してきましたし、今後も受験を続けるもの、これから受験しようと考えているものなどもいくつかあります。

で、これまで受験していた資格試験は「長くても試験時間2時間」だったのですが、今年から受験しようと考えている「行政書士試験」に関してはその試験時間が「3時間」と、非常に長くなっています。

以前その行政書士試験に関して「試験時間3時間に耐えることができるのか?」ということを考えて記事にしたことがありますが、他の資格試験でも同様、体調などの影響でやむなく「途中で(一時)退室をする」ということがないとはいえません。

また、あまり試験対策に時間を割くことができず、あきらかに「これは無理…」という状況でも「さっさとお暇する」という作戦をとりたくなる、ということもあるかもしれません。

では、そのようにして資格試験の本試験中に「途中退室」しなくてはならない状況に遭遇してしまった場合にはどうなってしまうのか?

今回はそのことについて、いくつかの資格試験の場合でその規定をもとに確認していくことにします。

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Contents

FP2級・FP3級(FP技能検定)

まずは、日本FP協会ときんざいが実施する「FP技能検定」の試験中に途中退室をする場合についてです。

FP技能検定ではトイレなどでの途中退室は原則不可、ただしやむを得ない場合には手を挙げて試験監督者の指示に従えとのことです。つまり、試験中にトイレに行きたくなったときには「どうしても」の場合のみ例外的に許可されるということですね。

一方、完全な途中退室に関してはFP2級とFP3級で扱いが異なります。

FP2級・FP3級の試験における退室は、「試験開始後60分経過~終了10分前」の間認められることになっています。ただし、もともと試験時間が60分しかない「FP3級の実技試験」に関しては、途中で退室することができません。

「試験終了10分前」の退室ができないという資格試験は結構あるように思えますが、これはFP技能検定もそうであるようです。おそらく、終了間際にごちゃごちゃするのを防止する目的でしょう。

日商簿記検定

次に日商簿記検定、というか商工会議所が主催する検定試験について確認していきたいと思います。

ちなみに後述しますが、この日商簿記検定に関してはちょっと問題となったことがあるようです。

日商簿記検定では、試験の説明開始後の退室は試験委員の指示に従うこととされており、これには「トイレによる退室も含む」とのことです。

そして、試験中に退室した場合には「再入室することができない」としています。つまり、途中退室をしてしまった場合にはその時点で試験の解答をすることができなくなる、ということになります。

このことに関しては、以前日商簿記検定(1級)を受験されていた方が、試験中トイレに行ったことによりその後の受験を打ち切られ、不合格になったことについてそれはおかしいとして訴えた裁判があったようです。

それに関して地裁の判断は「試験中のトイレで再入室不可は裁量の範囲である」としたようですが、このケース単体で見るとちょっとコレどうなの?って感じではあります。

しかし、ここで訴えられていた東京商工会議所のHPを確認すると、「特別対応」によりその「途中退室の場合には再入室不可」という制限を解除できるようです↓

東京商工会議所HP「特別対応受験について」

今確認できたのは東京商工会議所のみでした。しかも結構手続が大変そうです。ただ、もしこの特別対応が必要な場合、日商簿記に限らず、商工会議所の検定試験を受験する前に、試験を担当する地元の商工会議所に確認しておくべきでしょう。

日商簿記、特に2級の試験は難易度が高いことが度々あり、合格率が安定しません。そのような試験を受験するにあたり、せっかくイケそうな問題に当たったにもかかわらず、そのチャンスを逃してしまうのは非常にもったいないことです。

試験当日の体調を万全にしておくことも重要ですが、やはり持病などによってどうしても退室しなくてはならないことになる可能性がある場合には、しっかりと手続を踏んで必要な措置を受けられるようにしておかなくてはなりません。

宅建試験

宅建試験の受験の案内では、「不正行為防止のため、説明開始後及び試験時間中は退室できない」ということと、「トイレは先に済ませるように」ということの2点が記載されていました。

また、途中退室した場合には棄権または不正受験と見なし「採点しません」ということが、不動産適正取引推進機構のHPに記載されていました。

不動産適正取引推進機構HP「宅建試験のスケジュール」

トイレは先に済ませるよう念を押していることから、極力試験中に退室するような事態になって欲しくはない感がうかがえます。

しかもこの宅建試験、以前資格試験が台風などの災害によって中止となってしまった場合にはどうなるのか?ということについて調べた際にも結構ガチガチの印象でした。

もしかしたら、本当にやむを得ない場合、急病などでの途中退室でも「マジで棄権扱い」にされてしまうかもしれません…というかされてしまうでしょう。

ただ、ネットで流れている情報を見ると、本試験中にトイレに行きたくなって退出した受験者を見たというような「目撃情報」もちらほらありました。その場合には試験監督が付き添っていき、その後戻ってきているようですので、トイレ等での一時退室は認められる可能性があります。

僕が宅建試験を受験したときにはそのような受験者は出ませんでしたが、「試験途中の一時退室」がどのような結果になるのかにかかわらず、「急病などを除けば退室しなくても良いだけの準備」はしっかりしておくべきでしょう。

まとめ

11月に初めてチャレンジする行政書士試験が「試験時間3時間」ということに衝撃を受けたのはまだ記憶に新しいのですが、それ以外の資格試験でも90分や2時間ぐらいであることが多いように思えます。

そうなると、主に「トイレに行きたい」ことなどにより試験の途中で「一時退室」をしたり、場合によっては体調不良により「完全に退室」をすることが無いとは言い切れません。

そこで今回は「試験中の退室」について、普段このブログでも取り上げていることが多い「FP・日商簿記・宅建」の3つの資格試験について確認してきました。

特に、日商簿記(商工会議所の検定試験)に関しては「トイレ退室も試験続行不可」というあまりにも厳しいものですし、それを回避するためには一定の手続が必要です。このあたり、細かいことですが受験の申請前にしっかり確認しておかないと後で泣きを見ることになりかねません。

また、他の資格試験にしても「原則」途中退室は不可であるはずです。もし例外的に許可されるようであったとしても、その分の解答時間が減ってしまうことを考えれば、「準備万全で臨む」方が間違いなく良いはずです。

これから冬に向けて、風などの体調不良が資格試験にジャストで被ってしまう可能性が高くなります。そしてそのせいで「試験中に退室」ということになってしまわないよう、体調管理には気をつけて過ごしたいものです。

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