忘れそうになると時々
思い出す。
震災の時の沢山のなくなった人達の顔
寝ている様な顔
色あせた顔
焼け焦げた顔
目が飛び出して家族は本当にわかるのだろうか
って顔
半分 白骨化した焼けた顔
あの時
身元不明者が余りにも多すぎて
どんな人でも
どんな形でも
写真掲示されていて…
そんな中を
茫然と歩き回った。
突然 泣き崩れる人
あの写真がどうしてお母さんだとわかるのか…
他人にはわからない。
そんな写真なのに
泣きながら崩れる人を
何人も見て
自分もそんな風になるのか…な
アユと凛は違う
なんて
漠然と思いながら歩き回った。
どれもこれも
アユと凛じゃない
こんなの
アユと凛じゃない
そう思いながら歩いた。
その写真の数々の顔を
今も時々
思い出す。
家族の元に帰れましたか?