今回は1ドル札にも記載されているフリーメイソンのシンボルマークである全視眼(万物を見通す目)の意味について。

 

この眼が表している意味は「ルシファー(悪魔)の目」とも「理性の目」であるとも言われている。

 

実は両方とも正しく、西欧の合理主義(啓蒙思想)と神秘主義(オカルト)の融合を表している。

 

一見、相反している合理主義と神秘主義が融合している二重人格状態を理解することが欧米フリーメイソンが作りだした自由民主制(資本主義と民主主義の融合)の光と闇を読みとく鍵なのだ。

 

「ルシファーの眼」であるという意見については、日本のフリーメイソンのトップの位置にあった高崎廣氏の著書から引用する。

 

 

 

『日本に君臨するもの フリーメイソン日本ロッジの幹部の証言 高崎廣著 島田四朗・高山和雄編  メディアワークス 1998年』

 

P7より転載

フリーメーソン結社員となって約二十数年、日本人フリーメーソン最高位階であるスコティッシュライト第三十二階級の一人、高橋廣氏(七十九歳)である。フリーメーソンのヒエラルキーのうち、第三十三階級は名誉職で、実質的には三十二階級が最高位である。

 

 

高崎廣氏は表向きにはフリーメイソンの実質的な最高位である32階級である。その高崎氏が以下のように万物を見通す目を「ルシファーの目」であると述べている。

 

(前記本P50より以下転載)

 

メーソン大統領が続々誕生

アメリカがメーソン大国であることは、われわれはもちろん、一般の人でも、メーソンについて触れればすぐわかることです。初代大統領ジョージ・ワシントンがメーソンであることや、1ドル札にメーソンのシンボルである「万物を見透す目=ルシファーの目」が描かれていることからも、そのことが理解できるでしょう。

 

 

昔からフリーメイソンのシンボルマークである「万物を見通す目」は「ルシファーの目」であるということは、フリーメイソンを批判的にみる研究者たちが盛んに述べてきた。

 

しかし、メイソンの会員、しかもトップ階級の高崎廣氏が上記のように断言したことは注目に値するだろう。

 

なぜなら表向きには、万物を見通す眼は「理性の目」とされることが多いためだ。

 

そのことについてフリーメイソン研究者である吉村正和名古屋大学教授の著書には以下のように記載されている。

 

 

 

『フリーメイソンと錬金術 西洋象徴哲学の系譜 吉村正和 人文書院 1998年』

P128より転載

 

伝統宗教が超越神を中心とする啓示宗教であるとすれば、フリーメイソンは退位した神の座に人間の理性を据える<理性宗教>といえる。

理神論・自然宗教・自然科学・啓蒙主義・民主主義など近代を進展させた思想は、いずれも伝統的な神を人間に置き換えた<理性宗教>なのである。

キリスト教を含む古代密儀宗教の最終目標は、長い神秘階梯を上昇して達成される神と人間の合一にあり、その瞬間に至福と叡智が賦与されると考えられた。

近代における人間宗教の目標はもはや神との合一にはなく、自らの力によって獲得される人間自身の完成に置かれる。

理性の眼(「万物を見る眼」)を人間の内なる世界に向けることにより、個人としての人間は道徳的な完成を目指す。

人間の神化という課題は人間の完成という課題に変容するのである。

 

 

上記のように万物を見通す眼は理性の眼であるという。

 

一方では「ルシファーの眼」と呼び、もう一方では「理性の眼」と呼ばれる。

 

当然、悪魔を表すルシファーと、善の叡智を表す理性は全く別の概念である。

 

一体どちらが正しいのだろうか?

 

答えは両方とも正しいということだろう。

 

フリーメイソンのシンボルマークの一つである万物を見る眼には、悪を表すルシファーと善を表す理性という相反する二重の意味が矛盾なく共存しているのだ。

 

ルシファー崇拝の神秘主義(オカルト)と、理性崇拝の合理主義(啓蒙思想)がメイソンにおいて融合している事を連想させることについて吉村正和名古屋大学教授は以下のように指摘している。

 

『フリーメイソン 西欧神秘主義の変容 吉村正和 講談社現代新書 1989年』

 

P114より転載

 

神秘主義と合理主義の融合

 

フリーメイソン思想の著しい特徴は、古代の密儀宗教に端を発する西欧神秘主義の系譜と、西欧近代の理性主義・啓蒙主義・科学主義の系譜が融合しているところにある。

一般的には、神秘主義は、非合理的思考の代表的な例と考えられ、啓蒙主義は合理主義的思考を代表するものと考えられており、両者はともに相容れないとされている。ところがフリーメイソンにおいては、この神秘主義が合理化されているのである。

すなわちフリーメイソンの秘密を解く鍵は、一方において自由・平等・友愛を目標とする啓蒙主義運動があり、また一方において古代の密儀宗教に遡る神秘主義運動があって、この両者の融合を見極めることにある。

 

 

万物を見通す眼=ルシファーの眼(神秘主義)=理性の眼(合理主義)、となる理由は、欧米世界が立脚している旧約聖書、新約聖書の世界観に基づいている。

イブに善悪の知恵の実(つまり理性)を与えた蛇はルシファーであると解されているためだ。

 

聖書と啓蒙主義の両方の世界観をもつ欧米では、理性を尊ぶなら理性を人間に与えたルシファーを崇拝するのが当然、という構図になる。

 

このようにルシファー崇拝のオカルト神秘主義と、理性崇拝の啓蒙合理主義が融合する世界観と密教がフリーメイソンの最上層部で形成されたのであろう。(フリーメイソンが秘密結社と言われるのは存在が秘密なのではなく教義が秘密であり、最上層部にならなければ真の教義は知らされない構造になっている)

 

 

 

 

このフリーメイソン思想の二重人格的な構造を理解することによって、我々が住む自由民主制の光と闇の構造(何が善く、悪いか)を理解することが可能となる。

 

この二重人格の原理は人々の意識化と無意識化の操作によって社会制度的に巧みに作り上げられている。

 

我々はフリーメイソン最上層部が作りだしてきた自由民主制の善(理性崇拝の啓蒙合理主義に立脚する善の原理)をとり、悪(ルシファー崇拝のオカルト神秘主義に立脚する悪の原理)を排除することを行っていかなければならない。

 

理性主義を肯定し、ルシファー主義を否定する。

 

それは無意識化されてきた真の啓蒙合理主義に基づく民主主義の原理を意識化することで可能になる。

 

人類は民主主義の完成、純化を目指す時期に来ているのだ。

 

・関連図解

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・上記図の詳しい図解の説明はこちら

<リンク>【操作される議会制民主政治 図解のまとめ】

 

 

 

(記事終了)

 

 

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■操作される日米欧の自由民主制(資本主義経済と民主政治)のモデル

 

 

 

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・上記の全体像の詳しい図解の説明はこちら

<リンク>【操作される資本主義経済 図解のまとめ】

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