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易占トリックなお話 その1 ~『宇治拾遺物語』より~

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※この記事では国立国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜改変して使用しています。
和文教科書. 7之巻 宇治拾遺物語ぬきほ - 国立国会図書館デジタルコレクション

【原文】

 易の卜《うらな》ひして、金取り出《い》だす事、

 旅人の、宿求めけるに、大きやかなる家の、荒《あば》れたるが、有りけるに、寄りて、「此処《こゝ》に、宿し給ひてんや」と、言えば、女聲にて、「良き事、宿り給へ」と、言えば、皆、下《お》り居にけり。
 屋大きなれども、人の有りげもなし。
 たゞ、女一人ぞ有る気配しける。
 かくて、夜、明けにければ、物食ひ認《したた》めて、出でゝ行くを、此の家に在る、女、出で来て、「え出で在《あら》[おは?]せじ、止まり給へ」と、言ふ。
「こは、如何《いか》に」と問へば、「己《おのれ》が金、千両負ひ給へり。其の辨《わきま》へしてこそ、出で給はめ」と言えば、此の旅人 従者《ずんざ》共《ども》、笑ひて、「あら、汝《しや》、讒《ざん》なめり」[?]と、言へば、此の旅人、「しばし」と言ひて、また、下り居て、皮匣《かはご》を、請ひ寄せて、幕引き巡らして、しばしばかりあ

※「良き事」、此の下には、「なり」と、言ふべきを省けり。
※「あらしやさんなめり」。此れは、當時の俗語にて、「あら不思議」など言ふ意延《こころば》への、語なるべし。

【現代語訳】

「易の占いをして、お金を取り出す話」
 ある旅人一行今夜宿にする所を探していると、荒れ果てた大きな家がありました。
 そこに立ち寄って、「ここに一晩泊めてくださいませんか」と言うと、女性の声で「良いですよ、お泊り下さい」と言うのが聞こえたので、から降りてに入りました。
 大きな家でしたが、が居なさそうで、その女性一人しか居る気配がありませんでした。
 そして、が明けたので、旅人一行食事をして、出て行こうとしました。
 すると、この家に居る女性が出て来て、「出て行かれてはなりません、お止まりなさいませ」と言いました。
「これは一体、どういうことですか?」と旅人が聞くと、女性は「あなたからお金千両借りています。その返済をしてからお出になってください」と言いました。
 おかしなことを言うので、この旅人お供の者たちは笑って、「やい、お前、変な言いがかりはやめろ」と言いました。
 しかし、この旅人は、「少しお待ちを」と言って、出て行こうとして乗っていたから降り、荷物を持ってこさせて、を張りました。
 しばらくしてから、

【解説】

 今回から、id:toikimitoikimiさんと、id:bob0524さんリクエスで、「易の卜ひして、金取り出だす事」を読んで行きますヾ(๑╹◡╹)ノ"

「易の占い」、つまり「易占《えきせん》」とは、すごく簡単に言うと、易経に基づいた占いで、みたいな筮竹《ぜいちく》と言うをジャラジャラ使って行う占いの事です。
「当たるも八卦、当たらぬも八卦ってやつですヾ(๑╹◡╹)ノ"

 旅人が、女性一人だけが住んでいる大きなあばら家に泊まるわけですが、いくら泊まる所を探していたからといって、そんないかにも怪しい家によく泊まろうと思ったものですヾ(๑╹◡╹)ノ"

 そして、案の定、この女性ワケの分からんことを言い出すわけですが、この女性がおかしいのか、それとも???ヾ(๑╹◡╹)ノ"

三つ目コーナー

今日は北見花芽の家に泊めてよヾ(๑╹◡╹)ノ"

泊めるも何も、ずっと居候してるじゃねえか!ヾ(๑╹◡╹)ノ"

 

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引き続き、しつこくバレンタインデー仕様でございますヾ(๑╹◡╹)ノ"
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