もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

木村花氏の訃報に思う

2020年05月26日 | 芸能

 女子プロレスラーの木村花氏の自殺の可能性が報じられた。

 原因とされるのは、同氏が出演したTV番組での挙措に対して寄せられたSNS上の誹謗・中傷によると観られている。産経抄によると平成29年の調査では、SNSに書き込みをする又は拡散に加担すると答えた人は全体では2.8%であったが20代では10.7%に達したとされている。従来から、頻繁にネット上に書き込みをする人は5%で統計学的には無視に値するとされていたが、攻撃対象となった人にとっては超然としていられるものではないであろう。本朝のTV情報であるが、不適当又は脅迫的な文言を使用したコンテンツに対して事業者は24時間以内にアカウントごと削除する義務を通信事業者に求め、違反した場合には極めて重い刑罰を与える国もあるという。風聞であるが、アメリカのエシュロンは、テロ等に関連する特定の字句が複数回使用された発信源(電波・有線を問わず)は自動的に監視対象とされるとされているので、ネット上の特定の語句を自動的に選別してアカウントを自動的に閉鎖するのは簡単な技術であると思う。今回の木村花氏の事象に関連して、自民・立民の衆院国対委員長がネット上の誹謗・中傷を規制する法整備で合意したと報じられているので、近い将来に何らかの罰則付き規制法が制定されることを期待したい。規制法に対しては「表現・言論の自由の規制・弾圧」との反対がなされるのは確実であろうが、芸能人の自殺が相次いだ韓国では「指殺人」とさえ呼ばれる行為は表現・言論の自由の美名で保護するに値しないものと思う。

 SNS上で誹謗・中傷をする人は、TVやSNSの画面は全て真実を映していると思っているのだろうかと疑問に思う。ニュース性の高い番組でも全体の脈絡を無視して突出した一部を切り取ることや、ドキュメンタリーと銘打った番組に「ヤラセ」と呼ぶ演出があることは日常茶飯事で、もはや常識と云っても過言ではない。木村氏の出演したバラエティー番組にあっても、悪役が必要であるために木村氏の言動を際立たせるための編集があったことは十分考えられるし、木村氏に対してそのように演技することを求めた結果であるかもしれない。出演者にあっても、他の演者と異なる存在感を示すために本質を隠した演技をしていることも考えられる。天衣無縫を売りにしているケンドウコバヤシ氏や藤田ニコル氏が、実生活では長幼に応じて敬語を話し中年女優も知らない食事マナーを身に着けている等、健全な社会性を持っていることは良く知られている。視聴者は、TVやSNSの画面は制作者の意図で色付けされたものであり、出演者の言動は虚像であることを、もっと理解する必要があると考える。


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