もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

金星のスーパーローテーションを学ぶ

2020年05月10日 | 科学

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の金星探査機「あかつき」の観測データから、金星上空の大気の動き(嵐)が解明されたそうである。

 金星上空の嵐は「スーパーローテーション(超回転)」と呼ばれる西風で、自転周期の約60倍の速さ(100m/秒)であると報じられているが、なにやら面白そうなので金星について勉強した。太陽系第2惑星である金星は、地球とほぼ同じ大きさと密度を持ち、炭酸ガスと窒素を主成分とする大気を持っている。住環境で見ると、地表で約92気圧(地球での水深920mに相当)、気温は約460℃であるために、金星人が地球に降り立った瞬間に爆発して氷の霧になってしまう。金星の公転は224日・自転は約243日であるために、地球に当てはめれば1年よりも1日の方が長いことになる。しかしながら、自転が地球とは逆回転であるために地球1年の感覚は約117日となるらしい。金星に四季はないが日本の感覚では、太陽は西から上って東に沈み、一月ごとに四季が移り変わることになる。通常、大気を持つ星やガス星(木星や土星)では引力の作用で中心や極に近いところほど流れが速く赤道や外縁部が遅く、最大でも自転速度を超えることは無いが、金星だけは自転速度の約60倍もの風が吹いており、「自転の速度を超える風」という意味でスーパーローテーションと呼ばれて金星の謎の一つとされていたそうである。これまでスーパーローテーションは昼の面で暖められた大気が上昇して夜の面に向かい、そこで冷却されて下降するという循環の様式が予想されていたが、今回のJAXAの解析でも大気の対流・循環であるが、赤道と極でも大きな違いが無いことが立証されたとされている。また、これまでスーパーローテーションは高度70Km付近で吹き荒れているが、金星の大気組成から地表では2m/秒程度の微風とされているが、今回の発表ではどうなっているのかは不明である。ちなみに太陽系の星の大まかな自転周期は、太陽(赤道)35日、水星58日、金星243日、地球23時間 56分 4.100秒 、火星1日、木星10時間、土星10時間、天王星17時間、海王星16時間、冥王星9時間となっている。金星の地表温度がより太陽に近い水星の地表温度とほぼ同程度であるのは、膨大な量の炭酸ガスの温室効果によることは良く知られているが、地球も住人が作り出した温室効果ガスによる温暖化で生物が死に絶えた後には、太陽エネルギーに依る更なる温度上昇で海水が蒸発して金星と同じ状態になるのかも知れない。

 本日のブログを記述する過程で、太陽の公転周期を知った。太陽の公転周期は2億2500万年~2億5000万年とされ、公転の中心は天の川銀河の中心「いて座A*」(いてざエースター)と呼ばれる超巨大ブラックホールであることを知った。太陽が誕生して46億年とされるので、これまで18回ほど公転したことになるが5000万年単位で移り変わる四季、今、太陽系は春なのだろうか冬なのだろうか。また宇宙には数千・数万の銀河があるとされるので、天の川銀河もどこぞを中心として公転しているのかも知れない。宇宙は摩訶不思議である。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿