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…いよいよ来るべき時が、来るべくして来てしまった様だ。

NHK大河「麒麟がくる」1カ月以上放送中断へ…ストック6・7放送分まで、撮影再開早くて6月末
Sponichi Annex

https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2020/05/10/kiji/20200509s00041000398000c.html
(2020年5月10日 05:31)

 このスポニチの記事に拠れば撮影再開は「早くて」6月末、だとしたら放送の再開、これも早くて7月末、事態の行方次第では盆の頃~秋頃にズレ込んでも、決しておかしくはない。

 ではその間の、6月14日~夏いっぱい辺りまでは?NHKは再放送、総集編等で、何とか間を持たせる考えの様である。

 私が憂いているのは、結局例年よりも話数が減る見通しは確実になりつつあるということだ。折角の東京オリンピックの中止という機会も活かせず、減らされた話数の中で何とか作品にしなければいけないなんて、制作スタッフも俳優も、これは無念なことであろう…。


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 そんな暗い先行きの最中でのこの第17話「長良川の対決」、言うまでもなく本木雅弘演じる斎藤道三の退場回ということもあり、NHKが前振りした通りで前半の最大の山場ともいうべき熱の籠り方でここまでのエピソードのベスト、と言って良いかと思う。

 苦悩の末高政(伊藤英明)の側にはつかず、叔父・光安(西村まさ彦)に従う形で道三側に付いた十兵衛光秀(長谷川博己)…光安から道三自ら高政の待つ本陣に単身出向いたと聞き、十兵衛はこの跡を追う様に、長良川を挟んだ向こう側に、己も道三同様単身で向かう。

 道三は、長良川に累々と浮かぶ己が兵の屍を超え、高政の本陣へ…遂に辿り着いた道三。道三は不利な戦況を百も承知で、高政に敢えて一騎打ちを申し入れる。

 高政は事前に冷静な判断をし、後々「父殺し」の汚名を着せられぬ様、道三を殺すことなく生け捕りにせよと配下に命じていた。既にその時点で、正面からの一騎打ちは考えてなどいなかった。

 「父の名を申せ!」と再三高政に語りかける道三…その気迫に押され、また、飽くまでも真の父はこの斎藤道三である、という恫喝に動揺を覚えた高政は、遂に道三を取り巻く自らの兵に、道三を仕留める様命を下す。

 槍で身を貫かれた道三…最後の最後に高政に寄り掛かる様にして、果てていった…。

 そこに現れた十兵衛。高政は十兵衛に、其方に嵌められたが故に、父殺しの汚名を着る羽目になった、今からでもこちら側に付けば、そのことは不問にするが、そうでなければ其方の首を刎ねて明智城も焼き討ちにするという…。

 だが、十兵衛は屈しなかった。改めて高政に「本当の父は誰だ?」と問い、土頼頼芸を一度たりとも立派な主君と思ったことなど無いと言い、道三の器量は頼芸にも高政にも無かったモノだと言い、そして道三の死を悼む。

 


 高政はその場では十兵衛を拘束しなかったが…腹が決まった以上、最早明智荘も明智城も、虐げるつもりでいた。十兵衛も、明智城の光安と会い、家督を譲られた上で、明智家を絶やさない為にもここは落ち延びろ、と諭す。光安は…明智城と運命を共にする覚悟であった。

 館に戻る十兵衛…母の牧(石川さゆり)煕子(木村文乃)も十兵衛と運命を共にするが、藤田伝吾(徳重聡)やその他家臣、そして領民は明智荘に残ることになる…殊に牧の無念さは強く、どうしても明智荘に残ると言い張ったが、伝吾の説得もあり断腸の思いで十兵衛に従うことを受け入れる…。

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 黒衣に身を固めて槍を携え、馬を駆って屍を超え長良川を渡る本木雅弘道三の、なんと美しいことよ…。

 



 僧兵姿で単騎にて敵陣に向かうと言えば、何といっても上杉謙信なのであろうが、さながら本木道三は、「黒い上杉謙信」とも言うべきその姿で、こちらの眼を釘付けにしてくれた。もう、単純にカッコ良かった。

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 同時進行で川口春奈こと尾張の帰蝶は、伊呂波太夫(尾野真千子)を手配して明智家が、越前の朝倉義景(ユースケ・サンタマリア)の許に身を隠せる様御膳立てをしていた。次回は十兵衛ら明智家が、太夫の手引きで越前に向かうところからのスタートとなる訳だが…恐らく6月7日における「いったんの最終回」まで、十兵衛光秀は朝倉義景の家臣として、ゆくゆくは足利義明(滝藤賢一)と出会い、関りを持つことになるのであろう。

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 きょうの内容についてもクオリティ面では決して落ちていないだけに、本当に無念な先行きとなってしまった訳だが…来るべき撮影再開の無事を祈りつつ、まずは6月までの残り4回の内容を、私は刮目して追いたいと思う