こんにちは。
あおい堂鍼灸院の今泉です。
 
このところ来院される方々に
涙の効用をお話しする機会が多いです。
なので今回は涙について書きたいのですが、
今回のタイトルとちぐはぐに思われるかもしれません。
この辺りの私の思うところを書いていきたいともいます。
 
まず「血の気が多い(チノケガオオイ)」という言葉ですが
意味としては直ぐにカッとしたり
興奮しやすかったりと言う意味だと思います。
ではこの『血の気が多い』を言葉の因数分解を試みてみます。
まず「血の気」ですが冷静に考えてみると
血の気って何でしょう?
私は言語学者でも国語の専門家でもありませんので
もしかすると赤っ恥な解釈かも知れませんが、
とても東洋医学的な雰囲気を感じます。
まず血の気の気(ここではケ)。
もう間違いなく東洋医学で扱うところの「気」でしょう。
ではもう片方の「血」ですが
これはストレートに血液と言う訳ではない気がします。
飛躍した推測としてここで言うところの『血』は
『肝(肝臓)』だと思います。
何故かと言えば肝(かん)は東洋医学上、
「血を臓す(ぞうす:しまう事)」内臓とされています。
体中を巡る血は単なる風来坊ではなく、
肝をその住処のような拠点としているのです。
日中、血は身体中を自由自在に巡り各部署を栄養します。
そのお蔭で日中起きている時に
我々は活発な行動をとることが出来ます。
そして寝た時にはどうなるか。
血は自分の家である肝に戻り血自体のリフレッシュを図ります。
故に寝不足であったりすると
血の性能が落ちて「オ血」となったり、
家である肝(肝臓)の性能が悪くなると
血が全て収納できなくなります。
そうすると行き場を無くした血は身体を彷徨います。
この状況は日中起きているときと変わらない為
落ち着かずソワソワして眠れなくなり
不眠状態となります。
つまりは肝の状態は血の状態とも言えるほど
肝は血であるとも大まかには言えます。
そんなこんなで『血の気が多い』を言い換えると
『肝の気が多い』となりそうです。

では興奮した状態、
または怒った時、人はどうなるのでしょうか。
実際に成りやすいかどうかは別としても
顔が紅潮しますね。
怒って顔が青ざめる人は少数だと思います。
または「怒髪天を衝く(どはつてんをつく)」という言葉の様に
髪が逆立ったりもします。
他の言い方としては
「怒り心頭に発する(いかりしんとうにはっする)」
なんて言葉もあります。
 
 
ここで雑学メモとして
東洋医学では人間の感情は脳と言うより
内臓が持つ気の表れとされます。
ここでは怒る感情は肝が持つ気の特徴とされています。
ですので人格や性格などは
その人の各臓器の強弱バランスで成り立ちます。
つまりは人間の性格は身体の調子次第で
いくらでも変わる肉体主体であるという事であり、
これが性格(自我)です(魂や真我とは別の話)。
 
 
閑話休題
 
「怒髪天を衝く」にしても
「怒り心頭に発する」にしても怒る感情ですね。
この「怒る」感情は実は肝から発せられる気なのです。
そして肝の気の流れ道である
厥陰肝経(けっちんかんけい)という経脈(けいみゃく)は
足の親指から始まり百会(ひゃくえ)という
頭頂部にある経穴(けいけつ:ツボの事)で終わります。
つまりは肝の気は流れからわかるように
下から上へ突き上げる性質が有るのです。
そこで先ほどの「血の気が多い」や
「怒髪天を衝く」や「怒り心頭に発する」を考えてみると
全て髪とか頭とか身体の最上部に関する
言葉であることが分かります。
怒った時に肝の気が下から上へ
すごい勢いで昇って行く様であることが伺えます。

実際に怒った時の顔の紅潮は
血が上っています。
『気は血の師なり(きはけつのしなり)』という
教えも東洋医学にはあります。
意味は血が行くところにはその前に
必ず気が到達している。
血が行くところには気が先行するという意味です。
怒って顔が紅潮するためには
顔に血が昇ってなければなりませんが、
血が行く前に怒り(肝の気)が
頭部に先行してるのです。
故に顔が血で赤く成れるのです。

ではこれが円形脱毛症にどの様に関係するのか?
これは脱毛部の現われた部位を見れば
関係が深いか浅いかが凡そ分かります。
お察しの通り頭頂部の百会、
または百会の前後左右付近に
脱毛部のある方。
及び、いわゆる蛇行型脱毛症の方。
この形状は非常に肝と関わりが深い
円形脱毛症だと思います。
何らかの肝の弱りや失調で
肝の気が頭頂部へ突き上げてしまった結果、
頭頂部の気血のバランスを崩して生じた
円形脱毛症であると私は考えています。
これらのケースの場合は
鍼灸治療では当然「肝」の調整をする方針を採ります。
これは「肝」自体でもあるし
「肝」と一心同体ともいえる「血」の質を
上げる治療とも言えます。
でもこれは来院された方のお話です。
来院されていない方はどうすれば良いのか……。
 
ここで記事冒頭に書いた
涙が登場するのです。
東洋医学上、涙は肝の液とされます。
ちなみに心臓の液が汗、
脾臓(ひぞう:消化器の事)の液が
涎(よだれ)です。
つまりは涙は肝の働きの表れなのです。
そしてこの涙は東洋医学上、
どうやって生成されるのでしょうか。
 
 
以前東洋医学は天地自然の動きを
人体に当てはめた医学であるというような事を
どこかの記事で書きました。
ここでも当てはめてみます。

話がやや壮大に成りますが、
海や湖にある水は
日光によって温められて
水蒸気として天に昇ります。
そして冷やされて水に戻り
雨として大地に降ります。
勘づきましたか?
昇る……。
そうです。
昇った気(肝の気)は
天(頭部)で冷やされて
雨(涙)として落ちていくのです。
故に養生としては
怒りやすい方、
怒らなくてもテンパった状態の多い方、
動揺しやすい方々は
肝の気が頭部に昇りつめて
頭部で渋滞しやすいのです。
そこで渋滞するほど溜まった気を
排出しなければならないのですが
その方法として
肝の気を涙に変換して
流してしまうのもアリだと思うのです。
 
考えてみれば
泣いて涙を流すと
結構スッキリするのです。
心理療法でもそのような方法があると
聞き覚えがあります。
ただし、泣く内容に関しては
できれば悲しい涙ではなく
感動の涙が良いですね。
映画館も少しずつ再開されてきているようなので
感動の泣ける映画なんか観てみるのも
策かも知れませんよ。
 
参考にしてみてください!
 
こちらものぞいて欲しいです。
円形脱毛症の事がまとめてあります。
そして、お蔭様で
あおい堂鍼灸院は
鍼灸治療専門院として
円形脱毛症一筋15周年を迎えました。
 
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