こんにちは。

あおい堂鍼灸院の今泉です。

 

当然のことながら当院での円形脱毛症の治療は『鍼』と『灸』を使用します。

そしてこの二つ、どちらがどちらでも良いわけではありません。どちらがどのような状態に適しているかが異なります。と言ってもどっちかが何かを出来ないというわけではなくて、やりやすいかやりにくいかという効率と手際の問題です。

 

 

本日の記事はこの『お灸』について書いてみたいと思います。

 

 

その前に、最近ネットでこんなページを見つけました。

https://www.amed.go.jp/news/release_20200904-01.html

 

上記のページを読んでいただければお分かりいただけますが、掻い摘んで言うと『損傷した筋肉がどうやって修復されるのか?そのキッカケを見つけました。』このような内容です。私的にはナルホドナァ~と思いました。上記の記事では筋肉にフォーカスされていてそれ以外の組織についての言及はありませでした。しかし私は人体とはつくづく完ぺきなオートメーションの芸術品であると思えたと同時にきっと筋肉以外にもこのような仕組みが有るのだろうと確信しました。

 

 

一方でかなり昔に成りますが2007年5月17日の読売新聞夕刊には『傷跡から髪の毛』という記事が載っておりました。私の集めたスクラップの画像を掲載します。これです。

※読売新聞 2007年5月17日夕刊より

これは先ほどの筋肉ではなくて皮膚についてです。しかも皮膚に傷をつけるという通常の常識とは180度方向性の違う手法によって毛包(もうほう:髪の毛の毛根部分)が再生されるとあります。さらにその傷口は5ミリ以上大きい事とあります。一般的に5ミリ以上大きな傷をつけると毛根が破壊されてそこだけ毛が生えなくなる印象ですが上記の記事の内容はそれとは全く真逆です。

 

ただ、上記二つの紹介はどちらも細胞が傷や損傷を受けた事から再生するプログラムが起動するような共通点が見受けられます。

 

 

そんなこんなでタイトルの『お灸』について話を進めます。もう何となく内容が臭いだしたかと思いますが、その通りです。これまで円形脱毛症の鍼灸治療を沢山してきましたが髪が抜けるだけ抜けてしまって、その後新しい産毛がなかなか生えてこない時、このような時こそ『お灸』が最適だと感じます。ちなみに抜け始めは刺絡(しらく:鍼の手法の一つ)、なかなか髪が生えて来ない停滞期にはお灸、そして全期を通して鍼がそれぞれ適しているように体験を通じて感じています。

 

お灸は悪い言い方をすれば火傷(ヤケド)です。あえて皮膚に火傷を起こします。でもその火傷は程度の凄く軽いもので(調節可能)皮膚の薄皮一枚を焼きます。焼くとどうなるか?皮膚が壊れます。でもお灸の影響はソレだけで終わりません。お灸によって焼かれた皮膚は再生します。そして再生するとはその周辺の組織が新しく生まれ変わる事です。

先ほどの新聞記事を思い出してください。先ほどの新聞記事は単純な傷跡から毛包(もうほう:毛穴と近い意味)が再生したとあります。これは私のお灸によって新しい毛が生えてくるという私の経験と合致すると言っても過言ではないように思えます。お灸によってこれを目指します。

 

 

毛が、髪が生えない時、自分の毛根は死んでしまったのではないかとチラリとも疑わずにいる人は少ないと思います。下の記事は円形脱毛症について書かれているわけではありませんが参考までに読んでみてください。

(これは読売新聞なのですがいつの記事だか失念してしまいました)

 

や、

 

これなど、どちらの記事も髪で困っている人たちの誰も毛包幹細胞の数は殆ど変わらない。なにが原因で髪に困るかと言えば細胞の変化が乏しい事です。細胞の変化を促す、やり方は色々あると思いますが私の考えで行けばスクラップ&ビルドだと思います。例えば病院でする円形脱毛症のUV-AやUV-B、そしてエキシマライト等の紫外線治療も紫外線によって細胞にダメージを与えます。細胞がダメージを受けたので表皮の細胞が壊れるから皮がむけます。その時に細胞が再生されてキチンとした働きをする細胞が造られる。この仕組みを期待するが故に敢えて身体にダメージを与える紫外線を照射していると私は感じます。心臓が止まりそうな時、敢えてAEDによる電気ショックを与えて心臓の調子を整えさせるようなものも仕組みや方法は違えど同類ではないかと私は思っています。

 

ちなみに当院でおこなうお灸の熱によって(程度にもよりますが)毛根は全壊したりはしません。丁度良い加減で毛根を刺激します。下の写真は円形脱毛症に対しておこなうお灸よりもずっと強いものを頭皮に施して1週間後の画像です。毛先は火を使いますから焼けていますが、熱を受けた皮膚が新しい皮膚に代わって、しかも焼けた皮膚の下から髪の毛が伸びてきているために古くなった皮膚を持ち上げている画像です。毛根にとって壊滅的なダメージと言うよりもお灸の熱はより代謝を促進させるものだと言えるのではないでしょうか。

実際に円形脱毛症でなくとも抜け毛の多さをお悩みの方の場合、頭に少数のお灸を据えていくだけで抜け毛が減った感じがするとご感想をいただくことは当院において頻繁にあります。

 

勿論お灸と言えども万能ではないし、誰でも必ず効果を出せるとは言えませんが……、

どうですか?このような話を読むとお灸もひょっとしたら良いかも……などと思っていただけましたか?

お灸女子もお灸男子も良いと思いますよ!

 

此方も見てみてください!

円形脱毛症の事がまとめてあります。

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『円形脱毛症考』

 

そしてあおい堂鍼灸院は

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