東京地方裁判所で夫婦別姓に対する裁判の判決がありました。

夫婦別姓を巡っては平成27年に民法の規定に男女の不平等はなく、家族が同じ姓を名乗るのは日本社会に定着していると合憲の判断が出ています。

この判例と異なる判断が出るか興味のあるところですが請求が棄却されてしまいました。

訴えを起こしていたのは東京の弁護士の先生で奥さんとともに民法の規定が法の下の平等に反するとして国に慰謝料の支払いを求めていました。

お金目当てではと思う方もいらっしゃるかもしれませんが請求額が訴訟費用にもならないような額なので夫婦別性を認める判決を求めていたと考えてよいと思います。

もう少し補足すると民法の規定は夫婦どちらかの同じ姓を名乗ることを定めていますが夫の姓を名乗るよう定めているわけではありません。

そのため事実上夫の姓を名乗ることが多いですが男女差別だという争い方はしていません。

一人でも訴えを提起することもできますが「法の下の平等」という憲法問題を抽象的に争うことはできないため民法規定が違憲違法であり慰謝料を求めるという争い方をすることになるのです。

そのため夫婦の問題であり夫婦の利益が害されているということを明確にするため奥さんも原告に加わっているのではないかと思います。

非嫡出子の相続分の方では判例変更がありましたが非嫡出子である人は数自体が少ないように思います。

夫婦別性の問題は判例変更されるとすべての夫婦に影響が出る可能性があります。

家族法全体にもかかわるので法改正前に違憲判断が出る可能性は今のところ低いと思います。

もちろんそれがわからずに弁護士の先生が訴訟を起こしたのではないかということではありません。

このような試みが判例変更につながっていくということはありうることなのです。