ゴールデンレトリバーはなぜ赤ちゃんを噛んじゃったのか

誰も悪くないのに、みんなが不幸になっちゃうことってあるよな。
この事件もそういう例じゃないかって思うんだ。

東京都八王子市でゴールデンレトリバー（4歳オス）が生後10か月の女児の頭部と頸部の間を噛んで、女児は2時間後に死亡、飼い主で女児の祖父母が過失致死で書類送検されちゃった。
でもこれ、最近の事件かと思ったら2017年3月の事件だったんだな。
おいらは今回報道されるまで全く知らなかったよ。

例えば、おいらの場合は、父ちゃんの命令は絶対だってわかってる。
だから、大概の話は聞いてやる。
全部じゃない理由は、父ちゃんの命令より絶対の命令があるからだ。
それは、おいらの使命感。
おいらには家族を守るっていう使命がある。
もし、おいらの家に強盗が押し入って母ちゃんを傷つけたりしたら、いくら父ちゃんがおいらを止めても、おいらは強盗に向かっていくと思うんだ。

そして、その使命感と同じくらい強い命令がある。
それは、おいらの本能だ。
もし、父ちゃんがおいらに崖から1000m下に飛び降りろって命令しても、おいらは聞かないと思うんだ。
父ちゃんの命令より、「生きたい」っていう本能の方が強いからな。

嫌なことは嫌なんです！

つまり、どんなに人間がおいらたち犬を躾けたと思っても、絶対に支配できない領域がある。そして、そこに踏み込まないことが尊重であり、人間と犬との共生だと思うんだ。
だけど、それは言い換えれば、犬には人間には制御できない不測の事態が起こるってことだ。おいらたちだって意思を持って生きてるんだから当たり前のことだけど。

報道を見ると、この事件は「犬が赤ちゃんを獲物だと思って噛んでしまった」っていうのが一般的な見解みたいだな。
ハイハイしながら金切り声をあげる赤ちゃんは、確かに無防備な獲物に見えるのかもしれないし、飼い主夫婦が自分より赤ちゃんに愛情を注ぐ様は、犬にとっては生存の危機に映ったのかもしれない。
でも、おいらには1つ腑に落ちないことがある。

犬にとってその赤ちゃんが『獲物』であったり、自分の生存を脅かす『敵』であったなら、犬は瞬時に相手の息の根を止めちゃうと思うんだ。頸動脈に食らいついて、2、3回頭を振れば簡単なこと。
特にレトリバーと名の付く犬は狩猟回収犬だから、その辺は抜かりないと思うんだ。
でも、赤ちゃんは噛まれてから2時間生きてたんだよな。
これは、赤ちゃんがこの犬にとって『獲物』や『敵』じゃなかったってことなんじゃないかな。

本当のことはこの犬に聞いてみないと分からないけど、こういう仮説もアリかな？って思う。

家族が大切にしている赤ちゃんは自分が身を挺して守らなくちゃならない。
でも、赤ちゃんはハイハイしながらどこに行っちゃうかわからない。
「ほらほら、そんなところに行ったら危ないよ」って、親犬が子犬を安全な場所に避難させるように口で咥えてみたんだけど、人間の赤ちゃんの頭部の皮膚は子犬ほど靭性がないってことが、咥えてみてから判明しちゃった。
サクッと歯が入っちゃって、犬自身が驚いちゃった。

っていうようなことだったら、ちょっとやるせないよな。
だって、誰も悪くないんだもん。

犬たちはこうやって人間の子どもを守る

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