『声・表情・姿・歌・動作』等を用いて、観ている人や聞いている人に感じさせる、そして伝えるというスキル『表現力』は、数あるエンターテイメントの場でも一貫して必要とされるスキルだと言えます。そんな表現力に関しては、個性やセンスが強く関わってくる場合もありますが、歌やダンス、そして演技等のカテゴリーによって磨くべきポイントは変わります。

その日に学んでその日に出来てしまうような簡単なものは必ずしも“伝わる表現力”だとは言えません。ただ、表現力を出せるコツを身に付けてしまえば、オーディション等の実力を出しきるべき場において、審査員に対する最大のアピール武器として大いに役立ちます。今回はそんな必要不可欠となる表現力を今から身に付ける、または高める方法を紹介します。

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そもそも『表現力』とは何を差しているのか

表現力をつけるには 高める方法

モデル・俳優・アイドル・ピアニスト・ダンサー等、エンターテイメントとして表現の種類は多くあります。このそれぞれのエンターテイメントの場で求められる表現力というものは、製作者や歌詞、そして演出など様々な“リクエストに応えるアクション”になります。

歌やダンス、どのジャンルにおいても観ている、または聞いている方に対して、作品のそれぞれの本質をしっかりと伝えられなければなりません。

また表現力が乏しいと、せっかくの作品の素晴らしさを伝えることができなかったり、良い役や活躍できるチャンスへは繋がり辛くなってしまうこともあります。

オーディションでの合格を目指している方にとって、この表現力を身に付ける、そして高めるということは、他のエントリーしている応募者達と大きな差別化を図ることができる非常に重要なスキルであると言えます。

早ければ早いほど良い!ジャンル毎に『表現力』を身につける意識を持つ

表現力をつけるには 高める方法

表現力はレッスン等で学ぶことが出来ますが、オーディションを受けるまでに、まずは自身の希望するジャンルで必要とされる“表現力が一体どのような姿”なのかを理解し、日頃から意識しておくことは無駄にはなりません。

むしろ無駄になるどころか、表現力を事前から身に付ける努力をし、それが発揮できるようになれば、オーディションにも自信を持って挑めます。

更にはデビューまでの道のりも大いに短縮できるので、「まだ私には早い」とは思わず早めに意識しておき、身近に実践出来るものから手を付けていくのも大切です。

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歌の表現力は相手に特別な感情を与える

表現力をつけるには 高める方法

歌で最も必要とされることは歌唱力と言われています。一般的に歌唱力がある人に対して、私たちはその人の歌を聞いた時に「この人はとても上手く歌うな~」と無意識に評価しているものです。

ただ、プロに必要な歌唱力という話になると、上手いという評価だけではなく、視聴者にその他の感情を持たせる“何か”が必要になってきます。

例えば、通常歌の上手い方の曲を聞いた時、「この人は歌が上手いな~」で終わりますが、歌唱力が高い人の歌に対しては「上手い」だけでなく、「鳥肌が立ったほど感動した」といった気持ちや「この人が歌う歌をもっと聞きたい」といった特別な感情を与えることができるのです。

表現力をつけるには 高める方法

このように、ただ上手いという気持ちだけで終わってしまうような一般人とは違う歌を表現出来なければ、残念ながらプロになることは厳しいとされています。

なので、プロの歌手やアマチュアの歌手を問わず、彼らは常日頃から歌唱力に繋がる表現力を高める努力(レッスン)を止むことなく続けているのです。

また、「この人は誰の歌を歌っても、歌そのものを自分のもの(世界観)にしている・・・!」と言われるような域にまで達している方もいますが、これもまた理想的な表現力の1つであるでしょう。

歌の表現力を高めるためにしておくべきこと

表現力をつけるには 高める方法

まず歌を歌う上で必要なスキルとして、『音程・滑舌・声量・リズム感』等が基礎になると言われています。更にそこへ表現力をプラスしたいのであれば、歌詞の温度感であったり、歌詞に込められている感情という、その歌が“本当に伝えたい要素”をしっかりと理解して歌うことで、表現力の高い歌を相手に聞かせてあげることに近付きます。

どのように表現するかという部分では、歌に温度感や感情を持たせるため、顔の表情や動き、ビブラート等による抑揚、息継ぎ・息遣い等を歌詞に吹き込むことが大切です。

表現力をつけるには 高める方法

声だけではなく身体を使うことも重要であり、「全身をくまなく使って歌うことで、歌に表現力を加えることができる」という理由から、ボイストレーニングの1つとしてレッスンに取り入れている養成所も多いです。

また歌を歌う時には、歌詞に込められた感情を顔の表情で表しながら歌うことによって、その人の歌声に艶や感情がプラスされます。歌唱力をもっとレベルの高いものにしたいという方は非常に多いことでしょう。

そのためにも、「表現力を高めたい!」または「身に付けたい!」という方は1つの曲に対して、まずは作詞家がどんな気持ちでこのような歌詞を書き、作曲者はどのような感情でこのメロディーを作ったのか、そういった作者の世界観を意識して歌ってみることから始めてみることをオススメします。

演技の表現力=演技力とは

表現力をつけるには 高める方法

一言に『演技』といっても、ドラマ・映画・ダンス・体操など多くのジャンルがあります。例えば俳優・女優を志している方、もしくはこれからオーディションを受けようとしている方の中には、今まさに演技の難しさという壁にぶつかっている方も多いことでしょう。

そこでこの項目では、舞台・ドラマ・映画・声優などの役者における演技に関して詳しく紹介していきたいと思います。さて、一般的に世間では『演技の上手い役者=表現力が高い』と捉えている人の方が多いのではないかと思います。

逆に台詞を棒読みしている役者の演技を観ると、私たちは「この人何だか演技が下手だなぁ~・・・」と思うはずです。ほんの数文字程度の台詞でも、演技が上手い方が演じれば聞こえ方が全く異なります。

表現力をつけるには 高める方法

例えば演じるキャラクターの印象や世界、そしてストーリーの背景など、視聴者に対して強い興味や関心を持たせ、その世界観に引き込ませることが出来るのです。

では一体、演技が上手い方とそうでない方とは何が違うのかというと、それは表現力の違いだと言われています。それほど演技をする上で表現力は欠かせないスキルだということです。

“歌そのものを自分のものにする”という歌の表現力と比較すると、演技の表現力にも“役柄そのものを自分のものにし、観客に演技だと思わせないようにする”という似た共通点があり、やはり演技力を高める上で表現力というものがいかに非常に重要なスキルであるかが分かります。

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演技の表現力を高めるためにしておくべきこと

表現力をつけるには 高める方法

感情表現をアップさせる

『喜怒哀楽』の表現は演技をする上で非常に重要となるスキルです。演技だけではなく生活の中でも表現が乏しいと感じる方は、常日頃から喜怒哀楽が出る様々なシチュエーションを探してそれを演じてみたり、自分が演じていて違和感の無い表現の仕方を練習して身に付けましょう。

『喜』の部分を演じる上で例えるなら、ただ喜んでいる演技をするのではなく、“オーディエンス側に自然と喜びが伝わってくるように”というポイントに意識をおいて表現をすることがとても重要だそうです。

「違和感の無い演技をすることが難しくて出来ない・・・」と悩んでいる方は、普段の日常での自分の発言や誰かとのやり取りを録音し、その後でじっくり聴いてみるといった方法も1つの練習としてオススメです。

普段自分が自然に発している声の雰囲気と演技をした時に発している声の雰囲気、一度この2種類の雰囲気の違いを見直し(聴き直し)てみると良いかもしれません。意外と自分の話し方のクセみたいなものが解ったりするものなので大変オススメです。

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身体能力をアップさせる

ここで分かりやすく大手の養成所にスポットを当ててみましょう。多くの俳優やモデルを輩出している『ワタナベエンターテインメント』といえば、よくテレビ等で聞く非常に有名なプロダクションです。

有名な卒業生として、今も数々の人気ドラマや映画に引っ張りダコの山田裕貴さんや志尊淳さん、バラエティだけでなく女優としても活躍されているイモトアヤコさんなど、多数のエンターテイナーを育てて輩出する“実績豊富なプロダクション”です。

そんなワタナベエンターテインメントのレッスンの中でも、身体能力の向上には特に時間を使うほど重要視されているようです。

瞬時に演技を切替できるような指導をはじめ、表情はもちろんのこと、運動や身体作り等を通して身体能力向上に力を入れており、実際に1つのレッスン項目として取り入れられているようです。

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表現力に直結する『V・A・K』にも注目しよう

表現力をつけるには 高める方法

表現方法は様々ですが、近頃は『V・A・K』という単語がよく使われるようになってきたことをご存知でしょうか?

VAKとは…

  1. 『Visual (視覚)』
  2. 『Auditory (聴覚)』
  3. 『Kinesthetic (身体感覚)』

…の3つの略です。この3種の身体における感覚能力を鍛えることも“表現力アップの大きなコツ”として知られており、実際にレッスンに取り入れている養成所も近年どんどん増加しているようです。

表現力をつけるには 高める方法

それではこの3つについて、それぞれどのような点が違うのかというと…

  1. 視覚とされる『Visual』では、頭の中に想像(イメージ)して表現する
  2. 聴覚の『Auditory』では、会話や音声から広がる情景の表現する
  3. 身体感覚である『Kinesthetic』では、体の動作などの感覚を表現する

…と言われています。このように、表現する際に『V・A・K』をそれぞれ組み合わせて表現することを意識するだけでも表現力は自ずと高まり、更に自分の演技が周囲に伝わりやすくなるとされています。

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普段の生活の中で表現力を高めるために

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誰もが表現力が長けているというわけではありませんし、中には表現することがどうしても苦手だという方もいることでしょう。そして頭で意識するだけですぐに身に付くほど表現力は単純なものではありません。

ただ、あらかじめ表現力を伸ばすポイントもおさえておくことで、何気無い日々を過ごしている中でも自然と表現力を高めることは可能だと言われています。

表現力を伸ばすポイントを知ることにより、普段であれば気にもしない様なものが表現力向上の素材へと見えてきたり、感じることができるようにもなります。

そしてそれらは表現力を高める上で無駄になることが一切無く、むしろ演技力アップに近付くための材料と言えるのではないでしょうか。

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表現力を伸ばすためのポイント

表現力をつけるには 高める方法

感情のコントロールをし過ぎない

ほぼ必ず誰かと関わりを持つ普段の生活において、コミュニケーションをとっている中で「楽しい」「嬉しい」「嫌だな」等の色々な感情が出てくることは当たり前です。自分の伝えたかったことが相手に上手く伝わってなかったことだってあることでしょう。

相手に不快な思いをさせないために気を配ることはとても大切なことですが、時と場合に応じて“あえて感情を表現する”ことも重要だったりします。時には「悲しい」の表現が大切になる場合もあります。

また、例えば人によっては素直に喜べる場面において「あまり喜びすぎると恥ずかしい気もする・・・」といった感情表現のコントロールをしてしまいがちですが、もし表現力が乏しいまたは苦手だという方は、自分が感情をコントロールし過ぎていないか一度見直してみても良いかもしれません。

表現力をつけるには 高める方法

色んなジャンルの音楽をきいてみる

音楽は『ヒーリングミュージック』と言われるだけあって、脳をリラックスさせたり活性化させたりと、知らず知らずの内に色々な働きをしてくれます。自分の好みで音楽のジャンルを絞ってしまう方も多いことでしょう。

ただ、表現力においても、当たり前の世界観よりは少し違った世界観を取り入れることの方が大きなプラスになると言われています。人は自分の好みに偏りがちですが、人の好みそのものは様々です。

多くの人に興味を持ってもらえる表現力を身に付けるためには音楽も有効だとされており、一部では「表現力を上げたいなら音楽鑑賞をすることが良い」と言われている程です。

表現力をつけるには 高める方法

クラシックが好きな方は逆にアップテンポのポップスなどを聴いてみたり、J-POPを普段聴いている方は、その逆に洋楽を聴いてみたりしてみましょう。

普段聴かないような曲であっても、歌詞を見てみると新たな発見や、自分では見たことの無い表現方法を知るきっかけにも繋がります。

自分の好きなことだけに走るのではなく、視野を広げて色々なジャンルに触れてみることは、全く新しい要素を取り入れるきっかけになり、表現力を身に付ける上でも非常に重要なことなのです。

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表現力のインプット/アウトプットの重要性

表現力をつけるには 高める方法

少し難しい表現ですが、よく勘違いされやすい表現力のポイントとして、誰しも「こういう時はこういう表現をすべき!」というどこか決めつけのような考えを持っていると思います。

しかし、実は劇団などのシビアな演技が求められる場では「表現に正解というものは一切無い!」と言われるほど、表現については場所によって多種多様な理念があります。

また、“自分に合った表現力の身に付け方”というものが非常に重要であり、「この方法をすれば確実」というものがありません。

表現力をつけるには 高める方法

一部では表現力を表すために必要なものが『豊かさ』であると言われ、その豊かさは人それぞれが持つ個性であったり、そして感性とも言えます。

そして個人差のあるものだからこそ、表現力を身に付けたり高めたりすることは、演技やダンス、また客観的な自分の印象など、他とは違う幅広い自分をアピールすることができる大きなメリットへと繋がることでしょう。

是非『表現力』について、ここまでの内容を参考にしていただき、「これなら実践しやすい!」と思える『表現力』の”身につけ方”や”高め方”を改めて考えてみること機会にしてみてはいかがでしょうか。

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