血中コレステロールを下げる食べ物は何?脂質の種類に要注意!

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こんにちは、管理栄養士・料理家 ひろのさおりです。

健康診断などで「血中コレステロール値が高い」と言われると心配になりますよね。

コレステロールにはいくつか種類がありますが、LDLコレステロール(悪玉コレステロールともいわれます)や、総コレステロールが基準値を上回っている場合、動脈硬化や様々な疾患を引き起こす原因となります。

食事の改善によって、LDLコレステロールや総コレステロールを下げるために重要なのは、食事から摂る【脂質】の“種類”と“量”です。

脂質は、食用油脂(あぶら)はもちろんのこと、肉や魚、乳製品などさまざまな食品に含まれています。

「脂質は悪者」といったイメージを持っている方は多いのですが、実は脂質には様々な種類があり、血中コレステロールを上げる脂質も、下げる脂質もあります

そのため、血中コレステロール値に影響する脂質は何かを知り、料理や食べ物を適切に選べるようになることは、血中コレステロール値を改善していく上でとても大切です。

この記事では、血中コレステロールが高い場合、どの脂質を避けた方が良いか、また逆に摂った方が良いのか、そしてそれらの脂質を含む食品についてご紹介します。

避けた方が良い脂質 …飽和脂肪酸とコレステロール

結論から言うと、血中コレステロール値(LDLコレステロールや総コレステロール)が高い方は、血中コレステロ-ルを上昇させる脂質である「飽和脂肪酸」と「コレステロール」の摂り過ぎには注意が必要です。

※厳密には脂質の構造の一部分が飽和脂肪酸です。

飽和脂肪酸

飽和脂肪酸は、肉類や乳製品など、動物性の食品類に多く含まれています。

普段から肉料理の頻度が高い方は、飽和脂肪酸を過剰摂取してしまっている可能性が高いです。
のちほどご紹介しますが、コレステロール値が高い方は特に、肉料理より魚料理の頻度を増やしていくことをがおすすめします。

乳製品

体に良いからと牛乳をたくさん飲んだり、カフェラテミルクティーなど牛乳を使った飲み物を選びがちな方、牛乳の発酵食品であるヨーグルトチーズを頻繁に食べる方も、飽和脂肪酸をたくさん摂っている可能性が高く、注意が必要です。

またバター生クリームも同様に乳製品の一種ですが、これらは牛乳やヨーグルトよりも飽和脂肪酸の量がさらに多くなっています。
クロワッサンデニッシュクッキーケーキ洋菓子など、バターや生クリームをたくさん使っているものはなるべく避けましょう。

コレステロール

もう一つ注意が必要な脂質はコレステロールです。

ここでのコレステロールは「血中コレステロール」とは別物で、食品に含まれるコレステロールを指しています。
同じ名前がついていますが、食品中のコレステロール=血中コレステロールではありません。

血中コレステロールは主に肝臓で合成されており、その一部が食べ物のコレステロールに由来しています。
肝臓でのコレステロール合成には調節機能があるため、食べ物由来のコレステロール値がそのまま血中コレステロール値に反映されるというわけではありません。

しかし、食べ物由来のコレステロールが血中コレステロール値を上昇させることは事実なので、摂り過ぎには注意が必要です。

コレステロールが豊富な食べ物は、レバーうなぎタラコなど。血中コレステロール値が高い方は、これらの摂り過ぎには注意しましょう。

卵の摂取目安量については諸説ありますが、1日1個半までくらいなら問題ないと考えられています[1]

摂っても良い脂質 …不飽和脂肪酸

一方、血中のLDLコレステロール値や総コレステロール値を下げてくれる脂質があります。
それは不飽和脂肪酸を豊富に含む脂質です。

不飽和脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に大別されます。
いずれも血中コレステロールを下げることが知られています[2]

植物性油脂

不飽和脂肪酸は、植物性油脂に多く含まれています。
代表的なものは、オリーブオイルひまわり油菜種油大豆油ごま油サラダ油など。

なので、血中コレステロール値が高いからといって、極端に炒め物や揚げ物を制限する必要はありません

植物性の調理油であれば、血中コレステロール値は上がらないと考えて良さそうです[3]

に含まれる油は不飽和脂肪酸(特に多価不飽和脂肪酸が)が多いため、血中コレステロール値が高い方は、魚料理を積極的にとると良いでしょう。

代表的なものは、サバブリイワシアジサンマなど、青魚と呼ばれるもの。

旬の時期には特にあぶらがのっているので、多価不飽和脂肪酸もたくさん摂ることができます。
また、網焼きやグリルにすると一部油が落ちてしまうので、刺身など生で食べることをおすすめします。

摂って良い脂質も、摂り過ぎには注意

摂っても問題ない脂質とはいえ、あぶらはあぶらです。
1g9kcalのエネルギーがあり、消費できない分は体脂肪として蓄えられます。

肥満は、それ自体が血中コレステロールを上げる方向に働いてしまうことが分かっているので、脂質の摂り過ぎ(エネルギーの摂り過ぎ)には十分注意してくださいね。

適切なエネルギーの範囲内で食品の選び方を工夫することで、血中コレステロール値を改善していくことが期待できます。

血中コレステロール値が高くて悩んでいる方、食事を改善したいと考えている方は、ぜひ今回の内容を参考にしてみてください。

参考

[1]佐々木敏(2018)佐々木敏のデータ栄養学のすすめ,女子栄養大学出版部

[2] Mensink RP, et al. (1992) Effect of dietary fatty acids on serum lipids and lipoproteins. A meta-analysis of 27 trials. Arterioscler Thromb, 12, 911-9

[3]佐々木敏(2015)佐々木敏の栄養データはこう読む!,女子栄養大学出版部

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